Play Log File on my Walkman #103
【3月4日特記】 今年2回目のプレイログ披露。今回も10曲選んで。
- ひとかけらの純情(南沙織)
- 人魚(NOKKO)
- 1990年(吉屋潤)
- 燦めく星座(灰田勝彦)
- 大迷惑(UNICORN)
- UNDER THE BLUE SKY(the Indigo)
- サルビアの花(もとまろ)
- 君がいるだけで(米米CLUB)
- Real Mind(森川美穂)
- ふたり(いきものがかり)
1)は1973年の南沙織の9枚目のシングル。有馬三恵子・筒美京平コンビの最高傑作と言って良いだろう。
この、若き日の青春が甦るような、胸にキュンと響く切ない詞と、サビでいきなり同じ高さの音を5つ連ねた、テクニックがないようでいて、とても巧みなメロディ。これぞポップスである。
2)は1994年にレベッカを解散した後、NOKKO のソロデビューとなった作品で、土橋安騎夫ではなく、意外なことにこれも筒美京平作品である。が、ちょっと筒美京平らしくない、ややぎこちない作りになっている。
それは、NOKKOのややぎこちない詞が載っているせいかもしれない。テイ・トウワの編曲がシックである。
3)は、こんな曲を自分の Walkman に取り込んだことをすっかり忘れていた。ランダム再生で流れてきて、あらためて、ああ、こんな曲あったあった、と感慨深かった。エレック・レコードである。
「1990年、娘は21」と歌っているから、多分1969年の作品なのだろう。今聴いてまず思ったのは、「その娘ももう46歳か!」ということ。
当時こういうのもフォークという名前でひとくくりにされたのだろうけれど、歌われている心情は旧い女性観の上に立ったものでしかない。むしろ演歌の世界に近い。まあ、当時はこういう「センチな」(笑)世界も受けたのだろう。
4)は、今の若い人はこんな歌は知らないだろう、と言いたいところだが、いや、僕だってリアルタイムでは知らない(笑) 1940年のヒットである。灰田勝彦、略して灰勝──亡くなった伯母はよく「はいかっつぁん」と言っていた。
古い歌だが、ペンタトニック・スケールを巧く使った流麗なメロディは今でも決して色褪せない名曲だと思う。男の純情を歌った清々しい歌詞である。
5)は僕が最初に UNICORN を認めた曲──などと言うと、なんだ、そんな曲で!?と言われそうだが、僕はこの曲にすごいショックを受けた。
適度に遊んでいながら、歌われている世界は非常にシビアである。そして、曲調といいアレンジといい、とてもロックには分類しにくいのだが、いや、やっぱりロックですよ、これは。
僕自身が意に染まない東京転勤をさせられてまだ東京にいた時代の曲だったので、身につまされる思いで、よくカラオケで絶叫したものだ。1989年のリリース。
6)the Indigo って素晴らしいバンドだと思うのだけれど、世間にはあまり知られていない。これは2003年の 7th シングル。オリコン最高位は第67位。
田岡美樹の声がとても好き。こういう中音域が強い女性歌手が僕は好きだ。そして、市川裕一の素直で憶えやすく、キャッチーな曲。ウェストコーストである。
7)『サルビアの花』はもとまろの他にも作曲者の早川義夫や岩淵リリのバージョンもあるが、早川義夫バージョンはさすがに重くて趣き深く、もとまろのバージョンはコーラスワークが面白い。岩淵リリのが一番平凡かな。
もっと後の時代ならあがた森魚による名カバーがある。
8)米米CLUBのこの曲を初めて聴いた時の感想は、大瀧詠一のアルバム『A Long Vacation』を初めて聴いた時のものに近く、「あ、こんな一般受けする曲書けたの?」という感じだった。
そういう意味ではあまり面白くない作品でもあるのだが、でも、まあ、良い曲ではある。
9)は僕の転調名作選にも入れているのだが、その中でも特に好きな曲。これは和泉常寛と羽場仁志による名曲。1988年、オリコン最高位は第32位。森川美穂のパワフルなボーカルも素晴らしい。この人も中低音に張りがある。
彼女の曲では『教室』や『Positive』も良いが、『Real Mind』が一番歌謡曲離れしていてインパクトが強い。
10)いきものがかりのボーカル吉川聖恵の声質は、上で挙げたthe Indigo の田岡美樹に通じるものがある。これは2009年の大ヒット。
この人たちはいつも青春の切なさを本当に上手に歌にしている。この歌もサビの転調から一気に泣けてくる。
今回はそんなとこ。
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