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Thursday, March 22, 2018

映画『ちはやふる -結び-』

【3月22日 記】 映画『ちはやふる -結び-』を観てきた。百人一首を題材とした作品で『上の句』『下の句』で終わらずにその後『結び』が続くというのは構成として美しくないが、でも、まあ2本観たからには最後の1本を観ないわけには行かない。

前作がよっぽど面白くなかったのであれば話は別だが、前の2本も結構楽しんだわけだし。

とか言いながら、映画が始まっても前作がどこでどんな風に終わったのか全く記憶が甦ってこない。まあ、毎度のことではあるけれど(笑)

でも、やっぱり面白いのだ。競技かるたなんて、門外漢からしてみたら起伏のあるドラマに仕立て上げようがなさそうな素材なのに、テクニックとか作戦とか、いろんな方面からちゃんとメリハリをつけてくる。

3作目ともなると登場人物のキャラもはっきりしてくるし、賀来賢人が演じた新登場のかるた名人もかなり個性的で、面白くストーリーに絡んでくる。

そして、相変わらず画が良い。畳の目や千早の耳許のアップ。舞い飛ぶ札の CG。揺れる髪、そよぐ袖…。今作でもふんだんに使われるスローモーションも美しい。エンディングのアニメーションや Perfume の歌なども下手すると取ってつけたようになるところが見事にマッチしている。

ただ、最後の勝負の綾の部分をなんだか描ききれずにグダグダになってしまった感があるのは少し残念。千早を強くするものが何なのかは分かるのだが、太一に力を与えたのは何だったのか? 繋がりかけたものが結局繋がりきれずに終わった感じがした。

でも、今回は恋に焦点を当てた筋運びで、そこに「忍ぶれど」と「恋すてふ」の2首を持ってきたのは却々ナイスで、そうか、平兼盛と壬生忠見の歌合での対決のエピソードはまだこの映画では使っていなかったか、という感じ。

ちなみに僕個人は少し吹聴するような軽薄っぽい平兼盛よりも、内省的で一途な壬生忠見のほうが遙かに深みのある歌だと思うが…。

ま、それは措いといて、僕は今作もともかく非常に楽しんだのである。広瀬すずってやっぱり相当魅力的な女優だと思う。

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