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Sunday, May 31, 2015

印象

【5月31日特記】 ちょっと前にコメント欄に「ここのところしばらく、映画関連記事がなかった」と書いてくれた人がいて、ふーん、なるほどなあと思った。

僕が映画関連記事を書くペースは実際には落ちていない。

僕が映画を観て記事を書くのは大体土日が多く、多い時は土日に1本ずつ観るので2日連続になる。でも、決して毎週観ているわけではない。間が2週間空くこともざらにある。このペースはもう何年も変わっていない。

これが3週間空くとさすがに「ここのところしばらく、映画関連記事がなかった」ということになる。逆に2日連続で記事があると「ここのところ、映画関連記事が多い」と言ってもよいかもしれない。間が1週間前後空いているのは標準的なペースである。

さて、このコメントが書かれた時には、ちょうど1週間前に映画評を上げている。その11日前には別の映画の記事が上がっている。そして、両者の間にはテレビで観た映画の記事も上げている。

僕は大いに驚いた。この状態がどうして「ここのところしばらく、映画関連記事がなかった」と称されるのか、しばし首を傾げたのである。

過去5年間の映画鑑賞本数を調べ、今年になってからの記事と記事の間隔を改めてチェックしなおしたりもしてみた。でも、マクロ的に見てもミクロ的に見ても、これを「ここのところしばらく、映画関連記事がなかった」とする根拠は薄いのである。

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Saturday, May 30, 2015

映画『ゼロの未来』

【5月30日特記】 映画『ゼロの未来』を観てきた。僕が愛してやまないテリー・ギリアム監督。映画館で観るのは7本目、テレビ等も入れると8本目の作品である。そして、妻も大好きな監督である。

僕が妻を最初に「面白い娘だな」と思ったのは、彼女が誰かに映画『バロン』の話をしているのが聞こえてきた時である。あの当時この監督はまだそれほど名の知れた存在ではなかった。女性でギリアム監督が好きだというのはなかなかのもんだと思った。

言わばテリー・ギリアムは僕ら夫婦を結びつけた存在なのである。今日も当然2人で観に行った。

しかし、ちょっと油断しているうちに、大阪でも神戸でも朝イチと夜の2回だけの上映になっていた。客の入りが良くないのだろう。

でも、始まった途端にすぐにギリアム・ワールドに吸い込まれてしまう。まずはこの色使い。そう、これはテリー・ギリアムならではの配色である。ゴシックでありながらポップ!

しかし、パンフを読むと、この色彩が実はギリアムが来日した際の体験に基づいていると知って驚くのである。

火災で廃墟化した薄暗い教会に住む主人公が一旦ドアを開けるとものすごくポップでカラフルでエネルギッシュでキッチュな世界が広がっているのは、実はギリアムが東京の西洋化されたホテルの部屋を出て秋葉原に行った時のギャップとショックを体現しているのだそうである。

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Friday, May 29, 2015

Play Log File on my Walkman #105

【5月29日特記】 暫くぶりのプレイログ記。今回も10曲。

  1. リラのホテル(かしぶち哲郎)
  2. You Gotta Chance(吉川晃司)
  3. ハイそれまでョ(ハナ肇とクレージーキャッツ)
  4. サヨナラの鐘(山崎ハコ)
  5. 東京五輪音頭(三波春夫)
  6. 聖☆おじさん(電気グルーヴ×スチャダラパー)
  7. 宇宙戦艦ヤマト(ささきいさお)
  8. リバーサイドホテル(井上陽水)
  9. 悲しきタンバリン(鈴木慶一)
  10. 宇宙ハワイ feat.ハナレグミ(アルファ)

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Tuesday, May 26, 2015

HAPA Japan Tour 2015

【5月26日特記】 サンケイホールブリーゼに HAPA Japan Tour 2015 "HAPA with ハラウ・フレンズ" ~Music and Hula Concert~を聴きに行ってきた。

会社の主催イベントだったので、ほとんど予備知識なしに行ったのだが、ウチの会社はここ何年かこの手のハワイアン&フラのイベントを手がけており、一度観たいと思っていたのである。

フラ・ダンスが入ると言うので、もう少しトラディショナルな曲ばかりやるのかと思っていたら、そうではなかった。

そもそも HAPA というのはハワイ語で half の意味なのだそうだ。HAPA というグループは元々ニューヨーク生まれ・ニュージャージー育ちのギタリストが生粋のハワイアンのボーカリストと出会って作ったバンドだそうで、そういう意味で HAPA なのである。

今回の来日メンバーは3ピースのバンドで、舞台上手からギタリスト(NY出身のバリー・フラナガン)、ベーシスト(タービン・マキア)、ギタリスト/ウクレリアン(カポノ・ナイリイリ)の順に並んでいる。リード・ボーカルは主にカポイだが、3人とも歌う。

前半はそこにフラのチーム(ハワイ語ではフラ・ハラウと言うらしい)が、1曲ごとに入れ替わり立ち代り現れる。そこには日本各地のハラウも混じっている。

後半は3人のコンサート+ラダーシャ・ホオフリ(下のビデオで踊っている美しい女性)のフラ・ダンス(他にカポノの兄弟らしい男性ダンサーも出演)という構成である。

オープニングは Tuahine (Hula Radasha) という綺麗な曲だった。彼らの代表曲らしい。

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Monday, May 25, 2015

『赤々煉恋』(映画)

【5月25日特記】 WOWOW から録画しておいた映画『赤々煉恋』を昨日観た。2013年に見逃した小中和哉監督の作品。

あの時はまだ名前も知らなかった、ブレイク前の土屋太鳳が女子高生・樹里の役で主演している。

が、僕にはどうも彼女の魅力が分からない。この映画でもそうだった。個性的なのは良いと思うが、好き嫌いの分かれる女優ではないだろうか。

冒頭、巨大マンション、と言うよりむしろ団地と言ったほうが良い建物の風景が美しい。こういうところに住みたいと思うかどうかは別として、僕はこういう都市の建造物を美しいと思う。

横断歩道の真ん中で中央分離帯の切れ目に座る土屋太鳳のシーンなどもそうだが、この映画はそういう都市(大都市ではないかもしれないが)の美しい景観をしっかりと捉えていて、そういう印象が一番強い。

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Sunday, May 24, 2015

浴室に閉じ込められた

【5月24日特記】 自宅マンションの浴室に閉じ込められた。妻は仕事で早くから外出しており、僕は洗濯機を回して、洗い終わったものを浴室で「衣類乾燥」にかけた。

そのついでに浴室のドアの取っ手を外したのが仇になった。

実は随分前から浴室の内側の取っ手の塗料が剥がれてサビが浮いてきていたのである。

Bathroomdoor

会社の先輩で DIY系のことにとても詳しい人がいて、その人に「何を塗れば良いですかね?」と相談したら、原因は何か、取っ手の材質は何か等々の質問を受けて、最後は「取っ手を外して持ってきてくれたら、僕が最適のものを塗ってきてあげるよ」と言われた。

僕は「いや、それも申し訳ないです。でも、まず取っ手が外れるかどうか試してみます。ネジが付いているので外れるとは思いますが」と言ったのが先週。そのまま放っておいたのだが、洗濯物を干すときに風呂の取っ手が目に入ったのが命取りになった(笑)

ネジは外れた。ひょっとしたら錠前のセットが一式抜けるのかと思ったが、そうではなく取っ手だけが抜けた。正確に言うと、取っ手と、取っ手を差し込んである穴を隠すためのカバーが内側と外側からそれぞれ外れた。

ラッチボルトという、ドアが閉まると枠に切ってある四角い穴にカチッと入って、ドアノブを回すとそれが凹んでドアが開けられるようになる部分はドアについたままだ。

さて、カバーが外れると結構カビだらけではないか。まずそれを拭くことにした。外側も内側も。

で、ドアの内側からカビ取り剤をつけた雑巾でぎゅっとその部分を拭ったら、ドアが押されて、閉まって、ラッチボルトは穴にカチッと入り、ドアが開かなくなった。

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Saturday, May 23, 2015

ブログ10周年

【5月23日特記】 このブログは2005年5月24日にオープンした。つまり、明日で丸10年になる。

「だったら明日書けよ」と笑われそうだが、ま、そんなに大きな記念日というわけでもないので、1日くらいずれても良いだろう(笑)

すでに2001年2月に個人ホームページを開設していたので、ブログを始めるかどうかについては躊躇した。

でも、結局のところ、このブログというやつが「来そう」なので、手を染めておこうという判断は割合早くついた。あとはホームページと差別化ができるかどうかである。

で、自分なりに差別化の方向性が見えたから、このブログを開始した。それが2005年5月24日という日付なのである。

じっくり推敲した文章を載せるホームページに対して、やや書き殴りになっても日々書き連ねて行くのがブログ。ことばのエッセイと音楽のコラムをメインとしたのがホームページで、そこから外れるテーマはブログに。

──まあ、そんなところである。その後ブログに映画評を書き始め、bk1 から書評を移設したことによって、差別化はある程度明確になった。

音楽については、音楽論やジャンルなど全般について書いた文章はホームページに、(映画評、書評と同じく)個別の作品やパフォーマンスについてはブログに書くという棲み分けになっている(気づいている人はいないだろうがw)。

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Thursday, May 21, 2015

5/21サイト更新情報

【5月21日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はレギュラーのことばのエッセイ1編だけです。テーマは大阪弁などで意味を強めるために頭につける「ど」です

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Tuesday, May 19, 2015

@homepage の管理サーバに不正アクセス

【5月19日特記】 やれやれ、面倒な世の中である。そう、正直言って「物騒な世の中」と言うよりも「面倒な世の中」という感じである。

僕がやっているホームページ(このブログのことではないが、運営しているのは同じ nifty である)のFTPサーバに不正アクセスがあったとのこと。

FTPパスワードは暗号化されていて容易に盗まれないし、事実ホームページが改竄された形跡もないが、不正利用を防止するために一旦 FTPパスワードを無効化したので、各自で再設定してくれ、とのこと。

村上春樹じゃないけれど、やれやれ、である。

最悪の事態は避けられたと喜ぶべきか、余計なことをしやがって面倒くさいと不貞腐れるべきか。

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Monday, May 18, 2015

アプリのサイクル

【5月18日特記】 僕は毎晩寝る前に、裏で起動している iPhone アプリを全部終了させている。

1つ、2つと上方にスワイプして消して行くのだが、数えてみると面白い。僕が1日の間に開くアプリは必ず 16 ~ 24 の間にあるのだ。

もちろん、毎日同じアプリを開いているわけではない。そのうち半分前後がほぼ毎日開くアプリである。

ちゃんと数えたわけではないが、僕の iPhone には多分 120 弱のアプリがインストールされている。この数が平均より多いのか少ないのか知らないが、プリインストールのものを除いて、入っているけど全然使っていないアプリはない。

そんな中で、毎日毎日僕は 120 のうちから 8~12 のほぼ毎日使うアプリと、同じく 8~12 の時々使うアプリを、選ぶという意識もなく選んでいるのである。

これはある種の拮抗、ある種の安定である。

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Sunday, May 17, 2015

映画『百日紅』

【5月17日特記】 映画『百日紅』を観た。

僕はかつて杉浦日向子の漫画を毎週読んでいた時期があった。何という雑誌に連載された何という作品だったか定かな記憶がないのだが、でも、北斎父娘の話だったので、この作品に違いない。

映画であれ小説であれ時代劇嫌いの僕が、どことなく惹かれて、毎週楽しみに読んでいた。それはお栄が現代の女性像に繋がる描き方をされていたからかもしれない。

後に杉浦日向子が荒俣宏の奥さんだと知って、それも彼女に対する好感に繋がった(すぐに別れちゃったけどね)。

僕はアニメの世界はあまり詳しくないので、原恵一という監督のことはよく知らない。ただ、あの杉浦日向子の作品をプロダクションI.G がアニメーション化するのであればきっと良いだろう、観たい、と思った。

昨今流行りの 3DCG ではないので、全般にのっぺりした画風ではあるが、風情のある作りである。

予想に反して、感心したのはまず音であった。

冒頭、駆け出し絵師のお栄が父親の葛飾北斎を語るところで、北斎が巨大な筆で120畳(だったか?)の大きな紙に龍を画くシーンがある。

そこで北斎が紙の上を歩く軽く乾いた音が伝わってきた。

お栄の妹で目の不自由なお猶という登場人物が描かれることもあって、この映画は音によく気配りできている。

風の音、川のせせらぎ、鳥の囀り、遠く聞こえる火事の半鐘、雪を踏みしめる足音、枝から積もった雪の落ちる音、そして雪の日の静けさ...。

派手な音ではない。どれも微妙な音だ。その微妙さがよく取り込まれている。

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Saturday, May 16, 2015

防カビと防他社

【5月16日特記】 スーパーで買い物をしたらレシートの裏などにクーポンが印刷してあることがあるのだが、それが今買ったのと同じ商品だったりすると、がっかりする。

今買ったばかりなのだから、当面その商品を買う予定はない。だから、そんなクーポンは全く意味がないではないか?

──というようなことを以前も書いたことがあると思うのだが、今回はありがたかった。というのはお風呂の防カビ燻煙剤を買ったらお風呂の防カビ燻煙剤50円引きのクーポンが付いてきたからである。

このお風呂の防カビ燻煙剤は非常に良い。非常に良いという評判を聞いたから買ってみたのだが、評判に違わず非常に良い。

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Wednesday, May 13, 2015

充電中の iPhone がブーブー鳴る

【5月13日特記】 妻の iPhone がちょっと不調をきたしてきた。言っても 4S である(僕のは 5S)。ここまでよく頑張って動いてくれている。OS のバージョンアップは毎回果敢に行ってきたが、巷で耳にするような不具合もなく、よく耐えてくれている。

それが急におかしくなってきた。

まず、電池の減りが早いと言う。ああ、いよいよバッテリの寿命かな、と言っていたら、今度はある日突然「この iPhone は過去4週間バックアップされていません」というアラートが出てきた。

そんなはずはない。ちゃんと iCloud にバックアップする設定になっているし、毎晩充電もしているので、その間に自動でバックアップされているはずである。なんで急にこのアラートが出るのか?

そうこうしていると、充電中の妻の iPhone がしょっちゅうブーブー鳴っているのに気づいた。そして、真っ暗だった画面が突然点いたり、リンゴマークが出たりしている。

さすがにこれはバッテリの単純なヘタリではないぞ、と思ってググってみた。ググってみると何でも出てくる良い世の中である。

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Monday, May 11, 2015

こんにゃく考

【5月11日特記】 昨日の夕食の食卓にこんにゃくが出て思い出した。

昔から疑問に思っていたのである。多分最初に疑問を感じたのは中学生くらいの時だろうと思う。

それは、こんにゃくは0カロリーだと聞いたからである。中学生だった(多分)僕は、「0カロリー」ということに対して大きな疑問を2つ抱いた。

  1. じゃあ、一体何のために食べるのか?
  2. 原料はイモのはずなのに、なんで0カロリーなのか?

最初の疑問に対しては、「いろんな料理にすると美味しいから」という回答が適切だろう。うん、今ならそれで納得する。弾力があって、歯ごたえも良いしな、なんてね。

でも、ひたすら論理性を追求していた中学生の僕には今イチ納得が行かなかった。食べても栄養にならないものを食べてどうするのだ、と。

ただ、それを言うと、野菜などにもそれに近いものがある。ほとんどカロリーがない食品。でも、ビタミンやミネラルを含んでいたり、繊維が豊富で、つまりうんこの素になる食品。

当時僕は人間が草を消化できないとは知らなかった。食べたものは全部吸収できるかのような錯覚に陥っていた。でも、ならばうんこは出ない。うんこを出すためにも食物繊維は必要なのである。

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Sunday, May 10, 2015

『アナと雪の女王』

【5月10日特記】 今さらながらではあるが、昨夜、WOWOW から録画しておいた『アナと雪の女王』を観た。ま、あれだけ評判になっただけに、一応観ておきたいという気持ちが強かったので。

妻は観ている最中から「つまらない」を連発し、見終わった後も随分不満げだった。

ま、ディズニーということもあり、筋は子供だましである。だから、僕は最初からストーリー展開には全く期待していなかった。

ただ、やっぱり 3DCG の出来栄えには舌を巻いた。技術的な先進性もあるが、この表現力である。

今のアニメは、どのシーンも完全にカメラで撮った映像になっている。

単にアニメーターが絵を描くのではなく、キャラクターがあり背景があり、画面の外側のどこかに光源が想定され、画面の手前のどこかにカメラ位置が想定されていて、そのカメラに収めた映像という形のアウトプットになっているのだ。

だから、雪の宮殿は天井から見下ろすのか、階段の下から仰ぐのか、崖からの転落は同じ高さから横に見るのか、落ちた地点から見下ろすのか、そして、人物に向かってカメラは寄るのか、あるいは引くのか──そういう構図ありきの画なのである。

その構図の決め方のセンスもあるし、そして、髪が風になびく、哀しみに顔が一瞬歪む、氷の上でちょっとだけ足を滑らす、腰に力が入って筋肉が微妙に動く──などの必ずしもストーリー上ではそれほど大切ではないところの描き方に却って上手さが出る。

衣服のドレープ感なども含めて、これが CG なのかと思うとなおさら信じがたい。

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Saturday, May 09, 2015

嫌い

【5月9日特記】 最近、と言うか、ここ何年かずっと思っているのだが、僕にはどうも嫌いなものが多いらしい。

食べ物の話ではない。例えば歌手とか、作家とか、映画監督とか。

「タダ券があるから一緒に行かない?」とか「良かったら貸すけど読む?(聴く?/観る?)」とか言われても、いや、その人はちょっと、というのが僕にはある。

いや、多分誰にもあるのだろうと思うのだが(いや、ひょっとしたら誰にもあるものではないのだろうか? そこからしてよく分からない)、でも、みんなは僕よりそういうのが少ない気がする。

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Wednesday, May 06, 2015

映画『セッション』

【5月6日特記】 映画『セッション』を観てきた。これはもう、何と言うか、べらぼうな映画を観てしまった。音楽が主役の映画である。家にものすごい音響設備があるという人以外は絶対に映画館で観たほうが良い。

冒頭、主人公のアンドリュー(マイルズ・テラー)がドラムスを叩いている。彼がいるのは名門シェイファー音楽院の一室。長い廊下の突き当りの部屋。そこに向かってカメラが寄ってくる。彼はこの学院の一年生。

そこに伝説の教授フレッチャー(J・K・シモンズ)がやってくる。明日の朝6時に教室に来いと言われる。彼が指揮をしている学内のジャズ・バンドに入れてくれると言う。

まず6時というのが嘘で練習は9時からであり、しかもドラムスの主奏者は別にいて、彼は楽譜のページめくりだったが、そこからフレッチャーの目に留まろうとして、アンドリューの、文字通り血のにじむような練習が始まる。

いや、その前にフレッチャーという男の人格は壊れている。音楽に対しては病的な完璧主義者で、僅かな音程やリズムの狂いも許さない。罵詈雑言や暴力も当たり前で、ダメな奴をすぐにクビにしたり、同じ楽器担当を入れて競わせたりする。

その恐怖政治に楽団員はみんな慄いている。

フレッチャーの教え方はシゴキというのを超えている。常軌を逸している。狂気の世界である。だから、その教えに耐え切れず、辞めたり自殺したりする人間が出る。

映画は全編に亘ってほとんどフレッチャーとアンドリューの闘いである。

冒頭のアンドリューのドラムスのシーンの後、最初に鳴る曲はリズムをカウントしてみると5拍子ではないか。そして、バンドのシーンの1曲目で演奏されるのが、この映画のタイトルにもなっている Whiplash という曲で、この曲は7拍子(8分の14拍子)で始まる、これまた変拍子である。

それだけで如何にスリリングか分かるだろう。手と足でリズムを取っていると乗ってくる!

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Monday, May 04, 2015

5/4サイト更新情報

【5月4日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はレギュラーのことばのエッセイの更新と読書コラムへの加筆があります。

ことばのエッセイは、予告した通り、前回に引き続いてやまと言葉の合成語について書いています。一連のシリーズとしては第5作になります。

それから読書コラムのほうは、前から少しずつ作家別の各章にリストを付け加える作業をしていて、今回は久しぶりに恩田陸の長編を読んだので、彼女の作品に対する書評リストを付け加えました。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Sunday, May 03, 2015

ドラマW『十月十日の進化論』

【5月3日特記】 録画しておいたドラマW『十月十日の進化論』を観た。第7回WOWOWシナリオ大賞受賞作である。

タイトルから明らかなように妊娠の話である。よくもまあこんな地味な話をと思ったが、よくできた本である。これは生物学上の女性でないと決して書けない。脚本を書いたのは栄弥生という人。多分出産経験者だろう。

大学の研究室で昆虫の研究をしている小林玲(尾野真千子)、35歳、独身。持ち前の勝ち気で妥協のない性格が災いして、研究室を馘になってしまう。

そして、その夜に偶然、7年ぶりに出会った元カレ・安藤武(田中圭)と、酒の上の過ち(?)を経て妊娠してしまう。

玲は産むことにする。しかし、近くにいるのに、そして、玲に対してまんざらでもなさそうなのに、安藤には言わずに産むことにする。そして、プライドを捨てて近所の昆虫館の雑用係のアルバイトに応募し、そこで働くことになる。

玲には和歌山で給食調理の仕事をしている母親がいる──小林文子(リリィ)。彼女もまたひとりで子供を産んだ。娘と同じく負けん気が強く、愛する男のために身を引いた形だが、以降誰にも頼らずにひとりで生きてきた。

玲の父・中村(でんでん)は未練を残したまま他の女と結婚した。その時には玲が文子のお腹の中にいることを知らなかった。しかし、結局すぐに離婚し、それ以降、文子の面影をずっと追い続けている。

ドラマの中では描かれていないが、その後どこかで娘の玲と知り合い、彼女は父の経営するスナックに通っている。安藤と玲が再会したのもその店だ。

玲=安藤と文子=中村の2つのカップルが相似形の2重構造になっている。ともに男のほうは女に思いを残しながら巧く伝えられない。女のほうは男に頼らず自立しようと意地を張っている。

この辺りの構成が非常に巧くて面白い。

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Saturday, May 02, 2015

映画『龍三と七人の子分たち』

【5月2日特記】 映画『龍三と七人の子分たち』を観てきた。敬愛する北野武監督。僕としては『アウトレイジ』以来5年ぶり。あまりのバイオレンスに辟易して『アウトレイジ ビヨンド』はパスしたのである。

北野武が監督だと知らずに見たら、僕も第一声は「なんじゃこりゃ?」だったかもしれない。しかし、北野武だと言われて観れば、これもまた紛れもない北野武なのである。

『あの夏、いちばん静かな海』や『HANA-BI』なんかとは明らかに違うところにギアが入っている。その2本とか、あるいは『アウトレイジ』シリーズのイメージで観に来た人はがっかりしたかもしれない。

でも、そのがっかりぶりをビートたけしが横目で見てほくそ笑んでいる様が脳裏に浮かぶ。僕が『監督・ばんざい!』の映画評で書いた「どこ吹く風のたけし」である(ただし、この映画は、線としては『監督・ばんざい!』の線ではなく、『菊次郎の夏』の線である)。

ヤクザ映画ではなく元ヤクザ映画である。思うところあって足を洗ったのではない。加齢により引退を余儀なくされた元ヤクザの爺さんたちである。

息子の家に居候、生活保護、入院中、老人ホーム住まい…。皆環境はバラバラだが、今は一様に侘しい元ヤクザの老人たちが集まる。リーダー格の龍三(藤竜也)がオレオレ詐欺に引っかかりそうになったのが発端だ。

新しく組を興すことになり、ヤクザ時代の勲功(殺人や傷害、詐欺などの犯歴数、懲役の合計年数)をポイント化して、その多寡で組長を決めることにする。龍三が組長に、マサ(近藤正臣)が若頭になる。

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