映画『先生! …好きになってもいいですか?』(再)
【10月29日特記】 映画『先生! …好きになってもいいですか?』を観てきた。随分前にマスコミ試写会で観たのだが、いざ公開されるとどうしてももう一度観たくなった。
2度観るといろんなことが解る。
台詞の繋がりと画の繋がり。ああ、その台詞は後のこの場面に続くのか、ああ、そこにそんなカットが入っていたのか!
手や足のアップの短いカットの意味。それぞれの場面が一日のうちのどの時間帯なのか、そして、その時間帯にはどんな光がどこからどう射しているのか。背景を極度にぼかしたシーンと、遠くのほうまできっちり収めたシーン。
全てが見事にコントロールされている。何のかんの言う前にまずこの画作りを見てほしいのだ。
そして、俳優の動かし方。
これほどまでにいじらしい広瀬すずが撮れるのは三木孝浩監督だけだろう。竜星涼も比嘉愛未もものすごく良かった。
岡田麿里の脚本も巧い。監督の言う「岡田さんのちょっとヒリッとする感じ、チクッと刺す感じ」が随所に現れている。
響(広瀬すず)は伊藤先生に「何故あのとき抱きしめてくれたんですか」と言い、その後「何故あのときキスしてくれたんですか」と言おうとして、「何故あのとき」までしか言えず、右手で自分の唇を触る。
多分唇を触るところまでト書きに書いてあったはずだ。
この映画はものすごく完成度の高い映画だと思う。今年の僕のベストである。
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