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Monday, November 03, 2014

ハッカソン雑感

【11月3日特記】 会社の主催でハッカソンを実施した。自分も現場にそこそこ近いところでそれに関わってきて、感じたことを書いてみる。

1)ハッカソンはアイデアではなく物作りを競うイベントである。

どんな素晴らしいアイデアがあっても、そのアイデアをアプリなりガジェットなりウェブサービスなりの形で、動くものとして提示できなければ値打ちがない。

そう、これは一見プレゼン・ショーのように思われるかもしれないが、そうではない。これは物作りの復権を高らかに宣言するイベントである。

2)とは言え、採点は難しい。

予選のアイデアソンでも、本選のハッカソンでも、選考は難航した。各審査員の判断が割れる、ということもあるが、一人ひとりの審査員の頭のなかで割れる、と言っても良いくらい、非常に悩んでしまうのである。

それは出来上がってくるものがあまりに多岐にわたっているからである。選考する審査員の側が試されている感さえある。

結局のところ、「短期間でよくぞここまで作り上げた」という敬意が優勝を決めるのではないかなと思った。

3)ハッカソンは出会いの場である。

今回はチーム参加と個人参加の両方を受け付けたのだが、個人で参加してきた人たちが、初日に出会って、それぞれがアイデアを出し、それぞれが良いアイデアに乗っかってチーム・ビルディングするところが前半戦の山場である。

チーム参加の人たちもアイデアソンの場で、あるいはアイデアソンで敗退した参加者の中から新たなメンバーをリクルートして補強することができる。こういう仕組が素晴らしい。

今回はそれに加えて、ハッカソンの段階から各チームにウチの会社の若手ディレクター/記者などを1名ずつ加えた。これはナイス・トライだった。明らかに良い化学反応が起きた。

4)イベントは終わりがあって良い。

いつも思う。イベントは終わりがあって良いなあ、と。

会社人生の半分弱を営業で過ごしてきた身からすれば、羨ましくて仕方がない。

営業には終わりがない。下手すると始まりさえもない。のべつ幕なしにノルマと締め切りがあって、いつもそれに追われてきた。

終わりがあると達成感がある。盛り上がりがある。こういう仕事にもう少し関わっていたい。

5)ハッカソンこそ Web2.0 の最たるものである。

このイベントを見ていると、ティム・オライリーが Web2.0 というものを提唱した時に書いたいろんな言葉を思い出す。

それはまず Wisdom of Crowds である。Harnessing collective intelligence である。Users Add Value であり、Network Effects by Default である。

そして、物作りに使用した API も、出来上がったアプリやサービスも、基本は All Rights Reserved ではなく Some Rights Reserved であり、かつ Perpetual Beta である。

我々が心がけることはただひとつ、Cooperate, Don't Control ということである。

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