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Monday, August 08, 2016

物騒な言説

【8月8日特記】 ポケモンGOがリリースされて随分と広がり盛り上がっているが、その一方で「あんなものやっている奴は殺してやりたい」というような物騒な言説を時々耳にするので驚いている。

僕がポケモンGOをやっているから言うのではない。

僕もまたこの歳になるまでポケモンとは全く縁もゆかりもなく暮らしてきた。ところがこのアプリがリリースされた時のあまりの評判に驚き、確かめるために自分でもやってみたところ、あまりのとっつきやすさと面白さに参ったのであった。

だから、あなたもやってみたら面白いかもしれませんよ、と言いたいのではない。あなたがやってみたら実際面白いことも何ともないかもしれないのだから。

ただ、僕が驚くのは彼らの嫌悪感の激しさである。やったこともないもの、ろくに知らないものに対して、どうしてそんなに激しい憎悪の炎を燃やせるのだろう? そこが僕にはうまく想像できないのである。

歩きスマホをしている奴にぶつかられたのかもしれない。

でも、それは歩きスマホが悪いのであってポケモンが悪いわけではない。事実ポケモンGOは歩きながらでないとできないゲームではない。

起動さえしておけば、ポケモンが出現したらブルブル震えて教えてくれるし、じゃあ、そのタイミングから歩きながら続けられるかと言えば、むしろ立ち止まらなければ却々ポケモンを捕まえることは難しいのである。

もし、スマホ歩きをしている人がみんなポケモンをやっていると思っているのだとしたらそれは間違いだし、ポケモンのゲームの性格がスマホ歩きを助長するものでもない。

そういうことを知らずに「やっている奴らを殺してやりたい」とか「家族がやったら家から追い出してやる」とか言う心のプロセスが分からない。

あるいは、そんなつまらないゲームばかりやっていると他の大事なことがおろそかになる、と言うのかもしれない。

それでさえ僕は、悪いのはおろそかになることであってポケモンではないと思うのだが、百歩譲ってそうだとしても、それでその人を殺そうとか排斥しようとかは思わない。

そこのところが分からないのだ。

いや、言っているだけで実際に殺すところまでは行かないよ、と言われればもちろんそうなのだろうとは思っているけど、それにしてもそこまで激しい語彙を引っ張り出してくる心根が理解できないのである。

人には好き嫌いがある。理屈を超えた好き嫌いがある。ものに対する理解の仕方は人それぞれである。慎重に調べあげてからでないとものを言わない人もいれば、とりあえず思ったことを片っ端から口にする人もいる。

そんなことは重々分かった上で、やっぱり殺してやりたいと口にしてしまう人の気持ちが分からないのである。

ポケモンGOをやっているような奴は殺すと明言しているような人であっても、僕は殺してやりたいとは思わない。殺されそうになったらもちろん反撃しようとはするだろうが、それは殺したいからではない。

長い人生で人を殺したいと思ったことはある。でも、それは僕の場合、自分がよく知らないことを自分がよく知らないところでやっている人のことではなかった。

いずれにしても、殺さなくて良かったのだが。

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