朦朧
【3月7日 記】 ハワイ島から帰って2日。夜になると眠くて仕方がない。そして、朝もやや早めに目が覚める(こちらはそれほどひどくないが)。
こういう現象を世間は「時差ボケ」と言うが、僕はその言い方にどうも納得が行かない。
だって、まるで僕がボケているような言い方ではないか?
僕は断じてボケていない。僕の身体は1日24時間制を貫徹しようとしているにすぎない。ボケているのは時間のほうなのである。
19時間時差のあるハワイに飛んでも何日かかけてそれに順応しようとし、日本に戻ってまた19時間狂っても、何日かかけて24時間単位の生活に戻ろうとするのだ。肉体は懸命に、実直に24時間を生き抜こうとしているのである。
なのにちょっと海外に足を伸ばしたというだけで、時差は身体の時間感覚をズタズタにしてくれる。迷惑千万な話だ。
移動したら時差があるのは当たり前だなどと言う人もいるかもしれないが、それは歪んだ先入観である。何と言っても南北にまっすぐ移動すれば時差は発生しないのだから。
つまり、僕らは移動の方向性に縛られているのである。移動の方向性に支配されて身体がおかしくなるのは僕らがボケているからではない。僕らの身体がまっとうだからである。
ボケていたり狂っていたりするのはあくまで時間のほうではないか? それを「時差ボケ」などと言う人は、ちょっとボケているのではないか? などとちょっと朦朧とした頭で考えている次第である。
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