アプリ・オブ・ザ・イヤー
【2月14日特記】 今日、秋葉原UDX に App Ape Award 2016 の「アプリ・オブ・ザ・イヤー」の発表会を観に行って来た。
で、後半のパネル・ディスカッション5連発を聞いていて、「さすがに当たるアプリを作っている人たちはいろんなことを考えてるんだなあ」と感心するところが多く、却って自分の浅はかさに思い至った。
具体的にはたくさんあるが、例えば丸亀製麺のアプリ:
丸亀製麺でうどんを食べてお金を払うと、レシートに QRコードが印刷されていて、客はうどんを食べて店を出てから、その QRコードを自分のスマホでスキャンしてクーポンを手に入れることになる。
顧客がレジでアプリを立ち上げてバーコードを見せ、それを店員がスキャンすることによってポイントが付くシステムが一般的なのに、なんで丸亀はわざわざ客に手間を取らせるのか?
ひとつには、ここにうどんを食べに来る人はあまりゆったり過ごす気のない人たちだから。そんな人たちはレジで長い時間をかけたくないわけで、自分以外の客もさっさと支払いを済ませてくれないとイライラしてしまうのだ。
それだけではない。丸亀製麺は昼の混雑時は30分に100~120人の精算をこなすのだそうで、ここで客が滞留すると店の売上に直結してしまうのだそうだ。
それで、一見不親切に見えても、わざわざ客に自分でスキャンさせる形を採っているとのこと。
──そんなこと、いちいち言われなくても当たり前だろう、という人もいるかもしれないが、僕にはこの話は目からウロコだった。
いや、さすがに僕らも決して自分たちの都合だけで動いているわけではない。何をするにしても、「ユーザとしてはこっちのほうが使い勝手が良いよな」という視点はある程度持っているつもりではある。
でも、いずれにしても僕らには、いや、僕には、作る側であれ使う側であれ、その手許しか見えていなくて、もっと遠いところで何と何がどう繋がって何が起きるのかが見えていないのだな、と思った。
アプリを作るというのはことほどさように容易くないということなのだろう。いや、アプリを作るのではなくても、僕らは常に、時々は遠くを見る視点を持っているべきだと強く感じた。
(この文章は、アプリ制作に関係した、クローズな場所に書いた文章に少し手を入れたものです)
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