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Wednesday, August 30, 2017

電子書籍とストリーミング

【8月30日特記】 久しぶりに紙の本を読んでいる。いや、「やっぱり紙の本は良い」などという話ではない。むしろ電子書籍しか読めなくなってきた。

紙の本は重いし嵩張る。持ち重りのする、手触り感のある紙の本のほうが好きだという人もいるのだろうが、僕は全然そんなことはない。

電子書籍は便利だ。唯一の難点は引用した時にページ数が書けないことかな。

そして、音楽の世界でも同じような構図がある。でも、それは紙の本と電子書籍の対比とは少し違う。

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Tuesday, August 29, 2017

映画『君の膵臓をたべたい』

【8月29日特記】 映画『君の膵臓をたべたい』を観てきた。最初はタイトルに嫌悪感を覚えた。『先生を流産させる会』以来の嫌なタイトルだと思った。放っておいたら、その映画と同じように、タイトルだけで観に行かずに終わるところだった。

でも、この映画は随分評判が良いみたいなのだ。それで観ることにした。そんなわけで予備知識はほとんどゼロである。

映画が始まって、「あ、小栗旬なのか」と思った。そして、回想シーンになり、彼の高校時代の同級生の女の子・桜良が出てきて、「あ、これは浜辺美波ではないか!」と小躍りした。

僕は『咲』で彼女を知った、と言うか、『咲』の浜辺美波しか知らないのだが、「この子はきっと来る!」と確信した。

そして、アバンタイトルの後、スタッフの名前が出て、脚本は吉田智子である。良い脚本家が書いているではないか。

小栗旬が演じる【僕】(春樹)は母校で国語を教える教師なのだが、冒頭の授業中のシーンで彼の話を聞かずに物音を立てた女生徒に対する何とも言えない無力な感じがこのキャラクターをとても巧く描いている。台詞ではなく状況で描ける脚本家なのだ。

監督は月川翔。名前に記憶はあるが作品名は出て来ない。でも、帰宅して調べてみたら、行定勲が『クローズド・ノート』を撮っていたときのメイキング担当が三木孝浩で、その三木のアシスタントが月川だったという。これは僕の好きな“筋”だ。

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Monday, August 28, 2017

東京の街で

【8月28日特記】 自分たちと同じようなアジア系の顔をしていて、見分けがつかなくても何の不思議もないはずなのに、ひと目見た途端に、「ああ、この人はずっと日本に住んでいる人ではなく、観光とか留学とかで最近日本に入ってきた人だな」と思うことがある。

彼ら彼女らが喋るのを耳にしたわけでもなく、挙動をずっと見ていたわけでもない。それでも大体は言い当ててしまう。彼ら彼女らが喋りだすのを以て、ほぼそれは証明される。

自分で当てておきながら、一体どこが違うのだろうと不思議に思う。どこかにその証拠を掴んで、というのではなく、なんとなく全体としてのイメージなのだ。

もちろん、「全体」と言いながら、その「全体」を構成する要素にはファッションとかメイクとかいったものがある。彼ら彼女らのファッションやメイクは、どことなく日本人たちのそれとは違うのである。

しかし、僕はファッションに自信があるわけでもなく、メイクに知見があるわけでもない。それにも拘らず一発で見分けてしまうのが我ながら不思議なのである。そして、それこそが恐らく文化というもの、あるいは文化の違いというものなのだろうと思う。

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Sunday, August 27, 2017

今日はどうかしてる

【8月27日特記】 今日は失敗した。妻が仕事で出かけた後、映画でも観に行こうと思ってネットで座席を取った──つもりだった。ところが、映画館の前まで来て、はて、番号は何番だったっけ、と思ったのだが、番号を目にした記憶がない。

TOHOシネマズだから、ネットで予約すると「購入完了のお知らせ」というメールが来る。そこには「購入番号」という4桁の数字が書かれており、映画館に行って機械にその購入番号と自分の携帯番号を打ち込んで発券するのである。

ところが、そのメールを見た覚えがない。映画館の手前 50m ぐらいで気づいて、スマホの画面をいろいろ切り替えて探してみたが、どのアカウントにもどのフォルダにも今日の日付で TOHOシネマズから来たメールはない。

PC と スマホに2通メールが届く設定にしているので、その両方ともを捨ててしまったという可能性は低い。

だいいちメールを見た記憶がない。そう多分メールは来ていないのである。

チケットを取った時、実はいろんなことをしながら取ったのが悪かった。そして、座席が取れた(と思ったの)と同時にスマホが震えてメールが届いたことが分かった。それで僕はきっと「もう座席は取れた」と勘違いして最後のボタンをクリックしなかったのだ。

たまたまそのタイミングでスマホが震えたのは、全然関係のないメールの到着を知らせたものだと後から分かった。しかも、1通ではなく2通、いずれも何の関係もないメールがそんなタイミングで相次いで届いたのである。

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Friday, August 25, 2017

読み方

【8月25日特記】 なーんか日本人の(あるいは、これは日本だけの現象ではなくて現代人共通のことなのかもしれないですが)文章の読み方が少しおかしくなっているような気がしてならないのです。

ここ何年かそんな風に感じることは折に触れてあったのですが、最近また決定的な事例に出くわしました。それは稲垣えみ子さんの記事の炎上です。

そう、あの電気を使わずに生活している元朝日新聞記者のアフロヘアの女性。その人が AERA に書いた記事が大炎上してしまいました。

少なからぬ人がご存知かと思うのですが、一応 URL を書いておきますので、ご存じない方はそちらを先に読んでください(このページが永遠に存在するのかどうかは知りませんが)。

https://dot.asahi.com/aera/2017081500062.html

んで、すぐに想像がつくように、批判を浴びたのは前半部分。てっきり自分の本を買ってくれたのかと思ったら図書館から借りた本だったので「傷ついた」というくだりです。

この部分が反感を買うのは分かります。僕だって彼女の感じ方は少し歪んでいると思います。

しかし、この文章は「図書館で借りてタダで読むやつはけしからん。ちゃんと買って読め」という主旨の文章ではないのです。なのに何故その部分だけが取り上げられて叩かれるのかが僕には分かりません。日本人の文章の読み方がおかしくなってしまったのかな、と思う次第です。

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Tuesday, August 22, 2017

映画『東京喰種』

【8月22日特記】 映画『東京喰種』を観てきた。原作は累計 3,000万部を超える大ヒット漫画だと言うが、いつものことだが、僕はこの映画の予告編を見るまでその存在さえ知らなかった。

どうも僕には『寄生獣』のイメージがあって、これも人を喰う喰種(グール)と人間との壮絶な戦いのドラマかと思っていたのだがそうではなかった。「半喰種」になってしまったカネキ(窪田正孝)の言わば苦悩を描いたドラマだ。

生まれてこの方ずっと人を喰ってきた喰種ならいざ知らず、昨日まで親友だった男がもはや自分の食糧でしかなく、しかも、水とコーヒー以外人間の食べるものは一切受けつけず、罪もない人たちを殺して喰うしか生きていく術がない。

──ある日突然そんなことになってしまったら、いくらなんでもすぐに人間を食い漁る生活に転じるほどの割り切りに到達するのは困難だろう。

この作品は一見人間社会のさまざまな対立を比喩的に映し出しているようにも思えるのだが、しかし、喰う者と喰われるモノという関係がある以上、この対立だけは決して解決できない。──それこそが、この物語、この設定が優れている点であり、一種のトリックである。

CCG(喰種対策局)の捜査官・真戸を演じているのが大泉洋なのだが、彼自身は自分の正義を徹底的に追求している鉄の意志の男であり、職種としても正義と体制の担い手であるのだが、大泉本人や監督も言っているように、この役がどうしても「悪役」に見えてくる。

その辺りは完全に我々がトリックに嵌ってしまっている証拠である。

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Sunday, August 20, 2017

8/20サイト更新情報

【8月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回は久々にレギュラーの言葉のエッセイ以外の更新があります。

いつもの言葉のエッセイのほうは、何度か取り上げたことのあるテーマで、外来語の発音について書いています。ただし、今回は発音間違いのほう。

それから、音楽のエッセイを1本追加しましたが、これは新作というようなものではなく、前に書いたように Amazon インスタントストアがなくなってしまうのを見越して、そこからコンテンツを移した、と言うか、同じ内容のものを再現した形です。

というわけで今回の更新は下記の通り:

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Friday, August 18, 2017

映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』

【8月18日特記】 映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』を観てきた。アニメ版である。岩井俊二監督の原作映画は観ている。テレビ版ではなく、再編集されて劇場版になった1995年のやつだ。

と言っても、毎度書いているように、僕は読んだ本や観た映画を読んだり観たりした尻からあっという間に忘れてしまう。ただ良かったか悪かったかという印象だけしか残らない。この映画についてはとても良かったという印象がある。

で、もう一度見たら記憶が戻るかと言えば、そういう面でも非常に鈍く、例えば事件モノだったりすると犯人が誰なのか最後まで見ないと思い出せなかったりすることはしょっちゅうある。

そんな感じだからこの映画も「あれ? こんな設定だったかな?」と思いながら観ていたのだが、さすがに進み行くうちに気がついた。

岩井監督の原作でも確かに「もしも」という設定はなされていたのだが、しかし、「玉を投げて時間を戻す」なんてシーンはなかったはずだ。それから、主な登場人物である少年少女たちはもう少し幼かったはずだ。

見終わって調べたら、珍しく僕の記憶は正しかった。

昔の実写版では主人公たちは小学生(そのうちのひとりが奥菜恵だったことはすっかり忘れていた)、こちらは中学生である。そして、時間が戻るメカニズムについては昔の映画ではきっちり描かれておらず「よく分からない」と評されたとのこと。

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Tuesday, August 15, 2017

1728(× 2)-1000(× 2)

【8月15日特記】 今のマンションに引越してきてびっくりしたのは1階の集合郵便受け。ダイヤルを例えば右に6、左に4、右に5などと3回まわしてロックを解除して自分トコ宛ての郵便物を取り出すタイプである。

それだけならどこのマンションにもある代物なのだが、驚いたのはダイヤルの数字が 12進数だったこと。

12進数って何? 時計みたいに 12時過ぎたら 1時に戻るみたいな? などと首を傾げる人もいるかもしれないが、コンピュータが好きな人だったら、10進数なら 0 から 9 まで 10種類の数字を、16進数なら 0 から 9 までと A から F までの合計 16種類の数字を使う、と思い当たるはず。

そう、ウチのマンションの郵便受けのダイヤルには 0 から 9 までと A, B の 12種類の文字が書いてあるのである。

まあ、自分トコの番号を憶えるのがちょっとややこしくなったけど、それほどの不便はない。

ただ、不思議なのはどうしてそこまでするか?ということ。

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Monday, August 14, 2017

順の黒いタイツ

【8月14日追記】 昨日観た映画『心が叫びたがってるんだ。』にひとつ疑問点がある。映画が始まってすぐに気づいて、何なんだろう?と思ったのだが、舞台となっている高校の制服が、順(芳根京子)だけ少し違うのである。

多分僕と同じことに気づかれた方も多いと思うのだが、他の女生徒は黒のハイソックスなのに、順だけが黒のタイツなのだ。

いや、スカートや靴の中までは見えないし、生地の質感も分からないので果たしてタイツなのかレギンスなのかはたまたガータで留めるストッキングなのか知らないが、ともかく順以外の女子生徒は生ひざと生ふとももが見えているのに、順だけは黒い衣が足を覆ったままスカートの中に消えているのである。

これは非常に変である。順が何か確信犯的に校則に背いているのだろうか? いや、校則ではこの辺りについては緩い規定になっていて、どちらでも許されるのかもしれない。しかし、それにしても順ひとりだけが違うというのは如何にも妙である。

作者が何を考えたかは想像がつく、というか、主人公を目立たせるためと考えるのがごく一般的だろう。しかし、そのことによってリアリティが壊れることについてはどう評価したのだろう?

これは映画化に当たっての設定なのか、それとも原作の劇場用アニメのときからそうだったのか、そこが気になって画像検索してみたら、どうやら原作からして順だけが足全体真っ黒のようだ。

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Sunday, August 13, 2017

映画『心が叫びたがってるんだ。』

【8月13日特記】 映画『心が叫びたがってるんだ。』を観てきた。例によって僕は原作を知らない。ただし、原作と言ってもこれはコミックスではなく、オリジナル劇場版アニメだった。

大ヒットしたと言う。これはその実写版だ。そこそこ原作に忠実なようだ。

これは一種のおとぎ話である。劇中劇として言葉(声)を失った少女のおとぎ話が出てくるが、映画全体のストーリー自体が一種のおとぎ話である。劇中劇はまさに言葉(声)を失った少女が自分の体験をミュージカルに書いたものである。

成瀬順(芳根京子)は小さい時におしゃべりが過ぎたことの“呪い”(少なくとも本人はそう信じている)で、喋れなくなる。喋ろうとすると強烈な腹痛に襲われるのである。

そんな順が担任の城嶋先生(荒川良々)から「地域ふれあい交流会(ふれ交)」の実行委員に指名される。

他の委員は、小さい頃から音楽をやってきたが、ある時期から決して本音を語らなくなってしまった坂上拓実(中島健人)、拓実と中学時代につきあっていたチアリーダー部部長の仁藤菜月(石井杏奈)、そして肘を痛めて甲子園出場の夢破れた野球部のエース田崎大樹(寛一郎)だ。

ふれ交の催しに関してはただでさえ乗り気でない4人、そしてやる気のないクラスメートたちに対して、城嶋先生はミュージカルをやってみてはどうかと言い出す。順は授業でミュージカルの楽しさに触れ、そして、喋るのではなく歌うのであればお腹が痛くならないことに気づいて、ミュージカルをやってみたいと思う。

そんな順の勇気と熱情にほだされて、他の委員たちもクラスメートもひとり、またひとりと協力的になり、やがてひとつにまとまって行く、というおとぎ話だ。これで最後に順が声を取り戻すようなことになればますますおとぎ話なのだが、これはどう考えてもそこに向かって進み行くしかない設定である。

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Saturday, August 12, 2017

住所変更

【8月12日特記】 引越しをして、段ボールも7割がた開けて、そのあたりで少し落ち着いてくると諸々住所変更の手続である。

もちろん引っ越す前に片付けてしまったものもあるが、銀行関係は手つかずだ。1年前の引越しで経験しているのだが、これが却々面倒くさい。

銀行によって面倒臭さが全然違うのがこれまた面倒くさい。

もちろん、普通預金だけなのか投資信託の口座も開設しているのか等の差によって違うということもあるのだろうが、銀行によって、ネット上で完了できるところ、ネットから申し込んで紙の変更届を取り寄せるところ、ネットでは一切何もできず平日に電話をせよと書いてあるところ、等々。

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Wednesday, August 09, 2017

『青白く輝く月を見たか?』森博嗣(書評)

【8月9日特記】 僕はこの手の SF小説というジャンルは読み慣れていない。ただ、この作家の本は読んだことがある。デビュー作にして第1回メフィスト賞を受賞した『すべてが F になる』だ。

コンピュータのことを学び始めた僕にとって、このタイトルからしてめちゃくちゃ面白かった(もっとも読んで初めて「ああ、そういう意味だったのか」と気づいたのだが…)。

で、最近の僕の興味は AI であり、シンギュラリティである。今回もまたこの人の小説が興味のど真ん中に刺さってきた。

海底5000mに沈没した潜水艦の中で、ほとんどの人間たちには忘れ去られながら、静かに稼働し続け、そしてディープ・ラーニングによって進化し続ける人工知能オーロラ。

その潜水艦に核弾頭が積まれたままになっていることを危惧する政府に頼まれて、ハギリ博士はオーロラとの接触、ひいてはコミュニケーションを試みる、というような話だ。

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Monday, August 07, 2017

8/6サイト更新情報

【8月6日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回も引越しで忙しく、レギュラーの言葉のエッセイだけになってしまいました。今回は、Wの読み方について。

というわけで今回の更新は下記の通り:

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Sunday, August 06, 2017

2度めの出演

【8月6日追記】 映画を観る私たち観客だけではなく、映画を作る監督にも好きな俳優というものがある。そりゃあるだろう。

でも、だからと言って、その監督作品の常連と言われる俳優があまりに増えてくると僕は観る気を失くしてしまう。

僕は好きな監督も多いが、好きじゃない監督も少なくない。別に好きじゃない監督に一定のパタンがあるわけではないのだが、ただ、おんなじ役者ばっかり使い始めると僕はあまり観なくなる。

具体的に書くと、是枝裕和監督は僕の大好きな監督だが、最近ちょっと同じ俳優が多いなあという気がしている。

最初の頃はいろんな俳優を入れ替わり立ち代り起用していたように思うのだが、最近は阿部寛、樹木希林、福山雅治、真木よう子など、メインどころに同じ役者の名前が目立ってきた気がする。

僕にとっては全部好きな男優女優だから構わないし、もちろん使ってみて良かったから再起用するのだろうから、それはそれで当たり前なのだが、ちょっと嫌な感じもしないでもない。

もたいまさこばかり使ううちに(必ずしもそれが理由ではないのだけれど)僕が観る気を失ってしまった荻上直子みたいなことにならなければ良いのだがと思う。

常連の俳優というのが嫌いなわけではなく、例えば森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』に主演して、後は本当にチョイ役ばかりで顔を出す伊藤克信みたいな使い方は大変好きだ。

要は味付けと同じでさじ加減の問題。いつも同じ調味料をメインで使うと、いつも似たような味になりはしないかということである。

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Thursday, August 03, 2017

『先生!』マスコミ試写会

【8月3日特記】 広瀬すず主演の映画『先生! …好きになってもいいですか?』のマスコミ試写会に行ってきた。青春恋愛ものの名手・三木孝浩監督の、息を呑むような圧倒的な映像表現である。

仮に全く同じ脚本、全く同じ出演者であったとしても、他の監督が撮ったら全く違う表現になったはずである。そして、ここまでの表現ができる監督は、恐らく三木孝浩以外にはいないのではないかと思う。

これまで普段あまり映画を見て来なかった人、特にこの先何本もの映画を見ることになる若い人たちに、是非この映画で確かめてもらいたい。役者をどう動かしてどう切り取ったら良いのかを、この監督が如何に完璧に心得ているかを。

カメラはどの角度から、誰を、何を、どのサイズで切り取っているのか。人物のアップになっているのか、それとももう少し引いて周りの風景や事物も一緒に画面に取り込んでいるのか。

そして、奥行きのある構図の時に、カメラは手前と奥とどちらの人物に焦点を当てて、どのタイミングでそれを切り替えているか。

カメラは止まっているのか、動いているのか。横に移動しているのか縦に動いているのか、首を振っているのか寄ったり引いたりしているのか。直線的なのか弧を描いているのか、動くスピードはどのくらいなのか。そして、それは何を捉えるために、何を見せるためにそういう動きをしているのか。

カットは頻繁に切り替えられるのか、それとも流れを切らずに役者に長い芝居をさせているのか。

いや、三木監督はそれほど長回しを使う人ではないので、見るべきところはそこではないかもしれない。むしろ光だ。どっちの方向から、どんな色と透明度の光が当たっているか──そういうところにいつも心配りをしている監督だ。

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Tuesday, August 01, 2017

掌中

【8月1日特記】 会社の近所に時々昼飯を食べに行く居酒屋がある。そこにこんな貼り紙がしてある。

焼酎に入れる梅やレモンなどは、どうしてもということであればご用意いたしますが、杜氏が丹精込めて作ったお酒ですので、できるだけそのままの味をお楽しみください。

等々。

僕は下戸なので基本的に酒のことはよく分からないのだが、ただ、こういうことが書いてあるお店は嫌だ。

大阪に有名な生醤油うどんのお店があり、そこには「醤油は一往復半」とか何とか書いてあって、醤油のかけ方がそれより多くても少なくても店主に咎められると言う。それと同じ嫌ぁなものを感じる。

一往復半だか二往復半だか知らんが、その「半」という辺りに如何にも値打ちをこいている感じがあって、その話を聞いただけで僕はその有名な店を訪れる気にならない。

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