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Sunday, December 28, 2014

回顧:2014年鑑賞邦画

【12月28日特記】 今年もまた「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」を選んでみる。

毎年書いているように、これはあくまで「20位以内に入ってほしい10本」なのであって、「入るであろう10本」とは微妙に違っている。

ただ、今年に関してはその両者が割合近いような気もする。

例によって、10本選んで、僕が観た順に並べてみる(評価の高い順ではない)。ただし、来年2月の公開に先立って観た『娚の一生』は選考対象から外した。

  1. 大人ドロップ
  2. そこのみにて光輝く
  3. 私の男
  4. 渇き。
  5. 思い出のマーニー
  6. るろうに剣心 京都大火編
  7. 舞妓はレディ
  8. 紙の月
  9. 0.5ミリ
  10. アオハライド

今回は何も考えずに選んだらぴったり10本になった。

まず、「入ってほしいけど、これはまず入らないだろうな」というのが1)である。

この映画は公開の時期が早かったので、印象が薄れるのも早く、年末の賞レースには不利である。そして、上映館数が少なかったので、キネ旬の審査員でも観ていない人が多いと思う。客も大して入らなかったし、評判にもならなかった。

しかし、カメラ・ワークも台詞もストーリーも役者たちの演技も、どれをとっても息を呑むほどの素晴らしい出来である。そろそろ飯塚健という監督を、世間は認めてやるべきなのではないだろうか。

2)は確か海外のどこかの映画祭で賞を獲った。キネ旬好みの映画でもあり、入ってくるのではないだろうか。

なんとも言えない、やりきれない映画である。台詞の切れ、重苦しい色合い、そして、池脇千鶴と綾野剛、そして菅田将暉の、なんとも言えないような激情を抑圧した演技。呉美穂監督の演出が冴え渡っている。

3)も確か海外の賞をもらった作品。熊切和嘉監督、宇治田隆史脚本。これまたべらぼうな物語である。

ショッキングな展開は、僕の場合は残念ながら早くに読み切ってしまったが、それでも見事に引きこまれてしまった。血と氷のイメージが鮮烈に出た映画。そして、二階堂ふみのしたたかな女性性。

選ぶか選ばないか一番迷ったのが4)。これまた中島哲也監督らしいえげつない映画であるが、中島哲也作品のベストではないと思う。

ライティングとカメラ・ワーク、そして、細かいインサートを繋いだ編集。観ていて心がザラついてくる、嫌な感じの映画である。全編血糊でベトベト!

主演の役所広司を、彼の娘を演じた小松菜奈が完全に喰っていた。共感できないのに目を背けられない作品。

ここまでの4本は、どれをとっても映画でしか描けない世界を、映画でしか描けない描き方で描いているところが凄い。

5)は、まあ、賛否両論あったようだが、ジブリ作品をほとんど知らず、そういう意味での先入観のない僕には心に染みた作品。

何と言っても、作画の圧倒的な表現力を見せつけられた。目に見えるものと心に感じるものが繋がっている感じを受けた。

僕の趣味を多少知っている人からすると一番意外なのが6)ではないかな(僕の趣味をかなり知っている人には意外でもないだろうがw)。

3部作の2作目というのは、大体どのシリーズでも中だるみになってしまうのが通例だが、『るろうに剣心』ではこの2作目が一番面白かった。

ともかく殺陣のスピード感とアクロバット性が半端ではない。こんな凄い殺陣は観たことがなかった。そして、次々と出て来るサブ・キャラの、なんと個性的で魅力に富んだことか! 見事なエンタテインメントだった。

7)は久々に観た周防正行監督作品。これが素直に楽しめる映画だった。

西洋と東洋、伝統と革新、ダンスと音楽、台詞と歌、師匠と弟子、舞踊とミュージカル──いろんな要素を対比しながら綯い交ぜにして、ストレートな成長物語を展開してくれる。希望が湧く映画だった。

唯一の欠点は、このタイトルが My Fair Lady のパロディだということが判りにくいことだろう(笑)

8)は間違いなくキネ旬ベストテンに入る映画だ。僕があれこれ語る必要もない気がする。吉田大八監督の真骨頂である。

画で伝えてくる“怖さ”。ある種の狂気を描くのにこれだけの抑制を以てする表現的逆説。

宮沢りえ・池松壮亮の熱演に加えて、早船歌江子の台詞も冴え、本当に怖い。

9)は多くの人が激賞しているので、これまた間違いなくベストテンに選ばれるだろう。11月に公開したばかりで印象も強く残っているので、ひょっとするとこれが1位になるかもしれない。

圧倒的な196分で、まさに安藤桃子にしか撮れない、厚かましくてしたたかで、しかし、天使のように屈託も偏見もない安藤サクラがそこにいる。

ただ、僕としては、同じ安藤桃子監督なら前作(デビュー作)『カケラ』のほうが好きだけれど。

最後は10)の三木孝浩監督作品。この監督はあの『陽だまりの彼女』でも第58位にしか選んでもらえなかったぐらいだから、今回も20位以内に入れてもらえないんだろうな。

でも、前作『ホットロード』はちょっとしんどかったけれど、この映画は絶品の青春恋愛映画であると思う。

確か金子修介監督(だったと思う)も僕と同じことを twitter で呟いていたが、もう東出昌大と本田翼の魅力全開なのである。

展開と構図を緻密に練りながら、丁寧な丁寧な作りで、まさに僕ら自身の青春時代を、そして、恋愛を呼び覚ましてくれる。ズシンッと胸に響く感動があった。

以上が、僕が他ならぬキネ旬のベストテン20位以内に入ることを切に願う10作品である。年明けの発表が待ち遠しい。

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