シンギュラリティはもう来ている
【6月2日特記】 今日の AWS SUMMIT で聴いた茂木健一郎さんの基調講演がことのほか面白かった。50分間たっぷり。
全部書くわけに行かないので、ひとつだけ書くと、「シンギュラリティはもう来ている」という話。
曰く、人間は意識して何かをするときに同時にひとつのことしか処理できない。つまり、今講演をしている茂木さんは今はとりあえず自分のこの講演のことしか考えられない。
どこかの学者の研究によると、人間が意識して処理しているのはたかだか1分間に128バイトの量の情報なのだそうだ。つまり、人間とは意識というボトルネックを持った存在なのだとか。
で、茂木さんは言う──そんな性能の悪い人間と AI を比較しないでよ、と。
人間は例えばチェスの世界チャンピオンになりたければ、少年期から一生チェスのことばかり考えていなければならない。それが数ヶ月間チェス用にチューンナップされただけの AI に負けるのである。
つまり、シンギュラリティはもう始まっているのだ──と。
また、今の AI が低性能な人間からの指示待ちをする仕様になっているのはおかしい、もったいない──とも。AI は人間の知能とは違う発達の仕方をするはず。それを解らないといけない。今はあまりに人間に合わせすぎているのではないか、と。
んー、なるほど深い。で、これだけじゃなくて、どんどん逸れながらどんどんまとまって行く茂木さんの話がめちゃくちゃ面白い。
そして、その後登壇した3人の AWS 社員による Alexa と Dash Replenishment Service、そして Amazon Robotics の話もものすごく面白かったし、その3人の米国人を紹介しながら講演を回して行った AWS Japan の長崎社長もとてもカッコよかった。
で、講演終わってつらつら考えていて、ふと気になった。
ちょっと待てよ。僕は1分間に 64文字ぐらいは楽に書いている。いくらなんでも意識してできるのが1分間に 128バイトっちゅうことはないだろう?
あるいは、これは理解の仕方が間違っているのかな? 漢字仮名交じり文で64文字ということと情報量が128バイトということは違うのだろうか? 確かに、2バイトというのは1字分の漢字や仮名を区別して表すために必要な容量であって、漢字にはアルファベットの倍の情報量が含まれているというわけでもあるまい。
んー、しかし、それにしても 128バイトというのは低すぎやしないか? あるいは分間ではなく秒間 128バイトの聞き違いだったのだろうか?
ま、なんであれ、AI には全く歯が立たないことだけは確かであるが。
(この記事、珍しく個人の facebook と重複掲載しています)
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