VR ZONE
【5月30日特記】 残念ながら中の写真は撮れなかったのだけれど、一昨日東京・台場で開催されている VR ZONE というイベントに行ってきた。バンダイナムコエンターテインメントが開催するヴァーチャル・リアリティ体験ゾーンである。
この催しの詳細な内容については公式ホームページや他の体験者の記事に任せるとして、僕は自分でやってみて感じたことを少しだけ書いておこうと思う。
まず、VR はこの何年間かで長足の進歩を遂げたと思う。映像はリアルに、動きは随分スムーズになった。ただ、それでもやはりゴーグルを着けて動いているとどうしても少し酔ってしまう。その点だけは払拭できないようだ。
それと、体験する人によって感じるところは全然違うのだということに驚いた。
僕は最初、高層ビルの屋上から外に張り出した幅 30cm ほどの板の先に座っている子猫を救いだすという VR 体験をしたのだが、ともかく怖くて怖くて、自分でも驚くほどだった。
板から外れても何十メートル下の地面に叩きつけられるわけではなく、ただ床にはみ出してゲーム・オーバーになるだけのことなので、やってみる前は板の上でおどけてみようかなどと思っていたのである。
ところがいざゴーグルとヘッドフォンを装着して、一歩板の上に足を踏み出して下を見てみると、なにしろ怖くて怖くて、一歩目は踏み出せるが二歩目がどうしても続かない。
仕方なく這いつくばって、これならもう少し進めるかと思ったのだが、両手で板を掴んだ瞬間に転落しそうで、とてもじゃないが動けない。出てくる言葉は「ああ、怖い、ああ、ダメ」のみ。
結局制限時間をいっぱい余らせてリタイアした。
でも、隣でやってた人は全然騒いでない感じだったし、中には難なく猫を連れて帰る人もいるみたいだ。その感じ方の差が不思議だ。
一方で、最後にやったホラー系の脱出ゲームでは(以下ネタバレがあるので、これからやられる方はお読みにならないでください)、ゾンビが跋扈する廃墟の病院を車椅子に乗って移動し脱出するのだが、順番待ちをしていると、前の組でやっている、いい年をした男が絶叫しまくっているではないか。
で、始まってまだ3~4分のところで、「俺もう無理無理」と泣くように言ってリタイアしてしまった。しかも、驚くべきことに、次の組もほぼ同じ状況である。
どんなに恐ろしいのかと随分恐れたのだが、まあ、確かにテレビでは絶対放送できないような残虐でグロい内容で、ゾンビの突然の襲来に驚かされるし、僕も最後には脱出に失敗して大きなハサミで首をちょん切られる始末だが、でも、それほど怖くはなかった。
確かに血だらけだったり腐乱してたりするゾンビの顔が自分の顔の目前にまで迫るのだが、所詮グラフィックスなのでどうってことはない。むしろ、これを見てあれほど絶叫することのほうがよく分からないのである。
その一方で、別のシューティング・ゲームの VR では戦闘機に同乗しているチューター役の可愛くてセクシーなお姉さんが、僕の顔を覗き込んで、息がかかるほどの距離に迫ってくるのだが、こっちは結構ドキドキしてメロメロになってしまう。
それだって単なるグラフィックスだろうと言われればそうで、典型的なアニメ・キャラなのだが、どうしてゾンビが怖くない自分がこちらのお姉さんには反応するのかが自分でも解らない。
逆に、ひょっとしたらさっきゾンビに絶叫してたお兄さんはこちらのセクシーなお姉さんには何も感じないのかもしれない。
多分 VR というのは、事ほどさように、人によって感じるところが違って、それゆえ面白いと思うポイントも違うのだろうと思う。
それを考えると、VR というものを純粋にエンターテインメントとして使おうとすると却々難しいのではないかな、という考えに至った。
ま、いずれにしても楽しかったのではあるが(笑)
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