Metal Guru
【6月9日特記】 一昨日、東京転勤の内示を受けた後、突然脳内に Metal Guru が流れ始めた(今もまだ時々流れている)。
―中学時代に熱狂したバンド T.Rex の大ヒット曲。
それで僕は、なんとなく、ほんとに何の根拠もなく突然、「あ、そうか、俺はこれになりたかったのか」と思った。
当時のロックにはまだ(ヘビー)メタルというジャンルはなかったが、この歌詞に Marc Bolan が込めた意味は、言うまでもなく「ロックの伝道師」あるいは「ロック・スピリッツの伝道師」であったはずだ。
当時僕らはその気概にしびれた。そう、Marc Bolan こそはロックの伝道師であり、革命の申し子(Children of the Revolution)のひとりだったのだ。
で、僕が「俺はこれになりたかったんだ」と気づいたというのは、Metal Guru そのものではなく、カッコつけて言うならば Digital Guru である。デジタルの伝道師(笑)
地上波もデジタル化した今となってはデジタルもクソもないのだが、要はテレビ/ラジオとインターネットを繋ぐ伝道師になりたかったのである(ご存じない方のために書いておくと、僕は放送局に務めている)。
当時、僕の中学で T.Rex のファンというのは圧倒的な少数派で、音楽好きな同級生たちにはむしろバカにされていたりもした。
ギターの巧かった松浦くんなどは、「曲も単純、ギターは五流」などと嗤っていた。
まあ、確かに Get It On あたりのギター・ワークを聴いていると、ンチャッ、チャチャッ、チャチャッチャ と同一コードでリズムを刻んでいるだけのパートも多く、当時のロック少年たちが崇拝していたジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアらの音と比べると若干淋しいのは否めない。
でも、T.Rex の魅力って、そういうことじゃないんだよね、と思いながら、しかし、それを上手く言葉にできず、当時の僕は悶々としていた。
そして今、僕は「でも、インターネットの魅力って、そういうことじゃないんだよね」と思いながら、社内でそれをうまく伝えられずに悶々としている。
しかも、僕には Marc Bolan のようなカリスマ性も、もちろん人気もなく、テクニックは五流にさえ届かず、七流、八流である。
どうすれば a white swan に乗れるのか、どうすれば get it on, bang a gong と鼓舞できるのか?
But I can't get no satisfaction
All I want is easy action, baby!
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