バスは出る
【11月19日特記】 今日は大変ラッキーだった。
出張で幕張メッセに行ったのである。まずは朝の飛行機で羽田に飛び、そこからいつも通りバスの切符売り場に直行したのだが、幕張行きは満席続きで1時間後の便しか空いていないと言う。
電車で行くことも考えた。そのほうが早いかもしれない。しかし、どうやって行く?
モノレールで浜松町に出て、そこから山手線で東京に出て京葉線に乗り換えか? しかし、東京駅の京葉線地下ホームまでは死ぬほど遠い。
それとも、浜松町から有楽町に出て、有楽町線で新木場に出るか? しかし、それだと3回も乗り換えなければならない。
いずれにしても、海浜幕張駅から幕張メッセまで、大きな荷物を持って長い距離を歩くことになるのもデメリットである。
──と、そこまで綿密に検討したわけではないが、何であれ電車で行くのは面倒だ、と3秒ぐらいで結論を出して、バスの切符を買った。
バスは30分ごとに出ている。発車時刻が一番近い便はまさに今出ようかというタイミング、その次の便は30分後で、その2便が満席なので1時間待つことになるという寸法だ。
しかし、ここで諦めてはならない。以前も1つ前の便に並んでいたら、空席が出て乗せてくれたことがある。
とりあえず、30分後の便が出るときにはターミナルに行ってみることにした。
バスが入ってきて、客が乗り始めたタイミングで、係員に「空席ないですかね?」と訊いてみると、「ないですね」と素っ気ない。「積み残しが出てるくらいですから」とも。
積み残しというのが何の意味なのか俄に分からなかったのだが、しかし、1分後に偶然にもそれを目の当たりにすることになった。一旦バスに乗り込んだ男性客が憮然としてバスから出てきたのである。
一方、少し離れたところでバス会社の係員が集まって何やらゴソゴソ話しているところに、別の係員がターミナル・ビルから飛び出して来て何かを伝えている。
すると、そのうちの一人がこちらにやって来て、怖い顔でバスから出てきた件の客に平身低頭して「今すぐ別のバスをご用意いたしますから」などと言っている。
と思ったら、するりと大型バスが入ってきた。
積み残しとは要するにオーバーブッキングなのであった。
それは当然バス会社のミスである。だから、客にあと30分待てとは言いにくい。それでバス会社は(ひょっとしたら今日はたまたま車両と運転手の手配がついたというだけのことかもしれないが)臨時増便を出したのである。
で、ラッキーなことに、僕と、僕の他にそこに3人いた客は、その臨時バスに文字通り便乗させてもらったというわけである。
諦めずに何でも試してみるものである。バスはさっきのバスの2分後に、5人の客を乗せて快適に走り出した。今日はその後も一日ツイていたような気がする。
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