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Sunday, November 19, 2017

映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

【11月19日特記】 映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を観てきた。この邦題はひどいと思うが、言わずと知れたスティーヴン・キングの名作である。読んでないけど(笑)

いや、スティーヴン・キングは何十年も前に初めて読んだ『ペット・セマタリー』があまりに怖くて、その後1冊も読めないでいるのである。

映画を見終わって考えた。単なるホラー映画とそうでない映画との違いは那辺にあるんだろうか?と。

もちろんそれは原作に負うところが大きいのだろう。でも、この原作であっても2流の監督が撮ったら単なる B級ホラーで終わることだってあるだろう。この映画がそうなっていないのはどこに違いがあってのことなのだろう?

監督はアンディ・ムスキエティ。僕の全然知らない監督だ(もっとも、僕は外国人の監督をほとんど知らないのだ)が、ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を務めた『MAMA』で長編デビューした、アルゼンチン生まれの人だとか。

そう言われるとそういう流れを感じる。そして、ムスキエティ自身が子供の頃からスティーヴン・キングの大ファンなのだそうで、そういう流れも感じる。

ともかく“それ”が出てきて怖いという内容に終始していない。とは言え、“それ”が出てくるところはめちゃくちゃ怖い。ある程度パターン化しているから読めるのだが、それでも凍りつくほど怖い。

で、その怖い“それ”が子供にしか見えないという怖さと、そういう設定が大人と子供の世界の対照というか、境界というか、ある種の相克めいた様相まで見せているところが物語の妙なのである。

そして、主人公の子供たちの中に黒人(屠殺と解体までやっている肉屋の息子)やユダヤ人(ラビの息子)の子どもたちを混ぜ込んだ上で、転校生に対するいじめ、ショックによる吃音、病的な潔癖症の母親、抑圧的な警官の父親、親の性的暴力、本人たちの性的な目覚めなど、いろんな要素をてんこ盛りにして言わばアドレッセンス小説/ムービーとしての全体像が構築されている。

監督はその部分を鮮やかな映像に切り取る一方で、暗黒の、あるいは血塗られた恐怖の映像を綯い交ぜにしてくるあたりが非常に恐ろしい。

これ、ともかく観た人の心の中に残る映画である。痛切にトラウマ的に残るのか、あるいはほわっと暖かく残るのかは分からないけれど。

演じた子どもたちが、どの子も非常に良かった。次は27年後の物語になるのだろうが、『第2章』も必ず観たいと思う。

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