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Thursday, December 24, 2015

『エヴェレスト 神々の山嶺』業務試写会

【12月25日特記】 来年 3/12(土)公開予定の映画『エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)』の業務試写会に行ってきた。平山秀幸監督。

タイトルから判るように山登りの映画。原作は夢枕獏である。

山岳カメラマンの深町(岡田准一)はカトマンドゥで、伝説の天才クライマー羽生(阿部寛)の姿を見かける。

帰国していろいろ調べると、羽生は登山家としては一流だが人間としては最低だと言われた人物。

自分が生き延びるために滑落したパートナー岸(風間俊介)のザイルを切ったと噂されており、それ以来彼は完全に単独で動くようになった。そして7年前のエヴェレスト登頂失敗以来消息不明になっていたのだった。

一方、深町も写真家として功成り名を遂げることに躍起になっている人物である。滑落事故を目にすると必至でシャッターを切り、犠牲者が出た後でも自分の写真集を出版しようとして仲間に咎められたりしている。

そんな深町が、現地で羽生と巡り会うきっかけになったマロリーの謎(世界で初めてエヴェレストに登ったヒラリーたちより先に、実はマロリーが登頂に成功していたかもしれない)への興味と相俟って、再び羽生を追ってネパールに向かう。

そして、死んだ岸の妹で、かつて羽生と交際していた涼子(尾野真千子)がそれに加わる

映画の冒頭、いきなり真っ暗な画面にゴーゴー言う風の音である。山の映画の始め方としては大変巧い。

ともかく雪と氷と岩ばかりの、色目としては少々寂しい画面が続くのだが、5200m級のところで撮影したという登山シーンは(もちろんある程度の特撮的処理も加わっているのだろうけれど)本当によくぞこんなものを撮ったなあという迫力溢れるものである。

僕は登山というものに全く興味がないのだが、この映像にはやはり引き込まれてしまった。登山経験豊富な人が見たらどう感じるのだろうか?

興味のない者からすると、登山映画というのは{登山に成功する/失敗する}×{生きて帰ってくる/途中で死んでしまう}の4通りの可能性しかないわけで、そんな中でドラマを作り上げるのは甚だ難しいのではないかと思ってしまう。

しかし、そこであまり無理をしてストーリーを広げようとせず、なんで山に登るのかというテーマについても、もっともらしく無理やりにこじつけたりしようとしていないところは良かったのではないだろうか(ちなみに「そこに山があるから」と言ったのは上述のヒラリーである)。

岡田、阿部、尾野という巧い役者を3人揃えていながら、ちょっと芝居が仰々しくなりすぎている(音楽も然り)のは残念だが、終盤の展開にも意外性があって、そこそこ楽しめた。

見終わってふと、ひょっとしたらこれは登山愛好家よりも、生涯登山なんてしない人が見るべき映画なのかもしれない、などと変なことを考えてしまった。

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