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Saturday, November 25, 2017

始まらない

【11月25日特記】 「始まらない」という表現が好きだ。

「10分過ぎているのにまだ始まらない」という「始まらない」ではない。「そんなこと言っても始まらないよ」の「始まらない」である。

「仕方がない」と同じようで、やっぱりニュアンスがちょっと違う。その違うところが好きだ。

「仕方がない」の「仕方」は「やる方法」「やり方」「やりよう」である。つまり、「ひょっとしたら考え方は合っているのかもしれないが、実際やりようがない」ということだ。実務レベルに落とした場合に実行不可能だという感じ。

「…しても仕方がない」とは「やろうとしてもやりようがないので無駄だ(から諦めようか)」という感じ。

──ま、いずれも僕の勝手な解釈と言うか、個人的な語感なんだけれど。

それに対して「始まらない」は良し悪しの判断よりも何かが始まるか始まらないかを問題にしている。良いことであれ悪いことであれ、何かが始まることが大切なのだ──という風に僕は受け取るのである。

だから、この言葉が好きなのだ。

世の中には何も始まらないことばかり言っている人はいる。どんなに素晴らしい言説でも、何かを始めるパワーのないものは少し見劣りしてしまう。

つまらないことでも何かを動かして行く人間こそが望まれている気がするのである。

人を動かすのが人の仕事である。動かして何かを始めるのが人の仕事である。言っても始まらないことを言っていても本当に何も始まらないのである。

ま、好きだとは言うものの、「…しても始まらない」という表現自体は、(新明解国語辞典によると)「手遅れで(時期を逸して)どうすることもできない状態だ、というあきらめの気持ちを含意することがある」後ろ向きの表現ではあるのだけれど(笑)

早く諦めたほうが良い方策にたどり着くことだってあるのである。諦めて一緒に次の何かを始めましょうや。

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