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Thursday, November 16, 2017

『鋼の錬金術師』マスコミ試写会

【某月某日特記】 映画『鋼の錬金術師』マスコミ試写会に行ってきた。『ピンポン』の曽利文彦監督による実写版だ。

見終わって一番強く感じたのは、原作の長く複雑な話をよくこれだけコンパクトにまとめたな、ということ。

長い原作を2時間の映画にするとなると、映画を作る側にとっては、何かを削って削ったところをうまく繋ぎ合わせる必要があるのは当然のことだ。だから、僕みたいに最初から「どこを切り取ってどう繋げてくるかな」と思いながら観る人もいるが、一方でそんなことを全く考えずに見に来る客もいる。

そういうタイプの原作ファンに対してちょっと削り方、繋ぎ方を間違うと、猛烈な幻滅感を与えてしまって、そうなるともう映画はヒットの見込みがない。

そういう意味ではこの脚本は非常に良かった。原作(と言っても僕が知っているのはテレビアニメのほうだが)のエピソードを忠実に拾いながら、無理に歪めることなく非常に巧く繋いでいる。

むしろアニメの時よりも整理されて分かりやすくなっている。実写版で初めて観る人もいることを考えるとこれは非常に大事なことだ。

テレビでは、回を進むごとに賢者の石や真理の扉などの複雑怪奇な謎が少しずつ解けてくるという展開も必要だが、2時間でそれをやっていては間に合わない。詳しいことは書かないけれど、シンプルにして急展開に持って行き、しかも不自然でなく理解もしやすいという、映画としては理想的な進行と言って良いのではないだろうか。

一方で、原作/アニメのファンに対しても、まず画作りからして非常に再現性が高いので、そんなに拒否感を与えることはないのではないと僕は思う──のだが、キャストとキービジュアルが発表された際に twitter 上ではかなりディスられたのも事実。

原作ファンはこれをどう捉えるのだろうか?

僕としてはマスタング大佐を演じたディーン・フジオカとウィンリィに扮した本田翼、そしてホムンクルスの3人(松雪泰子、本郷奏多、内山信二)がまさに嵌り役だったと思うのだが、キャスティングの面だけではなく、例えば色の再現性が非常に高いと思った。

色というのは、服の色彩だけではない。例えば森の緑からレンガの色まで、全部がちゃんと荒川弘ワールドになっていたと思うし、錬金術でいろんなものが錬成される CG もファンの期待を裏切らないものになっていたのではないだろうか。

曽利監督は『ピンポン』で我々の度肝を抜いてくれた後、その後の作品ではそれほど高い評価もなく、「やっぱりただの CG屋さんだったか」などと陰口を叩く人もいたが、この作品が必ずや再評価のきっかけになると思う。

曽利監督、絶対原作が好きだよね。好きでないと作れない映画ができていたような気がするのだが、如何だろうか?

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