あたしのことやん
【6月17日特記】 先日、発達障害の息子さんを持つお母さんと話す機会があった。というか、この人は長年の知り合いなのだが、息子さんが発達障害であるという事実については聞いていたのだけれど、そのことについて長く話したのは初めてだった。
彼女は息子がそういう診断を受けてから、息子の障害のことが知りたくて、たくさん本を読んで勉強したと言う。そして、本を読み進むに従って彼女はこう思ったそうだ。「これ、全部あたしのことやん」と。
この話、上手く言えないけど、なんかめちゃくちゃ分かる気がする。そう、それは多分僕のことでもあると思う。
確かに「発達障害」との診断を受けていない彼女や僕は、診断を受けている彼女の息子とは違っているところがある。ただ、それは多分両者が全く異質のものであるということではないのだ。
実は妻も仕事の関係で発達障害については結構知識があり、「私も少し発達障害がある」と言っており、僕についても発達障害的なところがあると笑いながら言い切った。
多分そうなのだ。僕らは決して異種ではない。僕らは連続的な存在なのだ。
いや、専門的なことは僕には解らない。もしも専門家に訊いたら、「発達障害の人とそうでない人には決定的な違いがあるんですよ」みたいな反論があるのかもしれない。
ただ、それはそれとして、「それって全部あたしのことやん」っていう認識は持っていて良いものではないかと思うし、とても素敵な感じ方だと思った。
それは単に彼女が親だから、そして、発達障害は遺伝的な影響が強いと言われているからということではなく、彼女の人柄が言わせた台詞だと僕は感じた。なんか、聞いていてとても嬉しい話だった。
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