ラーメン屋と中国人
【10月7日特記】 テレビなんかでも結構取り上げられていることだが、最近巷に中国人が溢れている感がある。東京、大阪はもちろんのこと、先週広島県に旅行した際にも、たくさんの中国語を喋る人たちとすれ違って驚いたくらいだ。
彼らはそんな風に観光にもエネルギーを注ぎ込んでいるのだが、やはり目立つのは所謂「爆買い」である。ヨドバシに行って中国語が耳に飛び込んで来ない日はない。
先だって東京に出張した際には、羽田空港行きのバス乗り場にタクシーで乗り付けた中国人男性2人組がいた。
その2人が1台のタクシーの後部座席、助手席、そしてトランクから、まるで手品みたいに大きな段ボールの(しかも、明らかに自分たちでコンパクトに梱包しなおした)包みを次から次へと取り出すのを目撃してあっけにとられた。
あるいは大阪では、ウチの会社の近所の、大きなドラッグストアではなく、老夫婦2人でやっているような小さな薬局に現れた中国人の若い女性が、何かを(それが何という商品なのかは聞き漏らした)あるだけ全部くれと言って店主をあたふたさせていた。
そして、観光と爆買いに加えて最近気づいたことがある。それはラーメンである。彼らは夕食によくそこら辺のラーメン屋に来るのである。
僕は都合がつく限り、母のいる施設に週に1回行っているのだが、その施設は夜8時になると追い出されるので、会社を早めに出てラーメン屋やうどん屋、カレー屋などでささっと食べて電車に乗ることが多い。
で、最近僕がラーメンを食べていると、必ず中国人が現れるのである。しかも1人や2人ではない。
先日入った店では、ウェイトレスも中国人だった。私服を着ていたら何となく雰囲気で判るのだが、店の制服(と言うか、店が決めたスタイル)だと、却々見抜けない。注文をした時に初めて、「あれ、この人は native な日本人ではないな」と気づいた。
するとそこへ入ってきたのが中国人男性4人組である。最初はお互い気づかずに
「なにーなさいますか」
「とりおえずビール」
などとたどたどしい日本語の応酬をしていたのだが、途中でお互い中国人(しかも、北京語なのか広東語なのか何だか知らないが、言葉の通じる中国人)だと気づいた客とウェイトレスが、元気な中国語で会話を始めた。
これはこれで、中国語独特のやかましさはあったが、なんか微笑ましい光景だった。
そして、昨夜は食券を買うラーメン屋だったのだが、僕が食べていると次から次へと入ってくる客が全部中国人(多分)で、皆が皆、自動販売機で食券が買えないのである。そりゃあ、日本語が読めないんだから仕方がないけど。
で、店員のおじさん(この人は明らかに native なジャパニーズ)が、機械の前で説明するのだが、これがおかしい。何故って、多くの日本人にとってかろうじて片言でも喋れるのは英語だけで、よって中国人に日本語と英語で一生懸命語りかけているのである。
「セット・オア・オンリー? あー、ディス、ライス・セット。アンド・ディス、ラーメン・オンリー。ディス、あー、にくだんご」
なんじゃそりゃあ、である(笑) しかし、それでも結局なんとかかんとか食券が買えて、(日本人客と違って彼らだけは麺の固さを訊いてもらえないとはいえ)頼んだものが出てきて、横目で見ると美味しそうに食べている。
ラーメンは決して中華料理ではなく、今や日本で進化を遂げた日本料理である。
しかし、やはりお箸の国の人同士、好みは通ずるところがあるということなんだろうか。
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Comments
こんにちは。
細かいことが気になる年頃ですみません。
「自動販売機で食券が変えないのである」
食券は何に変わるのでしょうか?
すごく興味があります(笑)
Posted by: 名古屋のM | Wednesday, October 07, 2015 09:38
> 名古屋のMさん
いちいちうるさいな、おっさん!(笑)
毎度ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。
Posted by: yama_eigh | Wednesday, October 07, 2015 10:02