変わる時代、変わる視聴
【9月6日特記】 英語に subscription とか commuter (あるいはもっと語幹的な subscribe や commute を取り上げるべきかもしれないが)とかいう言葉が一単語で存在することに僕は驚きを覚える。
日本語ではいくつかの単語を組合せないと、この意味するところは伝えられない(もっとも subscribe は本来は「署名する」という意味でしかないのだが)。
で、今年はそのサブスクリプション元年だと言われている。「定期購読」という訳は元々雑誌に合わせてつけられたもので、今なら「定額読み(見/聴き)放題」とでも訳すのだろうか。
動画の分野では dTV と Hulu が先行するところに、いよいよ黒船と言われる NETFLIX が乗り込んできた。ビデオパスや U-NEXT もある。そのうちに Amazon のサービスも始まるだろう。
音楽では昔からレコチョクがやっていたところに Apple Music の登場で一気に話題となったが、その少し前から AWA や LINEミュージックも名乗りを上げており、さらに Google まで追随してきた。
僕らのようなインターネット黎明期からのユーザが思い出すのは、ある時期に接続料が従量制から定額制に変わったことに伴うインターネットの急激な普及である。
モデムのピーポー、ガーガー言う音を聞きながら、ザッザッと2mmぐらいずつ画像が描き出されるのを眺めて、「あ、また10円落ちた」などと心配していた時代は、よほどの中毒者でない限り何時間も PC の前に座っているなんてことはなかった。
これで音楽はオーディオ機器ではなく PC で聴くのが一般的になるのかもしれない。いや、PC でしか聴けなかった時代には普及の速度は遅かったのだ。スマホで持ち歩けるようになったことが、利用者を爆発的に増やしたのである。
動画は一足先に(と言うか、「一足飛びに」と言うべきかもしれないが)PC からスマホに、そして今度は大型テレビで見られる時代が来て、そのことがまた(特に高齢者層の)サブスクリプターの数を増やしていると聞く。
そのようにして時代は変わるのだ。
ちなみに、僕はアメリカのテレビドラマにあまり興味がないこともあって、目下のマイ・ブームは Google Play Music である。
品揃えはまだまだである。が、recommendation は面白い。そう、リコメンデーションもサブスクリプション普及の一助となった技術である。
NETFLIX ではそのためのメタタグ付与スタッフが400人近くいて、1番組に付き1500個のメタタグを付与しているらしいと聞いた。
そのようにして視聴は変えられて行くのである。
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