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Monday, March 21, 2016

映画『ちはやふる 上の句』(追記)

【3月21日追記】 昨日の映画『ちはやふる 上の句』の記事で書き忘れたこと(ほんの少しだけネタバレっぽい部分もあるので、これから観に行くという人は読まないほうが良いかもしれません)。

主人公の千早が競技かるたの選手としてどこが優れているかについて、師匠である原田(國村隼)が最初のほうで解説をするシーンがある。それは千早の耳だと言う。

千早は誰よりも早く読み手の音を聞き分ける。読み手が「ふ」と言う前に子音 F を聞き取って、千早はかるたを取る。それは千早の試合を観に行った太一が「まだ何も読んでいないうちに千早の手が動いていた」と言ったことに対する答えだ。

その後別のシーンで「決まり字」の解説がある。これは千早がかるた初心者の奏にテクニックを説明しているシーン。つまりは読み手がどの札の上の句を読んでいるのか、一字でも一瞬でも早く分別できた者が勝つということ。

そういうわけで、千早の耳がたびたびアップになる。こういう手法はとても映画的で上手いなあと思った。

最初にアップになるシーンでは、千早が左手で髪をかきあげて左の耳を出す。そして、大事な東京都の大会の時には、千早の髪は最初からひっつめてあって、左の耳は既に露出している。

この辺りの変化の付け方も非常に上手いと思った。

映画って、そんな風にして観客に見せて行くものではないだろうか。

しかし、太一の場合はどうか?

彼には千早ほどの耳はない。彼が都大会の決勝戦で「運命戦」の状態になった時に考えたことは、ひたすら相手より早く手を動かして、相手が札をガードする「囲い手」をすり抜けてでも札を取りに行くことだった。

こういう比較対照も非常に上手い。この映画はそんな風に重層的に作られている。

原作に書き込まれていたことなのか、映画のオリジナルなのかは知らないが、そういうことが最初にしっかり設定できているところが、僕がこの映画を素敵だと思う点である。

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