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Sunday, November 13, 2016

映画『続・深夜食堂』

【11月13日特記】 映画『続・深夜食堂』を観てきた。

原作漫画は知らなかったのだけれど、テレビドラマ化された3シリーズは 30本全部、それから前作の映画も観ている。第4シリーズは当面 Netflix の独占になっているので、その権利が切れてから観ようと思っている。

ここまで続いてくると、どうしても前からのファンのための新作という感じにもなって来るのだが、かと言って初めての人が観たら訳が分からないかと言うと、そうではない。

もちろん、それぞれの登場人物について、この男は下戸のヤクザで、この女はストリッパー、などと分かっていたほうが面白いだろう。しかし、今日初めてこの映画を観た人は、逆にこの男はどういう人物なんだろう、この女の職業は何なんだろう、などと興味を持ってくれそうな気がする。

それで DVD か配信を観て、あ、なるほどこの爺さんはストリッパーの追っかけか、このおっさんは売れないフリーランスのカメラマンか、などと分かって、さらに面白くなってきたりすることもあると思う。

これはそういう映画である。パンフにも書いてあるように、レギュラーの登場人物がやたら多い。その多くは途中の回から登場してレギュラーになった俳優たちである。

それはひとえにこの深夜食堂「めしや」と、そこのマスター(小林薫)の魅力に惹かれて、次々と常連客が増えて来るという、物語の基本的な設定を反映したものである。この食堂は、そしてこの映画は、そういう場なのである。

今回も前回の映画で初めて登場したみちる(多部未華子)と千恵子(余貴美子)が存在感たっぷりの新レギュラーになっている。そして、最初のシリーズからいる忠さん(不破万作)やマリリン(安藤玉恵)、小寿々(綾田俊樹)やお茶漬けシスターズ(須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子)らが幾重にも周りを囲んでいる。

原作もテレビドラマも一話一話がそんなに長い話ではないので、これを2時間の映画にするのはそう簡単ではない。それで前作映画も3部構成になっており、今回も同じく3つのエピソードを織り込んである。

3つのエピソードで構成されているから、登場人物はさらに増え、その結果、佐藤浩市や池松壮亮、渡辺美佐子ら大物ゲストが目白押しになり、映画は映画らしく華のあるものになっている。

どのエピソードも「感動の巨編」とか「忘れじの名作」というようなものではない。ちゃんと終結しないままのエピソードもあった。でも、どの話もじんわり来る良い話なのである。

そして、狭い食堂での会話とそこに続く路地のシーンが多い中で、屋外では結構美しいカットもある。

たとえば木内(片岡礼子)が夕起子(渡辺美佐子)を乗せて走るタクシーの後を小暮警官(オダギリジョー)が自転車で追う坂道のシーンは、なんとおおらかで懐が深く、美しかったことか。

また、前からセットの片隅に看板だけが映り込んでいて気になっていたバー「深爪」がはっきりとカメラで捉えられたのも面白かった。

唯一我々関西人がどうしても納得できなかったのは、「焼肉定食」が豚肉であったこと。妻に訊いてみたところ、関東では豚肉も「肉」と言われるが、さすがに「焼肉定食」は牛肉ではないかとのこと。一体誰の判断で豚肉にしたのだろう?

あと、気になるのは松岡錠司監督が、ここ数年『深夜食堂』しか撮っていないこと。そろそろ彼のオリジナル新作を観たい気がする。

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