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Monday, August 31, 2015

毛について考える(続編)

【8月31日特記】 最近、毛についてよく考える。先日は全身の様々な毛について書いたが、今日は頭髪について書く。

僕は自分の頭髪の行く末についてはっきり意識した瞬間の記憶がある。僕が小学生か中学生の時の、大きな法事の際の記憶である。いや、ひょっとするとそれは祖母の葬式であったかもしれない。

父方からも母方からも大勢の親戚たちが一堂に会するのを見て、僕は父方にも母方にも頭髪の薄い人は一人もいないことに気づいたのである。老人たちはみんな白髪であった。

ああ、僕は将来ハゲにはならないな、きっと白髪だ。

僕はそう思った。小さい頃から「禿げるかどうかは遺伝によって決まるのだ」と確信していたのではない。禿頭の全く混じらない白髪の大群を見て、ただ直感的にそう思ったのである。それは悟りのようなものだった。

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Sunday, August 30, 2015

映画『ロマンス』

【8月30日特記】 映画『ロマンス』を観てきた。

僕はこの企画が一体どういう順序でまとまってきたのだろうかと考えていた。

つまり、最初に小田急からロマンス・カーを使って映画を作ってほしいというオファーがあったのか、それとも物語を考える途中でロマンス・カーを舞台にしたいと思い、さらに主人公には大島優子を使いたいと考えたのか、等々。

映画を見終わって、パンフレットを読むと、プロデューサーからタナダユキ監督に「大島優子主演の映画を撮らないか」と打診があったのが発端らしい。

これはどういう縁かと言えば、大島優子が出演していた第一三共ヘルスケアのミノン全身シャンプーの CM を監督したのがタナダユキだったというところから来ている。

そこまで知ったところで、まず僕は「あ、そういうことだったのか」と納得した。と言うのは、この映画の予告編を何度も見て、なんかミノンの CM とトーンが通ずるところがあると思っていたのである。

まあ、今回この映画の予告編とミノンの CM を続けて見せるキャンペーン展開が多かったこともあるが、ミノンの CM 自体はもっと古くから流れており、この2つの連続性が気になっていたのである。同じ監督なら、むべなるかなというところである。

で、大島優子の映画を撮るにあたって、プロットを書いたのが向井康介である。

向井は山下敦弘監督の盟友として夙に有名であるが、実はタナダ監督の前作『ふがいない僕は空を見た』の脚本家でもあり、かつ、大島優子のファンだったという縁である。

そういうわけで向井はこの映画では「脚本協力」とクレジットされている。引き継いで脚本を完成させたのは、無論タナダユキである。ちなみに『ふがいない僕は空を見た』に出ていた窪田正孝も大島優子の恋人役で、この映画に出演している。

で、プロデューサーがそのプロットを持って小田急に交渉に行き、全面協力を取り付けたというのが企画成立までの順序である。そうだったと知ると、あまり論理的には説明できないが、ああ、なるほどという感じがないでもない。

ところで、劇中で歌われる山口百恵の『いい日旅立ち』は何だろう?

映画の中で45歳の桜庭(大倉孝二)がこの歌を口ずさむ。すると鉢子(大島優子)が続きを歌い、桜庭がなんで知っているのかと驚く。この曲は1978年のヒット曲であり、26歳という設定になっている鉢子が知るわけがないのである。

鉢子は、しかし、母がよく歌っていた歌として、この曲を憶えていたのである。

──それは良い。だが、この歌は JR(当時は国鉄)のキャンペーン・ソングである。45歳の桜庭ならそれを憶えているはずである。それを小田急のロマンス・カーのアテンダントである鉢子が口ずさんだ時に、僕としてはツッコミを入れてほしかったと思うのである(笑)

で、その時点で、あ、そうか小田急のタイアップを取っているから JR には言及できないのか、と思ったのだが、いや、ならば最初からこんな歌を選ばなければ良いではないか、と思い、そこでこの企画は一体どういう順序で成立したのだろう?と考え始めたのである。

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Saturday, August 29, 2015

続 Windows10 における Windows Update

【8月29日特記】 8/22の記事に書いたように、 Windows Update の設定を「再起動の日時を設定するように通知する」に変えてみた。で、今日、その後初めてのアップデートがあった。

音が鳴って、ポップアップが出てくる。そして「更新が終わったので再起動するように」とか何とか言われる。「設定する場合はこのポップアップをクリックせよ」と書いてあるのでクリックしてみる。

すると、「このまま何もしなければ、PC が活発に動いていない時間に自動的に再起動する」みたいな説明がある。そして、その時間は今のところ明日の未明 3:30 に予定されており、それが嫌なら設定し直せ、とある。

うむ、さても面妖な。

僕の PC は夜中の3時には電源が入っていないのである。まさか 3:30 に勝手に電源を入れて起動してくれるわけでもあるまい。

つまり、Microsoft は今や完全に「PC の電源は切らなくても良い」ではなくて、「入れっぱなしにしておけ」という立場を採っているのである。

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Thursday, August 27, 2015

『火花』又吉直樹(書評)

【8月27日特記】 何度か読もうとしてやめた。

最初は漫才師を描いた話だと知った時。例えば近未来SFでも書いたというのであれば読む気にもなるが、漫才師が漫才師の話を書いたのでは読む気にならないと思った。

2度めは又吉が太宰治と芥川龍之介が好きだと知った時。これは僕の好きそうな文章を書く人ではないなと思った。

太宰は僕も中高で割合一生懸命読んだ。でも、嵌まりきらずに抜けだした。芥川は、多分僕が読んだ時期が年齢的に早すぎたのだろう。結局ちゃんと評価できないままだ。だが、いずれにしても、その2人が好きだという又吉は、僕の好きな作家ではないだろうと踏んだ。

でも、結局は評判に負けて読んだ。と言うより、受賞前に出演した『サワコの朝』と受賞後の『情熱大陸』という2つのテレビ番組を見て、又吉の感性や考えに共感を覚えてしまったからだ。

読んでみると、確かに近年僕が熱中して読んでいるようなタイプの小説ではない。でも、巧い。そして、整理されている。人物に共感が湧く。

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Wednesday, August 26, 2015

『図書館戦争 THE LAST MISSION』マスコミ試写会

【8月26日特記】 『図書館戦争 THE LAST MISSION』のマスコミ試写会に行ってきた。

映画が始まってすぐに思ったのは、一昨年のゴールデン・ウィークにこの映画の前作を見た時よりも、今の日本における言論の自由と表現の自由は、一層深刻な危機に瀕しているのではないか、ということである。

この映画に入って行けるかどうかは、結局そういう視点を持てるかどうかではないかと思う。前作の評にも書いたが、この映画は言論と表現の自由の危機に高らかに警鐘を鳴らし、強いエピソードを発している映画である。

(設定を全くご存じない方は、僕が前作を観て書いた文章を参照していただければ、初めのほうに簡単にまとめてある)

そして、前作に引き続き脚本を担当している野木亜紀子が今回も本当に見事な本を書いている。特に台詞が良い。

とりわけ、最後に近いシーンでの、図書隊隊員・手塚光(福士蒼汰)の兄・手塚慧(松坂桃李)に対する一言にはしびれた。これはもう「啖呵」と呼んで差し支えない小気味よさである。

そして、同じく図書隊隊員・笠原郁(榮倉奈々)の、上官・堂上篤(岡田准一)に対する思いの描き方──恋と尊敬と使命感の間を揺れる感じがよく描かれている。

図書隊の階級章のデザインとして原作で設定されていたカミツレを、具体的にストーリーに取り入れ、小道具として随所に配したのも大変巧いと思った。ラストのカットも非常に印象的だった。

(まあ、防弾チョッキを着ているという想定なのだろうけれど、それにしても)何発弾が当たっても主な登場人物は一人も死なないという不自然さだけが、この本の欠陥である(笑)

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Tuesday, August 25, 2015

テキスト、アプリ、その他の項目のサイズ

【8月25日特記】 Windows10 に上げて以来、少しずつ設定を触って自分流にカスタマイズしている。

そんな中で最近設定しなおしたのは「ディスプレイのカスタマイズ」の「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」。ここを触って画像やフォントを大きくしたのである。

以前はそんなことをするととても間抜けな図柄になると感じて、決してそんな設定はしなかった(厳密に言うと、設定変更してみて、すぐに元に戻した)。

幸いにして僕は、老眼というほどの症状は出ておらず、小さい字だとかすれて読めないなどということはない。

なのに何故変更したかといえば、設定画面での選択肢の「125%」のところに「(推奨)」の文字が添えられていたからである。

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Sunday, August 23, 2015

Play Log File on my Walkman #106

【8月23日特記】 時々紹介している、僕の Network Walkman のプレイログだが、約3ヶ月ぶりになってしまった。今回も10曲。

  1. Reborn(Syrup 16g)
  2. 街を出るよ(オレスカバンド)
  3. 流星のサドル(久保田利伸)
  4. ワインレッドの心(安全地帯)
  5. 恋するカレン(大瀧詠一)
  6. 愛のメモリー(松崎しげる)
  7. モニカ(吉川晃司)
  8. シンデレラ・エクスプレス(松任谷由実)
  9. いっそセレナーデ(井上陽水)
  10. Body & Soul(SPEED)

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Saturday, August 22, 2015

Windows10 における Windows Update

【8月22日特記】 Windows10 に上げて2週間、世の中には PC が全く動かなくなるなどの深刻な事態に陥った人もいると聞く中、僕は大きなトラブルは1回だけしかなく、割合順調である。

で、トラブルが起きて気がついたのだが、バージョンアップするとどこかしらで前より使い勝手が悪くなっているのだろうとは思っていたが、やっぱりそういう箇所があった。

それは Windows Update の設定である。

以前の Windows Update では「更新プログラムをダウンロードするが、インストールを行うかどうかは選択する」という設定ができたのに、どうやら 10 からはそれができなくなったようだ。

今の設定画面では「自動(推奨)」と「再起動の日時を設定するように通知する」の2つしかない。2つ目の選択肢が具体的にどういう手順を要求しているのか分からないが、今よりは少し面倒くさそうである。

そもそも「再起動の日時を設定するように通知する」という表現がいつも通りまどろっこしくて意味がうまく伝わらないのだが、「再起動のタイミングをその都度設定する」ということなのかな?

なお、Windows10 にアップデート後は前者の設定にされてしまうようだ。

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Thursday, August 20, 2015

8/20サイト更新情報

【8月20日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

レギュラーのことばのエッセイはニュースの表現を取り上げました。

今回はそれ以外に、少しずつ進めている、ホームページの読書コラムとこのブログに掲載した書評を結びつける作業がいくつか完了しています。4人の米国人作家を取り上げた3つの章からのリンクを張りました。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Wednesday, August 19, 2015

『何者』朝井リョウ(書評)

【8月19日特記】 朝井リョウを知ったのは吉田大八監督の映画『桐島、部活やめるってよ』だった。

そもそも監督に惹かれて観た映画であって、原作に興味があったわけではないということもあるが、僕は従来から映画が面白かったからといってすぐに原作を手に取ることはあまりない。

それは、僕が小説を読むときに重んじるのは、設定でもストーリーでもなく、表現力だからだ。いくら物語が面白くても、文章の巧くない作家(それはほとんど形容矛盾とも言うべき存在なのだが、でも、実際にいるのも確かだ)は読む気がしない。

それで、朝井リョウについても、何度か本屋でいろんな小説の冒頭を立ち読みした結果、多分この人なら大丈夫だろうと思って、この作品を買った。

読み始めてまず思ったのは、よくもまあこの作品で直木賞が獲れたなあ、ということ。

この作品では twitter の構造がひとつのキーになっている。自分でも twitter をやっていて、twitter のある種の危うさを実感している人でなければそれほど面白くないだろうと思う。直木賞の審査員に twitter にそれほど通じている人がいるとも思えないのに、よくもまあ直木賞がもらえたものだ、という驚きである。

僕自身は twitter を始めた当初から、メールアドレスからアカウント名を検索できない設定にしているので、この小説の中で起きているようなことは起きないのだが、でも、そういう設定もせずに放置している人も多いんだろうな、と思う。

それだけに twitter 利用者には親近感の湧く話ではないだろうか。

その twitter をうまく使って話は展開する。そして、その展開を追いながら僕が思ったのは、この作家は人の悪意を描くのが巧いということだった。映画監督で言うとタナダユキに通じるところがある。

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Tuesday, August 18, 2015

毛を考える

【8月18日特記】 昨日、映画『この国の空』で工藤夕貴の黒々とした脇毛(恐らくカツラだろうけれど)を目にしてからずっと体毛のことを考えている。

人間はどうして体のいろんな所に毛が生えているのだろう?──小さい頃から何度となく考えた命題である。

獣は全身を体毛で覆われている。しかし、そこから進化した人間は、火を使い、道具を使い、集団で協力して暮らし、家を建て衣服を纏うすようになったために、毛の必要性が薄くなり、その結果大事なところにだけ毛が残った。

──それが、僕が子供の頃からよく聞かされた説である。つまり、人間は大事なところにだけ毛が生えている。

しかし、よく考えてみると、それは必ずしも正しくない。

頭部が毛で覆われている理由にはなっている。頭は紛れもなく大切である。睫毛は大切な目にゴミが入るのを防ぐために、眉毛は(守るべき大切なところかどうかは別として)相手に表情を伝えるために必要であることは分かる。

しかし、ヒゲはどうなのか? これは何のために必要なのか。どの大切な器官を守るために生えているのか? そして何故概ね男性だけなのか?

概ね男性だけと言えば、胸毛や脛毛も、その論では説明がつかない。果たして胸や脛は男性だけにとって大切な部分なのだろうか?

いや、大切な頭部を覆っている頭髪にしたって、あくまで頭(脳)を保護するために生えているという説明には限界がある。

例えば若ハゲの人はどうなるのか? ハゲの人は守るべき所が守れない、一種の病気だと言うのか? しかし、ハゲのために頭部が守れなくて早死したというような話は聞いたことがない。

歴史上にもハゲの豪傑や天才や指導者などいくらでもいる。毛が生えてなくても決して支障はないのではないか?

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Monday, August 17, 2015

映画『この国の空』

【8月17日特記】 映画『この国の空』を観てきた。昨日の『野火』に続いて、戦争映画嫌いの僕がこの戦争映画を観た理由は、荒井晴彦監督と主演の二階堂ふみである。

荒井晴彦は過去にも監督を務めたことはあるにはあるが、基本的には脚本家である。日活ロマンポルノの昔から今年に至るまで、数多くの話題作の脚本を手がけ、賞もたくさん獲ってきた人である。

この3年間で言えば『共食い』、『海を感じるとき』、『さよなら歌舞伎町』という、いずれも非常に印象に残る脚本を書いている。

で、この映画は戦争映画と言っても、戦争のシーンはない。舞台は杉並区善福寺あたりの一般家庭である。時期もすでに終戦の年で、東京大空襲の話が出ているから、春過ぎから8/14までの話である。既に戦局は一般の国民の目にも明らかである。

そういうわけで、この作品には戦場も兵隊も銃撃戦も出て来ない。米軍の爆撃機は映るが、爆弾や焼夷弾が街を破壊し人を焼きつくすような場面もない。焼土は映るが屍は映らない。

映画はとある母子家庭とその隣に住む男を中心に描くのだが、そこで主に語られるのは戦争の恐怖でも窮乏でもなく、言わば“性愛”である。そして、それは今で言う不倫である。

そう、単純な“恋愛”ではなく、“不倫”であり、さらに言うなら、“恋愛”よりももっと人間の本能に根ざしていて、暮らしとは無関係に人の心の中で息づいている“性愛”の衝動である。

里子(二階堂ふみ)は父を病気で亡くし、母(工藤夕貴)と2人で暮らしている。やがてそこに焼け出された里子の伯母(富田靖子)が転がり込んできて、家庭はややギクシャクする。

隣には市毛(長谷川博己)という男がひとりで住んでいる。彼は妻子を疎開に出し、自分は丙種合格なので兵役に召喚されることなく暮らしている。男のやもめ暮らしなので、何かと世話を焼いているうちに、その市毛に里子が惹かれて行く。

もし戦争がなかったなら、里子は市毛に興味など持たなかったかもしれない。戦争の閉塞感と思春期の衝動が変な形で絡まってしまったのかもしれない。

里子が誰かに「そろそろ年頃だね」と言われた夜に、「そろそろそろそろ」とぶつぶつ言いながら床を転がるシーンが、あの年代特有の鬱屈と衝動を、見事に象徴的に物語っている。

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Sunday, August 16, 2015

映画『野火』

【8月16日特記】 映画『野火』を観てきた。終戦70週年の、しかも終戦記念日付近でこんなことを言うと怒られるかもしれないが、どんなものであれ、僕はどうも戦争ものの映画を観る気にならない。

では、この映画をなんで観たかというと、決して大岡昇平の原作を昔読んで感動したからというようなことではなく、塚本晋也監督が撮ったからである。

塚本作品を軒並み観ているというようなファンではないが、何本か観てきた者としては、なんで塚本監督がこんなものを映画化しようとしたのかが知りたかった。

塚本晋也と言えばやはり『鉄男』だろう。あれで一気に名が売れた。僕が最初に観たのは、その次の『ヒルコ/妖怪ハンター』だった。今世紀に入ってからの作品だと『悪夢探偵』の1と2が印象に残っている。

ちなみに『鉄男』は主人公が鉄くずのバケモノになる話だ。塚本監督をこれまで全く知らなかった人でも、これらのタイトルと『野火』を見比べてみて、繋がるところはないだろう。

スティーブン・スピルバーグはある時期「アカデミー賞がほしいばっかりに、急に教科書臭い話を撮り始めた」と陰口を叩かれた。塚本監督が戦争の悲惨を描いた作品に手を染めたのも、そんな動機なのだろうか?

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Saturday, August 15, 2015

故・花紀京さんに

【8月15日特記】 昨日テレビで花紀京さんの追悼番組を見て twitter で呟いたりもしたのだが、花紀京さんが如何に偉大な存在だったかということを、僕らの世代以外の、あるいは関西人以外の人たちに伝えるのは非常に難しい。

まず、関西以外の人には信じられないかもしれないが、僕らが小学校の時『よしもと新喜劇』は土曜の午後の早い時間に放送されており、僕らはそれを見るために学校から走って帰ったのである。

ご存じの通り『よしもと新喜劇』には多くの役者/芸人が出演しており、松竹新喜劇の藤山寛美みたいに主演のひとりが笑いを取るのではなく、プロレスのバトルロイヤルさながらに、みんなが他の出演者を蹴落としてでも笑いを取ろうとする構造である。

そういうチームが常に何班か組織されており、それぞれの班に座長がいる。花紀京さんはそんな座長のひとりで、あらゆる座長の中で、いや、あらゆる出演者の中で、群を抜いて面白かった。

花紀京さんには得意のギャグや一発芸があったわけではない。それぞれのシチュエーションに臨機応変なボケで我々を笑い転げさせてくれた人だ。

そう、彼ひとりで面白いわけではないのだ。相手の反応を受けて、それをひねったり裏返したり外したりして笑いを生み出して行くのだ。

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Thursday, August 13, 2015

出張考

【8月13日特記】 久しぶりに東京に出張に行ってきた。そんなに慌てて行く必要のある出張でもなかったのだが、でも実際に行ってみると、やっぱり何か手応えのようなものが残る。やっぱり人が動くということは良いことなのである。

それは普段あまり接点のなかった人間と接することによって、自分が流動化し、相手も流動化し、事態が活性化するということなのだろう。

別に常に流動化が善で固定化が悪だと言うわけではない。ある程度固定化していないと困るものだってたくさんある。

ただ、問題は、往々にして人間は放っておくと固定化する、ということなのだ。だから、動いて、人と会って、固定化する自分をある意味解放してやる必要があるのである。

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Monday, August 10, 2015

『S -最後の警官-』マスコミ試写会

【8月10日特記】 映画『S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』のマスコミ試写会に行ってきた。テレビ・シリーズは全部観ている(とは言え、例によってその記憶はほとんど全て消えかけているけどw)。

テレビを見ていない人には分からないような構成には決してなっていないが、しかし、テレビ10話にわたって展開された人間関係を理解した上で観ないと、どうしても薄っぺらなものになって、味わいが少し減るのではないだろうか?

つまり、この映画は、ここまでテレビで描かれてきたいくつかの対立軸の絡み合いこそがミソなのである。

同じ警察組織でも、犯人を撃ち殺してでも「制圧」する SAT と生きたまま「確保」することにこだわる NPS の確執。しかし、そのそれぞれの長である中丸(高嶋政宏)と香椎(大森南朋)の対立は単純な対立ではなく、元々上司と部下であったという微妙な関係の上に立っている。

そして、SAT と NPS のそれぞれの隊員である蘇我(綾野剛)と主人公の神御蔵一號(向井理)は、ともにテロで身内を失った経験を持ちながら、その結果一方は容赦なく撃ち殺すことに、他方はあくまでも殺さないことにこだわり続けることになる。

さらに、同じくスナイパーである蘇我と林イルマ(新垣結衣)は SAT 対 NSP という対立構造の上に、男と女という対比がある。

それに加えて、今回は海上での犯罪なので、そこに海上保安庁の SST という新たな組織が絡んで、そこに陸と海という対立が描かれ、中丸、香椎という2人のリーダーに倉田(青木崇高)という新たな個性のリーダーを交えての三つ巴となる。

今回も犯人は国際テロリストの“M”こと正木圭吾(オダギリジョー)であるが、テレビ・シリーズと同じく、その背後には霧山(近藤正臣)と天城(菅原大吉)という体制側の人間が絡んでいそうな匂いがある。

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Sunday, August 09, 2015

Has been upgraded #2

【8月9日特記】 昨日の自分の PC に続いて、今日は妻の PC を Windows10 にアップグレードした。僕の PC をアップグレードした後、問題がなさそうなので、妻の PC でも「予約」をしたのだが、なんと半日でインストール可能になったのである。

で、2日続きで同じ作業をすると、いろんなことに気づく。

実は自分の PC をアップグレードした際には、「全ての設定が引き継がれる」と聞いていたが、必ずしもそうではないではないか、と少し憤っていた。

僕は Outlook を使っていない、Internet Explorer を使っていない、MS-IME を使っていないなど、一部に反MS的な傾向がある(とは言え、あまり他人が使っていない Access や OneNote などを駆使していたりもするのだが)。

そういう訳で勝手に標準のブラウザを Edge (Windows10 から IE に代わるアプリケーション)に変えられたりすると不愉快なのである。

しかし、既定のブラウザは Edge になっているではないか!

と憤っていたのだが、妻の PC のアップデート作業中に気がついた。これはアップデートの途中に選ぶところがあったのだ。僕がちゃんと読んでいなかっただけなのだ。

簡易インストールを選ぶと、途中で Windows10 から採用された新しいアプリケーションが4つ表示されるところがある。僕はこれを単に新アプリの紹介と読んでしまったのだが、ここで「既定のアプリ」を設定することができたのだ。

4つの新アプリのチェックボックスを外しておくと、従来の「既定のアプリ」が引き継がれるとちゃんと書いてあったのである。お陰で妻の PC は僕の PC のように二度手間の設定をする必要がなかった。

要するに、言われているように、概ね旧設定を引き継いでいるのである。

ただ、やっぱり引き継いでくれなくて困ったところもあった。

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Saturday, August 08, 2015

Has been upgraded

Upgrading

【8月8日特記】 暫く様子見をしていたのだが、あまり深刻な不具合の報告も上がってこないので、家の PC を Windows10 にアップグレードした。

事前に PCメーカーから、「7月末にメーカーから指示を出すのでそれに従ってアップグレードするように。勝手にアップグレードしてトラブっても知らないからな」というメールが来た(もちろん、そういう乱暴な表現は採っていないが、意味するところはそういうことだw)。

だが、実際にメーカーから届いた指示にはアップグレードする際の常識的なことしか書いていない。で、上に書いたように一応暫く様子見していたのだが、すでにアップグレードした人からも悪評が出てこないので、とりあえず「予約」をした。

すると、1週間経たないうちにマイクロソフトからアップグレードが可能になったとの連絡が来て、1日寝かしたが、今日アップグレードした次第である。

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Friday, August 07, 2015

メディア・ジャーナリズム研究会

【8月7日特記】 今日、高名な元ドラマ演出家の話を聞いた。東京キー局に在籍して、PよりもむしろDとして、数多くの話題作を手がけた人だ。今は80代になっている。

少なからず感銘を受けたので、書き留めておきたい。いや、感銘を受けた部分を抜書きしておきたい。

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Wednesday, August 05, 2015

8/5サイト更新情報

【8月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はまたレギュラーのことばのエッセイ1編のみになってしまいました。

実は一昨日熱中症に関する記事を書いて、そう言えば前にも同じようなことを書いたことを思い出しました。それを読み直してみると、思いの外悪くなかったので、これを書き直してHPのほうに転載することにしました。

前にも書いたように、ブログの記事は日々次々と読み散らかして行く対象であり、もう少し一覧性があって反復参照可能な状態にしたいものはHPに掲載する、という考えに基づいた処置です。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Monday, August 03, 2015

酒飲み話の水飲み話

【8月3日特記】 連日猛暑が続いていることもあってか、最近みんなで飯食ってるとよく「昔は運動(スポーツ)中に絶対水飲ませてもらえなかったよな」という話になる。「途中で水飲んだらバテるぞ」なんて言われて。

だから、体育の授業であれクラブ活動であれ、あるいは単なる草野球であれ、終わるとすぐに僕らは運動場の片隅の水道のところに走って行って、錆びかけた蛇口に口をつけるようにして、金属の味のする水をとめどなく飲んだものだ。

今では脱水症状になるのを防ぐために、運動の最中にこまめに水分を補給するのは常識である。

「当時はあんなことをして、よく熱中症にならなかったものだ」という話になるのだが、当時は「熱中症」という言葉さえなかったのだから、当然と言えば当然である。

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Sunday, August 02, 2015

自由

【8月2日特記】 会社が番組の無料配信を始めて、僕も少し手伝っている。

人手が足りないものだから、配信前のチェック(それぞれのサイトからトラブルなく配信できているか、それぞれの機器で無事に最後まで見られるか)を分担してやっているのだが、おかげで気づいたことがある。

そうやって事前に見ることが不思議に楽しいのである。

番組を事前に見られるのは別に昨日今日に始まったことではなく、例えば僕もテレビ編成部時代には数多くの番組を「プレビュー」していた。ただ、その当時は別に嬉しくもなかったように思う。そういう時代だったのだ。

僕は今、この事前チェックの作業を分担しているおかげで、放送当日の放送時間にテレビの前で座っていなければならないという縛りから自由になれるのである。

局が決めた放送スケジュールから外れて、自分のペースで見るという行為が楽しいのである。全てのテレビ番組がそうであれば良いのに、と、テレビ局に勤めている僕がそんなことを思う。

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Saturday, August 01, 2015

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

【8月1日特記】 映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を観てきた。

まだ part1 が終わったところなので、総括的に語るべきではないと思い、感じたところを断片的に書く。

まず思ったことは、「これは原作のファンが怒るぞ」ということ。

初めに断っておくが、僕は特段のファンではない。原作は第1巻しか読んでいない。テレビアニメは1回も観ていない。そのテレビシリーズの総集編である劇場版は前後編ともに観た。

だから、原作がどうなっているか、つぶさには知らない。ただ、原作に割合忠実であるとされていたテレビアニメとは大きく設定が異なっている。

まず、オープニングで少し描かれているとはいえ、エレン(三浦春馬)とミカサ(水原希子)の少年時代から決定的に変わらない関係性が描かれない。いや、そもそもストーリーが全然違う。

ミカサは一旦行方不明になり、再び現れた時にはエレンとはむしろ対立的な位置に配されている。これはないんじゃないの?という感じ。

映画オリジナルの登場人物がたくさん出てくる。まあ、それは良い。しかし、例えば原作のリヴァイと同じような立場の人間が出てきながら、それはシキシマ(長谷川博己)という別人格に置き換えられている。それもどうよ、と思う。

そして、エレン、ミカサを含めて、原作と同じ名前で出ている登場人物たちも、名前だけを共有していて、人となりが微妙に違っていたりする。特にアルミン(本郷奏多)の弱さがあまり描かれない。うーむ。

でも、パンフレットを読むと、これは樋口真嗣監督が原作者の諫山創に頼み込んで変更を許可してもらったのではなく、第一稿を読んだ諫山のほうから「原作の縛りを一度取り払って考えたほうがいいものができるんじゃないですか」と提案したと言う。

その時の諫山がどんな心境であったのかはそこには書かれていない。でも、僕はなんか深読みしてしまうのである。僕が深読みするぐらいだから、原作のコアなファンはもっと深読みしてしまうのではないかという気がする。

そんな中でハンジ(石原さとみ)だけは見事だった。いや、原作に忠実かどうかという観点から言っているのではなく、これは明らかに女優・石原さとみの新機軸だった。こんなに弾けた石原さとみを僕は観たことがない(笑)

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