BS-TBS『SONG TO SOUL』カリフォルニアの青い空
【5月8日特記】 録画してあった BS-TBS の『SONG TO SOUL』を観た。アルバート・ハモンドの回。
僕はアルバート・ハモンドと言えば、『カリフォルニアの青い空』と『落葉のコンチェルト』ぐらいしか知らず、どちらかと言うと一発屋的な、『星影のワルツ』と『北国の春』の千昌夫、みたいなイメージで捉えていた(古くて分からんかw)。
ところが、ソングライターとしては、
- カーペンターズの『青春の輝き(I Need To Be In Love)』
- スターシップの『愛はとまらない(Nothing's Gonna Stop Us Now)』
- ダイアナ・ロスの『恋のプレリュード(When You Tell Me That You Love Me)』
- ホイットニー・ヒューストンの『ワン・モーメント・イン・タイム(One Moment In Time)』
など、どれを取っても本当に流麗で美しいメロディを書いている大作家であることが判った。
彼は1944年にロンドンで生まれ、両親の故郷であるジブラルタルでバンド・デビューし、スペインで初めての CD を出し、その後ロンドンに戻ってからは何曲か大ヒットを出していたそうな。
それから、彼はバンドのメンバーで曲作りのパートナーでもあったマイク・ハーゼルウッドとともにアメリカの LA に渡る。そこでレコード会社に何度も売り込みに行くが何年も認められることはなかった。
それが、ある日、レコード会社の社長の目に止まり、イギリス時代にマイクと2人で作った『カリフォルニアの青い空(It Never Rains In Southern California)』でデビューし、大ヒットとなったのだそうだ。
この歌の悲しい歌詞は、芽が出なかった下積み時代(主にジブラルタルとロスの時代)を歌ったものとのことである。
そして、この番組を観ていて出てきたのがレッキング・クルーである。まあ、1970年前後のロスとなれば、その可能性は大ではあるのだが、ああ、やっぱりこの曲のバックもそうだったのか、という感じ。
レッキング・クルーが何かご存じない方は、映画にもなっているので調べてみてほしい。ひとことで言うと、スーパー・スタジオ・ミュージシャン軍団である。僕が書いた映画評も参考になるかもしれない。
1時間番組だが、なかなか面白かった。レッキング・クルーの連中が、必ずしも洒落た複雑なフレーズを弾けるのが一流なのではなく、この曲に何が必要かを見ぬく力がプロの素養だ、みたいなことを言っていたのが印象に残った。
ところで、先日プリンスが亡くなった時に、「不謹慎かもしれないが、プリンスと言うと、いまだに『タモリ倶楽部』の空耳アワーの『農協牛乳』を思い出してしまう」と呟いていた人がいたが、それに近い話で、『カリフォルニアの青い空』と聞くと大島渚バンドの『カリフォルニアの青いバカ』を思い出してしまうというのは、『イカ天』世代の悲しい性なのだろうか(笑)
『農協牛乳』も『カリフォルニアの青いバカ』も知らない人は、是非検索してみてほしい(笑)
しかし、それにしても『カリフォルニアの青い空』は、メロディと言い、コード進行と言い、堺正章の『さらば恋人』(作曲:筒美京平)とよく似ている。
よく似ていると言うか、親和性が高いとも言え、イントロを含めて、『カリフォルニアの青い空』を歌っている途中で『さらば恋人』に乗り換えたり、あるいはその逆も、驚くほどスムーズにできたりする。僕はそういう遊びをよくやるのだが、とても楽しい。
ところで、僕は『カリフォルニアの青い空』よりも『落葉のコンチェルト(For The Peace Of All Mankind)』のほうが好きである。いや、いずれ劣らぬ名曲ではあるのだが(笑)
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