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Tuesday, October 03, 2017

『8年越しの花嫁』マスコミ完成披露試写会

【10月3日特記】 映画『8年越しの花嫁』のマスコミ完成披露試写会に行ってきた。

実話、難病もの、そして、悪しざまに言えば「お涙頂戴」と、僕の大っ嫌いな要素が揃っているのだが、しかし、まあ、よく作ってあった。

2005年に尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)が出会い、翌年尚志がプロポーズして麻衣が憧れていた結婚式場を予約する。ところがその年の暮、麻衣が突然「抗NMDA受容体脳炎」に襲われ昏睡状態となる。

翌年はずっと眠ったまま。翌々年に奇跡的に目を覚ますが、もちろん体はほとんど動かないし、刺激に対する反応も弱い。リハビリを重ねてなんとか車椅子で日常生活を送れるようにまでなったが、麻衣には尚志に関する記憶がない。

そこからさまざまな艱難辛苦を乗り越えて、病変から8年後、ふたりは漸く結婚式を挙げた。その結婚式のビデオを岡山の結婚式場が YouTube に上げたのがきっかけでこの話が広まったと言う。

実話であるために多くの観客は結末を知ってしまっている。タイトルもそれを隠していない。ただ実話であるということだけが売りの、曲折も枝葉もない物語である。でも、だからこそ、純愛を描くことに専念できたのだろう。

何のケレン味もないところに却って好感を抱いてしまう。

世界中にこんないい奴は二人といないだろうと思える尚志を演じた佐藤健が本当に素晴らしかった。こんな役柄はどうしても嘘っぽかったり嫌味になったりするものだが、それが全くない。

佐藤健は喋り方にそれほどバリエーションを持つ役者ではないが、それでもいろんなタイプの人間になり切れる。名優だと思う。

元気なお嬢さん→病気の発作で荒れ狂う→目覚めた後のもぬけの殻のような存在→尚志へのひたむきな愛を取り戻す──というくっきり色分けされた演技プランも土屋太鳳にはぴったりだった。

そして、父親役の杉本哲太、尚志の務める自動車修理工場の社長の北村一輝、同僚の浜野謙太、と共演の男優陣の演技が光っていた。

ストーリーは概ね読める。ここで泣くだろうと思うところで尚志は泣き、ここで決意するだろうと思うところで麻衣は心を決める。観ている途中で、ああ、なるほど、それをクライマックスに持ってくる気か、と気づく。

でも、そんな予定調和の中で、動きのあるシーンで敢えて引きの画での全体像から切り替えて、思いっきり顔や手のアップを見せる辺りが本当に巧い。

結局ちょっと泣かされてしまった。岡田惠和の自然な脚本と佐藤健の自然な演技がとても良かった。12/16(土)全国ロードショー。

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