Serendipity
【11月16日特記】 久しぶりにアルバムを1枚丸々リッピングして CD にコピーした。
今の若い人は、と言うより、今の時代はもう誰もそんなことしないのかもしれない(そもそも CD という形で取り寄せないのだろう)が、僕はいまだにこれぞというアルバムに出会うとリッピングして CD に焼いてしまう。
ひと言で言うと「物的所有欲」である。
僕にとってクラウド上のどこかにあっていつでも聴けるということと自分の PC の中に入っていていつでも聴けるということは同義でも、それが板の形になって自宅の棚に収まっているというのはワン・ランク上の状態なのかもしれない。
で、今回 CD に焼いたのはハンバートハンバートの『むかしぼくはみじめだった』。
夫婦のデュオである。で、グレースノートの分類では「アコースティック・ポップ」という何じゃそりゃのジャンル名になっているが、聴いてみるとカントリーである。
フィドルやバンジョー、マンドリンなどが鳴っているということもあるが、何よりもコーラス・ワークがカントリーで、声質や歌唱法もほぼカントリーなのである。アコースティックと言うのは正しいが、詞まで含めるとこれはポップではなくフォークと言うべきかとも思う。
見たことも聞いたこともないグループだったのだが、暫く前にテレビで知った。番組はTBS系土曜の朝の『サワコの朝』である。
阿川佐和子による対談番組だが、この番組では毎回のゲストが自分の人生で忘れがたい曲を必ず2曲紹介する。このグループを紹介したのは又吉直樹である。紹介したのはこのアルバムの1曲め、『ぼくのお日さま』だった。
僕は一発で気に入ってしまった。あまりにこの曲が良いので、逆に漫才師としても作家としてもあまり知らなかった又吉直樹に対して、急に親近感が湧いたくらいだ。
で、先日 TSUTAYA DISCAS から CD が届いて聴いてみると、どの曲も良いではないか。
自分が放送局に勤めているから言うわけではないが、テレビやラジオなどのプッシュ型の媒体では、こういうことが時々ある。つまり、自分が元々求めていたものとは違う、意外に素晴らしいものとの出会いである。
あの回の『サワコの朝』を見ていて良かったと思う。と言っても、実はテレビではなく PC への配信で見たのだが(笑)
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