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Saturday, October 10, 2015

映画『ファンタスティック・フォー』

【10月10日特記】 映画『ファンタスティック・フォー』を観てきた。元々はアメリカのアニメである。僕はこの映画化を欠かさず観ている。2005年の『ファンタスティック・フォー』も、2007年の『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』も。

何故そんなに好きかと言えば、これは僕が子供の頃必死になって観ていたテレビアニメ『宇宙忍者ゴームズ』だからだ。

しかし、『ゴームズ』に関しては同年代の誰に訊いてもあまり知らない(少なくとも僕みたいに熱狂した奴はいない)し、何故だか今回もパンフにはそのことは書かれていない。

何か理由があって避けているのかもしれないが、しかし、ウィキにはちゃんと載っている。

全然知らない人もいるだろうから少し設定を書いておくと、タイトルの通り、4人の超能力者によるヒーローもの(日本に当てはめるなら戦隊ものか?)である。

翻訳版の『宇宙忍者ゴームズ』では、ゴムのように体が伸びるゴームズ、体を透明にしたりバリアを張ったりできるスージー、全身が火の玉となって空を飛ぶファイヤーボーイ、全身を岩石で覆われたガンロックという名前だった。

原作ではそれぞれリード、スー(スージー)、ジョニー、ベンという本名があり、ヒーローとしての名前が Mr.Fantastic、Invisible Woman、Human Torch、The Thing である。

こうやって比較すると、日本で放送するに当たって、スー(Invisible Woman)だけもじりようが思いつかなかったのかと思うと笑えてくる。

で、原作でも、前2作の映画化でも、この4人は全員コーカサス系アメリカ人(つまり白人)であるが、この映画ではジョニーはアフリカ系アメリカ人になっている。如何にも現代の反人種差別的設定である。

しかし、原作でもこの映画でもスーとジョニーは姉弟の設定なので、スーはジョニーの父親であるストーム博士の養子ということになった。

さて、今回の映画化で特筆すべきは、単にいつものようにこの4人が悪の超能力者をやっつける話に留まらず、この4人がどうしてこんな体になったのかということを描いた、言わば誕生秘話になっているところである(これが原作にあった話なのか映画オリジナルなのかは知らない)。

しかも、今回も敵となるドクター・ドゥーム(日本では悪魔博士)の誕生も一緒に描いている。

ストーム博士の下で物質の転送を研究していた4人が、動物実験で異次元空間への転送に成功し、今度は自分たちの肉体でやってみたのだが、到着した異次元空間で爆発があり、エネルギーを浴びたために体に変異が起きたというストーリーである。

ミソはこの4人が上記の4人ではなく、ひとりは後のドクター・ドゥームであるところだ。彼はひとりだけ爆発に飲み込まれて元の空間には帰還できなかったのである。そして、残りの3人が研究所に戻ってドアが開いた瞬間に、同じエネルギーを浴びてしまったスージーの体にも変容があったという想定になっている。

無数の岩が体に当たったベンは岩のような体になり、火が体に燃え移ったジョニーは自ら燃える肉体を手にする。しかし、最初は体に猛烈な痛みがあり、自分で自分をコントロールすることができないのである。

この前段部分がかなり長いのだが、監督自身も言っているように、これが結構サスペンス/ホラーのトーンで進められていて面白いのである。岩のような変わり果てた姿になってしまったベンの苦悩や、自分のミスで親友を岩にしてしまったリードの焦りもしっかりと描かれているところが見事だ。

で、監督は誰なんだろう、と思ったら、『クロニクル』を撮ったジョシュ・トランクである。そう言われると、ああ、なるほどなあ!と大いに納得する。

リード役のマイルズ・テラーはどこかで見た顔だと思ったら『セッション』で血まみれの手でドラムス叩いていた奴だ。ベン役のジェイミー・ベルはなんとあの『リトル・ダンサー』の少年!

終盤では地球空間に戻ってきたドクター・ドゥームとの戦いになるのだが、ここからが、別にうるさ型の SFファンでもない僕が見ても、とても科学と言える代物ではなく、もう荒唐無稽のシッチャカメッチャカである(笑)

でも、面白い! それは逆に僕が SF に詳しくもなく興味もないからなのかもしれないが、でも、この際科学理論とかが重要ではないのだ。それぞれの特性を活かして、4人が協力して悪を退治するのが面白いのである。

これは前の映画評にも書いたが、このドクター・ドゥームのキャラはダース・ベイダーの元になっているという説があり、とりわけ今回が一番ダース・ベイダーっぽかった。

さて、この映画はリードが自分たちのチーム名を3人の仲間に募るシーンで終わる。結局ベンがふと言った Fantastic という言葉から、そうか、Fantastic Four で良いじゃないか!となって一件落着である。

日本人は「その名前がそんなに良いか?」と訝るところかもしれないが、これも前の映画評に書いた通り、Fantastic Four は F の頭韻である。Dr. Doom は D の頭韻である。主人公の Reed Richards は R の、Sue Storm は S の頭韻である。

そういうところまで楽しめると、この映画のアメリカを満喫できるのではないだろうか。ベンが The Thing(つまり、もはや人間ではない)と呼ばれてしまう口の悪さもアメリカン・ジョークっぽくて良い。

ちなみに American Animation は A の頭韻である(笑)

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