『なんでやねんを英語で言えますか? 知らんとヤバいめっちゃ使う50のフレーズ+α』川合亮平(書評)
【1月18日特記】 誰かが twitter で紹介していたのを見て発作的に買ってしまった本。Amazon の内容紹介にはこう書いてある:
「なんでやねん」「あかん」「アホくさ」など、呼吸と等しく使う50の「めっちゃ使うフレーズ」をイラスト&ダイアログで紹介! ドタマからおいどまでオール関西弁の参考書。めっちゃテストに出るで! 知らんけど。
間違って買う人がいたらいけないので初めに書いておくと、これは英会話の本ではない。大阪ネタ満載の謂わば大阪本であり、つまりは実用書の類ではなく、ひたすら面白おかしい読み物なのである。
だから、「私は大阪出身で小さい頃から大阪弁に親しんできたので、この本は丁度良い。これを読んで英会話の勉強をしよう」と思っている人がいたら、まあ確かにそういう勉強法もあるのかもしれんし、そういう勉強法で成果を挙げる人もいるのかもしれんが、僕はちょっと違うような気がする。
学習したいのであれば何もこの本を買うことはない。この本はためになる本ではなくおもろい本なのだから。テストに出ることはないのだ。知らんけど。
ただし、関西弁のネイティブ・スピーカーであれば大いに楽しめるかと言えば、それだけではダメである。この本の本当の面白さは、ある程度英語が解っていて初めて理解できるのである。
僕が学習向きではないと言うのはそういう意味である。
大阪弁と英語の両方に通じているからこそ、読みながら時々「あ、なるほど、これは上手くニュアンスを掴んだ訳し方だ」「はあ、こんな表現があったのか」という風に楽しく読める。──これはそういう本である。
現に英会話の本ではない証拠に、この本の後半の構成はまさにグダグダになる。前半は曲がりなりにも読者に英語表現を伝授しようとしている姿勢が見えるのだが、後半は外国人と関西人のやり取りを「どや、おもろいやろ」とばかりに書いているだけだ(笑)
でも、冒頭に書いたようにこれは結構おもろい。関西人が自分を笑いのネタにするという、まさにパターン化されたおもろさが溢れているし、外国語の本としても時々面白い。しかし、それは時々であって、学習のために買った人はがっかりするのではないかな(笑)
そういうわけで、僕も最初のほうは一言一句を丁寧に読んでいたが、途中からあほくさくなって、「拾い読み」とまでは言わないが「飛ばし読み」になった。だから一日で読み終えてしまったのである。
それでいいんじゃないかな。これはそういう本である。ひょっとしたら著者に「なんでやねん」とツッコまれるかもしれないが。
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