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Sunday, July 02, 2017

映画『いつまた、君と 何日君再来』

【7月2日特記】 映画『いつまた、君と』を観てきた。

自分のストライクゾーンに今いちピシッと嵌まらない監督がいる。

一度か二度見て「ダメだこりゃ」と思ったというわけでもないのだが、逆にずっと追っかける存在にはならない監督。時々見ると良かったり悪かったりで、評価が定まらないのである。

深川栄洋は僕にとってそういう監督だ。

だから、今回は良いほうだろうか悪いほうだろうか、と思いながら観たのだが、良いとか悪いとか言う前に、こりゃまたえらい作品を撮ったもんだ、というのが第一印象だった。

何とも言えないクラシックな、言うなれば NHK の朝の連続テレビ小説みたいな映画だ。と言っても、僕はもう 10年以上朝の連続テレビ小説を観ていないので、単なるイメージでしかないのだが…。

しかし、パンフを読むと、深川監督は「朝の連続テレビ小説のような映画に」とオファーされたと書いてある。うむ、つまり、まさにこれは尾野真千子の朝の連ドラなのである。

原作は向井理の祖母。彼女が上海での夫との出会い、戦後混乱期の日本への引き上げ、日本へ帰ってからも各地を点々とする苦労に満ちた、しかし明るい毎日を思い起こして綴った文章を、向井理ら家族がかつて自費出版したのだそうだ。

そして、その後向井が映画を望んで動き出し、最終的に今回の企画となった。

脚本を書いたのは向井理の出世作である NHKの朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の脚本家であった山本むつみである。向井が山本に脚本化を依頼し、監督には深川栄洋を指名したとのことである。

主人公の朋子(向井の祖母)を演じたのは尾野真千子、向井はその夫・吾郎、つまり自分の祖父を演じている。朋子の父にイッセー尾形、吾郎の親友に駿河太郎が扮している。

そして、現代のシーンでは朋子を野際陽子(これが彼女の遺作となった)、その娘・真美(つまりは向井理の母)を岸本加世子、向井理を成田偉心が演じている。

さて、僕が見に行った劇場はシニア・カップルだらけである。僕の右隣も左隣も老夫婦(多分)。年齢層が高いというだけでなく、これだけ高齢者カップルで溢れた映画館を僕は見たことがない。

そして、まさに朋子と同じ(あるいはそれより少し後の)時代を生きてきた人たちにとって、こういう話は本当に身に沁みるのだろう。映画を観ながら「あっ」とか「いやー」とか自然と声が漏れる。1円札が映るシーンで「あら、懐かしい」と言うのが聞こえてきて驚いた(笑)

僕にしてみたら、BGM の使い方なども含めてあまりのオーソドックスにちょっと飽きたりもしたが、しかし、日本人はやっぱりこういう映画にぐっと来てしまうのである。尾野真千子、岸本加世子、イッセー尾形ら、役者がとても巧いということもある。

冒頭のアイスクリームのアップから「つべこべ言うなよ」という訳の分からん台詞が来て、いきなり2人の顔のアップばかりを交互に見せるところなど、少し奇を衒った面白いシーンもある。

結局全く僕の趣味ではない映画なのだが、見終わって悪い気のする映画ではなかった。まいっか、という感じである。

エンディングでこの映画のタイトルになっている往年のヒット曲『何日君再来』を高畑充希が歌っているのだが、これが非常に良かった。ミュージカル出身の本領発揮である。

さて、深川監督の次回作を観るかどうか、ますます微妙になってしまった(笑)

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