引越して気づいたこと──技術の進歩
【12月11日特記】 この夏、18年ぶりに新築のマンションに移ったのですが、やっぱり新築は良いです。
いや、女房と畳は、みたいなことを言いたいのではありません。そりゃあ何でも新しいほうが気持ち良いわな、なんてことではないのです。そこには技術の進歩があるのです。
例えば新築のマンションでは、浴室の排水口に溜まった髪の毛は、昔と比べて遥かに簡単に、しかも、あまり汚らしい思いもせず取り除くことができます。
お風呂の蓋は昔と比べて圧倒的に汚れがつきにくく、また掃除しやすくなっています。また、24時間換気のシステムがあれば、浴室の壁や床に生えたカビをこすり取るなんて作業はほとんど必要なくなります。床は真冬でも冷たくありません。
浴室だけでもこれだけの技術の進歩があるのです。マンション全体を考えると、生活は格段に快適になっているはずです。
そういうことは多分衣食住すべての面であるのだと思います。
住に関して言えば、しかし、そう度々リフォームできるわけでもないでしょう。だから、引越しが大きな機会になるのです。新築でなくても、引っ越せば多少は新しい技術に接する機会が得られるかもしれません。
食に関して言えば、これは毎日更新するものだから、日常的に技術の進歩の恩恵に与っているはずです。ただ、毎日3食もあるだけに、逆にその進歩や変化に気づかないのでしょう。
そして、衣については技術の進歩の恩恵に浴すことが可能でありながら、自らそれを避けているケースがあります。
それは、「まだ着られるし」「買ったとき高かったから」「気に入っている服だから」などという「もったいない」という気持ちです。
でも、10年前に10万円で買ったコートよりも、980円のユニクロのフリースのほうがよっぽど軽くて暖かいなんてことが至るところで起きているのです。
そして、もったいないからと古い衣服を着ているがために、家の中で冷暖房の費用がかさんだり、一回一回のクリーニング代が高かったりする馬鹿馬鹿しいことになったりもするのです。
そう言えば、過去一年間の我が家の電気代を比べると、今年は去年より年間25,000円も減りました。それは、それまでの家が 60A、今の家が 40A であるということが一番大きな理由なのでしょう。
でも、前の家では 60A でもしょっちゅうブレーカーが落ちましたが、今は 40A でもそんなことは全くありません。引っ越しを機会に、エアコンや照明をはじめ、いろいろ電化製品も買い替えたことで一つひとつの消費電力が減っているのです。
ことほどさようにあらゆるところで技術の進歩に突き当たるのです。
電気代だけではなく、ガス代も水道代も下がっています。いろんな要因が考えられますが、そこにも技術の進歩が絡んでいるように私は感じています。収納の効率化という意味でも、構造の革新は目を瞠るものがあります。
掃除も洗濯も食事も後片付けも入浴も就寝も、すべてに技術の進歩が貢献してくれています。そういうことを一気に感じられるのが引越しなのだと思いました。
どうだ、良いだろう、というのではなく、虚心坦懐に技術の進歩を祝して書いています。我が家も今が幸福の絶頂であり、悲しいかな何年か住むうちにどんどん技術の進歩から取り残されて行くのだということには、残念ながらちゃんと気づいています(笑)
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