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Saturday, September 23, 2017

仕事

【9月23日特記】 僕が会社員になって最初に変だなと思ったのは、先輩社員たちのほとんどが自分は仕事ができると思っていることだった。いや、僕が勝手にそう感じただけかもしれない。ただ僕はこれを異様な世界だなと思った。

これが学校であれば、できる生徒もいるしできない生徒もいる。できない生徒ができると思っていることは少ない。

また、英語はできても数学はどうも苦手とか、音楽は好きなんだけど体育は憂鬱とか、それぞれに自分のダメなところが見えていたのではないだろうか。

でも、会社に入ってみると、自分は仕事ができないと悩んでいる人がいない気がした(何度も言うが、僕が勝手にそう感じただけかもしれないが)。

2年本社にいたあと東京に転勤し、僕は長らく外回りの営業マンをやらされたが、その時、周りは「手練」とか「やり手」とか言うべきベテランばかりだったので、僕自身は仕事ができるなんて思ったことは一度もなかった。

これは先輩たちがちゃんと自己評価できていない中で僕だけが正常であったというようなことではない。むしろ逆で、先輩たちは本当に仕事ができる人たちで自分ができていると考えていても何の不思議もなかった。

そして、僕が自分で仕事ができないと感じていたのは正当な評価でも何でもなく、そもそも営業マンなんかやりたくなかったので何とか早くやめさせてほしいという切実かつ鬱屈した逃避願望がまず根底にあって、その上での完全な敗北感であり、御しきれない劣等感であった。

そういう体験が影響しているのかどうかは分からないが、僕はその後も自分が仕事ができると思ったことはない。ひとつひとつのタスクとしては「これはちゃんとできたな」というのはあっても、あるいはひとまとまりの仕事が結果的に「できた」と感じることはあっても、全般的に「できる人」だと思ったことは一度もない。

むしろ大半は苦手意識と劣等感に塗れてやってきた。

でも、長い会社生活を通じて、話をしていると、みんな自分はちゃんとできているという前提でしゃべっている気がする。それを評価しないのは会社のミスだとさえ思っている。

異様な世界だな、と思った。そして、ああ、この感覚、会社に入った時からずっとあるな、と気づいた。

何度も書くけれど、僕が勝手に思っているだけで、むしろおかしいのは僕のほうなのかもしれないが。

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