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Sunday, October 15, 2017

映画『恋と嘘』

【10月15日特記】 映画『恋と嘘』を観てきた。

『あゝ、荒野』とどっちにするか迷ったのだが、『あゝ、荒野』は如何にも長い。前後編に分かれていて、しかも前編だけで157分というのは、外した時のリスクが大きい。

もちろん過去には『旅芸人の記録』とか『愛のむきだし』みたいな4時間クラスの映画も観てきたが、それは相当の期待感があってのこと。その点、この『愛と嘘』107分というのは、たとえ外しても痛手が小さい(笑)

で、まあ、そこそこの映画だった。

僕はこの映画の監督の古澤健と脚本家の古沢良太(こっちはフルサワではなくコサワ)がごっちゃになる。後者は僕とは相性の悪い人なので避けている(その割には何本か観ているがw)ので、その巻き添えでごっちゃになった古澤健まで今まで観たことがなかった。

この映画には大きな架空の設定がある。──この時代の日本では、出生率の劇的な低下を食い止めるために、国が国民の結婚相手を決めるのである。政府は国民の遺伝子情報を分析して最適の結婚相手を選び、16歳の誕生日に「政府通知」を送って“パートナー”を知らせて来る。

このパートナーと結婚することは義務ではなく、自由恋愛で結婚しても罰則はないが、国民は意外に政府通知を信頼して、それに従うのが幸せになる道だと信じている。

やや無理がないでもない設定なので、映画のほうも多少非現実感が伴う部分もある。

漫画が原作でTVアニメにもなったらしいが、この映画は原作そのままではなく、原作の登場人物であった仁坂悠介(映画では四谷大輔という役名で、徳井義実が演じている)の姪を主人公とした16年後の物語にしている。そして、原作とは男女を入れ替えて、男2人・女1人の三角関係の物語にしているのだそうだ。

だから、これは脚本家・吉田恵里香のオリジナルに近い物語である。

主人公は仁坂葵(森川葵)。司馬優翔(北村匠海)とは幼馴染で、幼稚園時代のファースト・キスの相手である(葵からキスした)。今でもしょっちゅう会っていて、いろいろ相談に乗ってもらったりしている。

優翔は葵の誕生日前日に自分の思いを告白する。でも、それは何が何でも自分と結婚してほしいというのではなく、もし自分が葵の政府通知の相手なら命がけで葵を守って行くが、もし自分でなかったら、その相手と葵を心から応援する、という控えめなものだった。

果たして、葵の16歳の誕生日に送られてきた政府通知に名前が書かれていたのは高千穂病院の御曹司・高千穂蒼佑(佐藤寛太)だった。

蒼佑は型通り彼女の誕生日に花束を持って現れ、その後定期的に葵をデートに誘うが、つっけんどんで何を考えているかもさっぱり分からない。

でも、優翔の助言も得て蒼佑とつきあううちに、葵はだんだん蒼佑の本質が解ってきて彼のことが好きになり、ただルールに従っていただけの蒼佑も次第に葵に魅かれて行く。一方、優翔は葵への思いを残したまま蒼佑とも友だちになり…。

──と、まあ、ひと言で言ってしまうと、女の子が好きそうな三角関係のお話である。

ただ、「後出しじゃんけんでわざと負けるような子」みたいな良い台詞があり、駆け出す葵をじっと見つめるクレープ屋のおやじ(温水洋一)が画面の端のほうに映っていたり、それなりの創意工夫の見える作りである。

自分ならこの物語をどう終えるかな、と映画を観ながら考えていて、まあ自分だったらこうするかなと僕が考えたのと全く同じ結末を持ってきてあった(スタッフ・ロールの後なので席を立たないように)。だからというわけでもないが、読後感は悪くなかった。

あの終盤の、「さすがにそれはあんまりだろう!」という展開から、よくあそこに切り替えしたなと思う。

森川葵という役者はそもそもオーバー気味の演技をする人で、間もなく公開される『先生!』でも臭めの芝居が目立った。今作では男優2人が抑えた演技をしているだけに、やや浮いて見える。

もちろん、今作では意図してそういう演出をしているのだろうから、この映画はこれで良いのだが、こういう演技ばっかりやっていると、将来女優の芽を摘んでしまうのではないかと、少し気になった。

あと、やたら大仰なストリングスが流れて音楽で無理やり盛り上がらせようという手法も僕はあんまり好きではない。一番のクライマックスだけにしてくれれば良いのに、序盤から音楽鳴りすぎ!と思った。

ま、でも、重ねて書くけれど、そこそこ面白い映画だった。

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