血圧計
【11月27日特記】 血圧計を買った。会社の健康診断で問診担当の女医さんに「血圧計は持ってますか?」と訊かれ、「ある年齢以上の人には全員買うことを勧めています」と言われたからだ。
僕は上がり症と言うか、心配性と言うか、ともかく緊張してしまって血圧が高く出ることが多い。
生まれて初めて血圧を測ったのは会社に入ってからだった。初めて生命保険に加入する際に、今でもそんなことをやっているのかどうか知らないが、生保会社指定の医者の診察を受けに行かされた時だ。
僕は例によって「もし血圧が高かったら保険に入れないのだ」と思うと急にドキドキしてきて、案の定、高い値が出た。「ああ、これでせっかく書いた申込書も反故になるのか!」と思ったら、医者は平然と「深呼吸しましょうか」と言う。
で、深呼吸して測りなおしたら、一気に正常値になり、「血圧というものはそんなことで下がるのか!」と逆にびっくりした。
それで安心したのか、以来暫く僕の血圧はむしろ低い目の数字で推移した。しかし、どこでだか明確な記憶はないが、人生のどこかの時点で意識してしまったのだ。意識してしまうともう血圧は下がらない。
血圧を測られると思っていなかった時に急に測られるとダメである。心臓がドキドキ打ち始めてやや高血圧になる。かと言って、「今日は血圧を測るのだ」と意識してしまうと、やっぱり高めの数字になる。
血圧を測ると予期できていて、しかも測るまでに長めの待ち時間があり、そこで自己催眠術まで駆使して呼吸と脈拍を整えた後に測ると正常範囲内の値が出る。
今回、健康診断で血圧計を買えと言われたのも、やはり少し高めの値が出たからだ。ただ、測り直すと大抵は「正常範囲だがやや高め」の線に落ち着くのである。
ま、ともかくそれで血圧計を買いに行った。僕のイメージでは、腕を通す大きな輪っかの付いたでかい機械という感じだったのだが、意外にコンパクトなものが多く、値段も3000円くらいからある。それでそこそこのクラスのやつを買ってきた。
面白いもので、家で測ると、やや高めではあるが正常な数値が出る。1回めも2回めもほとんど同じ数字が出た。
で、3回めは、起きてすぐ測ると平常時の低い値が出るというのでやってみたのだが、いつものように「起きてすぐなのに高い値が出たらどうしよう」と考えてしまって、高血圧と診断されるような線まで跳ね上がってしまった(笑)
でも、深呼吸して測り直すと、一気に30ぐらい下がって完全な正常値に収まった。
そして、その後何度か繰り返して測っているとだんだん慣れてきて、数字は少しずつ安定してくるではないか。当たり前のようでもあり不思議でもある。
僕の結論:血圧は病院で測ってはいけない。
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