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Saturday, January 28, 2017

映画『本能寺ホテル』

【1月28日特記】 映画『本能寺ホテル』を観てきた。予告編を見てなんだか『プリンセス・トヨトミ』に似てるなと思ったら、まさに同じスタッフが作った映画だと言う。いずれも監督は鈴木雅之、脚本は相沢友子。

『プリンセス・トヨトミ』は僕の周りでは甚だ不評を買っていたが、僕は割合好きな映画だった。

今回の『本能寺ホテル』は、都内の映画館に関しては、今日から軒並み1日2回上映になっているので入りが悪いのだろうと想像したのだが、でも、僕が見た回はほぼ満員だった。

結構面白いではないか。まず、カメラワークが面白い。あざとくよく動く。ぐるぐる回る。そして、人物を縦に並べる。ワンショットであっても、カメラのこちら側に人が相対しているのが感じられる。そして引いた画で横の動きを捉える。

結婚相手の親に会うために京都にやってきた娘・繭子(綾瀬はるか)が、宿泊した本能寺ホテルのエレベータの中で本能寺の変の前日の本能寺にタイムスリップする話である。

ポイントは、繭子がタイムスリップしていつまでも現代に戻れず、ついに観念してこの時代の人間と生きて行くというような設定ではなく、割合短時間で現代に戻ってきて、また、何度も繰り返しタイムスリップするという点である。

しかも、タイムスリップのやり方を掴んで行ったり来たりするのでなく、自分でもどうやったら行けるのか分からないまま行ってしまうところが面白い。これが今までのタイムスリップものと違うところだ。ストーリーは2日で終わる。

冷静に考えれば馬鹿馬鹿しい設定で、戦国時代にタイムスリップして、織田信長(堤真一)の前で現代の小娘らしい振る舞いなどしていたらすぐに殺されても仕方ないだろうし、そんな危ないところに自ら好んで何度も行くことも考えにくい。

でも、その辺で無理やり辻褄を合わせようとしなかったのが良い。そもそも、どういう仕組でタイムスリップするのかを説明しようとしない割り切りが良い。思わせぶりな八嶋智人がなんか関係あるのかと思わせておいて、ほったらかすのが良い。

それよりも人物を描く。人物を描くことによって、なんだか変な展開になっても、「あ、この人ならそんなこともあるかな」と思わせてしまう。綾瀬はるかも堤真一も、森蘭丸を演じた濱田岳もほとんど当て書きだと言うが、まさに役者の個性を活かして、人間を面白く描けている。だから筋がうまく転がるのである。

相沢友子という脚本家はとても思い切りの良い人だと思う。いろんなとこを思い切ってバッサリ切り落として、自分の描きたいところを際立てて描く。──結局そういう描き方が功を奏していると思う。

ただ、この人、ちょっと尻が重い。今回も終わりそうで終わらない。どういうエピソードを最後に持ってきて幕を閉じるのか、あ、これで終わるのか、と思ったら次のエピソードがあって、却々終わらない(笑)

でも、最後のホテルのフロントマン(風間杜夫)のエピソードは面白く、終わり方としても良かったと思う。

現代人へのメッセージを盛り込もうとしてちょっと無理している感はないでもなかったが、ま、娯楽作品としては上出来だと思う。とても楽しかった。

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