映画『咲 saki』
【2月10日特記】 映画『咲』を観てきた。
女子高生の麻雀ドラマ。漫画の原作があって、それがドラマ化されて、その続編が映画化されたもの。実写化が発表されたときには原作のファンからブーイングの声が上がったらしいが、いざでき上がってみると結構好意的に迎えられているとのこと。
例によって僕は原作漫画の存在さえ知らなかったしテレビ版も見ていない。さらに最後に麻雀をしたのが何年前だったかさえ思い出せない。
この映画をこれから見ようかと考えている人は基本的にしょっちゅう麻雀をしている人で、恐らく大半が原作のファンだろうから、僕のこの文章は参考にも何にもならないとは思うが、まあ、麻雀やってなくて原作知らない人が見た意見として一応書いてみることにする。
映画は女子高生の麻雀の県大会から始まる。
それまでに登場人物たちのいろんな出会いがあり、いろんな設定の説明があったのでだろうと思うのだが、その辺りはすでに観客は知っているものとしてすっ飛ばされる。時々回想シーンが入るのだが、ごくごく短いシーンなので、この映画で初めて見る人には何のこっちゃ分からない。
でも、これが面白いのである。まるでマンガだ。いや、マンガなんだから当たり前なんだが(笑)
ほんとに馬鹿馬鹿しい。昔の漫画に例えると、『ドカベン』での岩鬼の悪球打ちや殿馬の秘打「白鳥の湖」と同じくらい馬鹿馬鹿しい。で、同じくらい楽しめる(笑)
設定がすごい。
“ステルス・モード”に入って自分の気配を消してしまうと、「リーチ」の声も敵には聞こえないし、当たり牌を捨てても気づかれない少女とか、何やらオカルティックな能力で皆を支配してしまうハイテイツモの名人とか、とんでもない女子高生が続出する。
麻雀牌から妖気が立ち昇るし、麻雀卓には花びらが降り注ぐし、もうやりたい放題。
で、主人公の宮永咲はカンの達人で嶺上開花が得意技である。2時間の映画の中で何度も数え役満が飛び出すんだから、もう笑うしかない。
でも、これがむくつけきおっさん雀士たちのドラマであればただ呆れて見るしかないのだが、可愛い女子高生ばかりが出てくるミスマッチがおかしいし楽しい。
県大会の決勝は4校から5人の選手が出て、各チーム10万点持ちで始めて各選手が半荘2回ずつを戦う。つまり、そこには4×5=20人の人物が登場するわけだが、それがよく描き分けられている。
上述の通りどいつもこいつも奇想天外な設定だが、でもそれが面白い。原作漫画のキャラを象ってかなりぶっ飛んだ衣装の娘もいて、そういうのも面白い。
いやはや、何と申しますか、馬鹿馬鹿しくて面白いとしか言いようがないのである。そして、主人公を演じた浜辺美波がなんとも言えず可憐できゅんと来る。
ただし、言うまでもないが、麻雀知らない人には面白くも何ともないから(麻雀ドラマである限りはそうでなければならないとは思うが)念のため。
ところで、この映画見るまでチャンカンなんて役があったことすっかり忘れてた。今麻雀やったらせっかく上ってもそんな役を見落として損するんだろうなと思った(笑)
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