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Saturday, March 18, 2017

映画『きょうのキラ君』

【3月18日特記】 映画『きょうのキラ君』を観てきた。館内はほとんどが JC、JK という中におっさんが一人だけ勇気を持って突入したのは、ひとえに飯豊まりえを観たかったからだ。

すでに月9への出演も果たしてブレイクし始めているが、僕が見初めたのは去年の2月の  NHK Eテレ『岩井俊二の MOVIEラボ シーズン2』のアシスタント役。

単にめちゃくちゃ可愛いというだけではなく、スタジオでの受け答えを見て「この娘は来る!」と確信した。この後もすでに主演級の映画が控えている。

で、最初に言っておくと、この映画ではみきもと凜の原作漫画に合わせて前髪を下ろしているが、これは彼女が一番可愛く映える髪型ではない。それはちょっぴり残念だった。

主人公の岡本ニノン(飯豊まりえ)は、過去にいじめにあった経験から人を避け、目が完全に隠れるまで前髪を伸ばし、いつも俯いて猫背で歩いている。部屋ではインコの「先生」に話しかけ、動物園に週イチで通っている。

同級生に話しかけようとしてもろくに文章にならない。後にちゃんと話せるようになった後の設定では常に「ですます」調。──つまりちょっと変な子なわけだ。クラスでは当然浮いている。

そのニノがクラスメイトで、時々自分のことを構ってくれたり庇ってくれたりするイケメンの吉良くん(中川大志)に恋をする。ところが、キラくんは心臓の病気で余命1年である。

おいおい、とおっさんはここで言いたくなる。

設定もかなり無理があるが進行も穴だらけである。でも、館内の女子たちはものすごくこまめにビビッドに反応している。大声で笑い転げるかと思えば感極まってすすり泣く。ウケてのけぞったり地団駄踏んだりするので、席が揺れるのなんの。

逆になんでこんなものがこんなに受けるのだろう、という気で見始めると、少し分かってきた。

まず、これはひと続きの映画だと思ってはいけない。これはさながらキャラクター・ショーなのである。デパートの屋上でヒーローが怪獣をやっつける姿に幼稚園児が熱中する如く、彼女たちは画面を見つめている。彼女たちはちゃんと入り込めているのである。

僕らはいきなり「はい、それで彼は余命1年です」と言われると、「おいおい、ちょっと待ってよ」と言いたくなるが、彼女たちは多分「はい、シーン45、彼が余命1年と分かったところから再開します」と言われた俳優みたいに、スパッと切り替えて入って行けるのだろう。

ニノは変な子ではあるが、素朴でまっすぐで純真な子である。その点はおっさんにもちゃんと伝わってくる。監督は彼女に少しオーバー目の演技から入らせているのでやや滑っている感はある(コメディというのは難しいものである)。

ただ、彼女のひたむきさのおかげで、見ているうちにおっさんもそこそこ乗れて来た(笑) 不思議なものである。

そして、ともかく話の作りが甘いのでなんだかバラバラの作品なのだが、逆にどのシーンを切り取っても女の子たちが「こんな経験をしてみたい」という憧れそのものだからこそ彼女たちに受けるのである。そのバラバラの連続に、彼女たちは順番にキュンと来ているのである。

逆方向から見ると、この映画はそういう作りをしている。監督は川村泰祐。

そして、観客の女の子たちは、多分他の作品についても同じような見方をしているのだろう。全体像とは関わりなく、ただ自分の好きなパーツを愉しみ、好きな断片にうっとりする。

それで良いのだろうか?という気はする。まあ、とりあえず今回は飯豊まりえを観に行っただけだから、深く考えないでおこうか。

2人のクラスメイトを演じた葉山奨之と、ニノの両親を演じた安田顕、三浦理恵子がとても良い味を出していた。特に安田顕は巧いね。

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