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Sunday, November 26, 2017

映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』

【11月26日特記】 映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』を観てきた。これは岸井ゆきの目当て。

彼女を初めて観たのは多分『銀の匙』だが、この時の記憶はない。テレビドラマ『となりの関くんとるみちゃんの事象』でるみちゃんの変なクラスメート役をやっていたのに目が止まった。そして『ピンクとグレー』で俄然「この子はいいぞ!」という感じになった。

テレビドラマ『ランドリー茅ヶ崎』のゲスト出演も非常に印象深かった。その後もいろんな映画やテレビドラマで彼女を見つけるたびに注目してきた。でも、主演するとは正直思わなかった。

映画の冒頭でギシギシという音。僕は冗談でも何でもなく、この音は何の音だったっけ、古いミシンとか機織り機?などと考えていたのだが、これは春野吉子(岸井ゆきの)と圭介が(松澤匠)が自宅2階のベッドでセックスする音だった。

ちなみに松澤匠は『オーバー・フェンス』で満島真之介をいたぶる中卒の訓練工を嫌味たっぷりに演じていたあの役者である。

そこへ電話がかかってくる。圭介の「出なくていいの?」の声でセックスを中断して電話に出る。それは祖父の死を知らせるものだった。で、吉子は服を着てベランダに出る。何をするかと思ったら、なんと庭には父・清二(光石研)がいて、吉子が上から呼びかける。「おじいちゃん、死んじゃったって」

面白いアバンタイトルである。ぐっと興味をそそられる。

で、その後は人が死ぬとやらなければならないことをやっているシーンが続く。遺体を病院から運び出し、通夜と葬儀、そして、残された認知症のおばあちゃん(大方斐紗子)をどうするか?

田舎の街だから親戚がみんな近所にいる。吉子の父・清二は次男で長兄の昭男(岩松了)とは仲が悪い。清二は家族に理由も言わず「早期退職」しており、昭男のほうは妻・ふみ江(美保純)と離婚し、息子の洋平(岡山天音)は大学に落ちて引きこもり状態、娘の千春(小野花梨)は高校生なのに飲酒喫煙三昧。

それぞれにいわくつきのそんなみんなが集まってくる。ひとり都会に出て成功している清二の妹・薫(水野美紀)や東京で大学に通っている吉子の弟・清太(池本啓太)も帰ってくる。

昭男と清二の不仲を核として、みんなにそれぞれ勝手な言い分もあっていろいろと揉める。昭男の妻・ふみ江は息子と娘をおばあちゃんの家まで送ってくるが、自分は関係ないと通夜にも葬儀にも出ない。

そして、吉子はおじいちゃんが亡くなった時にセックスしていたことに何となく罪悪感を覚えている。

ま、そういうことを背景にした日常が描かれる。大きな事件はない。

最初のほうは登場人物の関係が分かりにくいのだが、次第に飲み込めてくる。そして、みんながそれぞれにモヤッとしたりイラッと来たりする様がさじ加減よく描かれている。

たまに花火だったり草の中に横たわる吉子だったり、唐突にピクチャレスクな画が挟まれるのだが、これは監督のこだわりなのだろうけれど、まあ、なくても良かったかなという気もする。

インドのロケのシーンも作品全体に対する寄与度が低いように思えた。これもなくても良かったかな。

でも、吉子と圭介の2度めのセックスのシーンとか、とても巧く組み立ててあって良かったなあと思う。

監督は森ガキ侑大(機種依存文字なのではなく、こういうカナ混じりの名前である)。CM出身の人だそうだ。そう言われるとなるほどと思う。そして、脚本はこちらも新鋭の山﨑佐保子。それぞれのエピソードがちょっとバラけ過ぎのような気もしたが、台詞は巧いと思ったし、何よりもオリジナルというのが偉い。

何より岸井ゆきのが良い表情、良い台詞を重ねて良い演技をしていた。ますますファンになった。

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