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Tuesday, May 09, 2017

映画『無限の住人』追記

【5月9日追記】 映画『無限の住人』で書き忘れたことがある(これからご覧になる方は、感動が減ってしまうので、読まないほうが良いかもしれない)。

あの映画はモノクロで始まった。映画の一部にモノクロ映像が使われること自体は珍しくない。多くは回想部分だけがモノクロだったり、暗く悲しいシーンがモノクロだったりという手法だ。

三池監督がどのような意味を込めてモノクロにしたのかは、何しろ冒頭からいきなりのモノクロだから、観ている客からしたら見当もつかない。ただ、そうなってくると観客の興味はどこでカラーに戻すか、ということである。

まさか映画の中盤までモノクロで引っ張るということはあるまい。最初の何分間かで、何かをきっかけにして色を付けてくるはずだ。それはどのタイミングなのだろう?

そんな思いにワクワクしながら観ていたら、八百比丘尼が万次に虫を注入するシーンでいきなりカラーになった。ああ、なるほど、そう来たか、と感心した。とても鮮やかな転換だった。

三池監督はシーンごとの意味付けを考えてモノクロにしたりカラーにしたりしたわけではないのだ。そうではなくて、彼が演出したのは色のない世界から鮮やかな色の世界への転換なのである。ただただ映像上の効果を狙って転換したのである。

それは万次が死を免れて永遠の命を得るシーンである。しかし、それは死ねない肉体になってしまうことをも意味し、その時点では解らなかった苦悩の始まりでもあったのだ。

そのタイミングでの転換が色鮮やかであるからこそ余計に皮肉めいて映るのである。

こういうのが三池監督のプロの技なのだな、と思ったので、ここに書き留めておくことにした。

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