脱毛談義
【9月6日特記】 会社で30歳前後の社員に「ヒゲの永久脱毛しようかどうか迷ってるんですよ」と言われて、ちょっと虚を突かれた気分になった。
さすがにそういうのがあることは知っている。初めて知った時に「確かにそれをやったら毎朝ヒゲ剃らなくて良いから楽だなあ」と思ったのも事実。
でも、それを本当にやる人が周りに現れるとは思っていなかった。そこへ「○○さんはすでにやってますよ」と同じ会社の同僚の名前をかぶせられて、今度はほんとに驚いた。
一体いくらかかるのか知らないが、何千円という桁ではないだろう。しかも、一遍では済まず、時間をかけて何度か通う必要がある。うーむ、そこまでしてほんとにそんなことやるのか、と思う。
しかし、これは僕が彼らの年齢のときには存在しなかった(多分)ものだから、その値打ちを僕が分からなくても仕方がない。
見たこともなければ、実際食べた人の話を聞いたこともない食べ物にいくらまでなら払うか、と言われているようなもので、想像がつかないので値踏みのしようがない。
毎朝ヒゲを剃らなくて済むようになる面倒臭さの除去と可処分時間の増加をどれくらいの貨幣と交換すべきなのだろう、と考え込んでしまう。
「やまえーさんはやりたいと思いませんか?」と訊かれて、僕は自然にこう答えていた。
「いや、俺はもう老い先短いから」
自分で答えて自分でなるほどと感心した(笑) そう、それはあと何年間ヒゲを剃り続けなければならないかという問題と直結している。だから、僕には若い彼らと価値観を共有することはできない。
そう思ったところでこの話題は終わった。彼もそのことに気づいたのかもしれない。
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