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Wednesday, May 24, 2017

隠蔽

【5月24日特記】 「日本の性教育は遅れている」という記事を読んだ。ものすごく大雑把にまとめてしまうと、日本はとかく性をタブー視して、隠蔽する方向に進むのだそうだ。

その記事によると、日本でも一時期性教育が「頑張っていた」時期があったのだそうで、その当時は教科書にコンドームの使い方が載ったりしたのだそうだ。ところがその教科書を見た保護者から猛烈なクレームが来て、掲載は取りやめ。以来、今の隠蔽路線が確立したとか。

セクスの仕方ではなく、あくまでコンドームの着用方法を教えたのに、どうしてそこまで激しい反発が起こるのか今イチ僕には分からない。

覚醒剤の使い方を教えたわけではない。覚醒剤は一生使わないほうが良いのだろうけれど、性交は一生しないほうが良いというものではないだろうし、コンドームだって生涯遠ざけておけば良いというものでもないはずだ。

が、その一方で、コンドームのつけ方って教科書に載ってないとダメなのか?という気もする。

僕らの時代には当然そんなものは教科書に記載されていなくて、僕も生まれて初めてそれを目に(手に)した時は一瞬「これは一体どうやって…?」と戸惑いもした。でも、その後誰に習うでもなくちゃんと使えるようになった(多分)。

ウチは子供のいない夫婦だが、時々つきあいの浅い人から「お子さんは?」と訊かれることがある。僕はよく「いません。作り方が分からなかったんですよ。学校で習わなかったから」と返してみる。そうするとどっと受ける。

どっと受けるのは「学校で習わなかったからと言って、分からん奴なんていないだろう?」という笑いである。

今は学校で習わなかったら分からないんだろうか? でも、教科書に載ってなくても、ネット上でそんな知識はいくらでも集めてこられるよね、僕らの時代と違って。

何故隠蔽するのか? 何を隠蔽するのか? 仮に隠蔽するという方針が正しかったとしても、その隠蔽は果たして全体の中で機能しているのか?

問題はいろいろあって、僕も一口にこれが正しいなどとは言えない。いずれにしてもめんどくさい世の中だなあとは言えるのだが。

昔の時代に大人になって良かったような気もする。

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