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Friday, October 31, 2014

すべり症心配症

【10月31日特記】 昨日に続いて病気の話。

会社の2年上の女性が腰椎すべり症になった。今はもう元気に出社しているのだが、手術すると聞いて「何の病気ですか?」と訊いたらこの病名を言われた。

僕は「なんですか、それは!?」と素っ頓狂な声を上げてしまった。だって、「上がり症」なら聞いたことがあるが「すべり症」なんて聞いたこともなかったから。

思えばそんな風に、子供の頃は聞いたことなかった病名が今は結構フツーに語られている。これは何なんだろう?

これが所謂心の病気であるなら、長らく偏見の彼方に追いやられて、病気という認定もされなかったものが、研究が進むと同時に社会が成熟して漸く病気だと認められた、なんてこともさもありなん、と思うのだが、身体の病気でなんでこんな新しいものが出て来るのか、よく理解できない。

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Thursday, October 30, 2014

インフルエンザの注射が痛い

【10月30日特記】 昨日インフルエンザの予防接種をした。いつも思うのだが、この注射は他の注射より痛いのである。

会社で「なぜ他の注射より痛いんだろう?」という話になった。

僕はなんとなく注射液の内容が違うからではないかと思っていたのだが、ではなぜ注射液が違うと痛いのかが分からない。

あるいは、他の注射と違って二の腕に打つから痛いんだろうか?──と、ここまで考えて、ふと、インフルエンザの予防接種って、みんな二の腕に打っているんだろうか?という疑問が出てきた。

僕はこの予防接種を受け始めたのは数年前からで(それまでの生涯で受けたことはなかった)、ずっと同じ先生に注射してもらっているので、他の医者がどこに注射しているのかよく知らないのである。

しかし、元に戻って、ではなぜ二の腕なら痛いのか、これも説明がつかない。あるいは肘の裏側か二の腕かというような問題ではなく、血管に打つか筋肉に打つかというような問題なのかもしれない。

すると、ひとりの同僚が「注射針が太いんでしょ?」と言った。

なるほど。本当かどうかは別として、針が太いから痛いというのは説得力がある。

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Tuesday, October 28, 2014

他山の石

【10月28日特記】 詳しいことは書けないのだけれど、世の中には、自分にとって何か不都合なことが起こった時に、それは自分の力が至らなかったりやり方が間違っていたりしたからではなく、ひたすら周りの何かが悪いのだと考える人がいるようなのである。

それが小学生なら仕方がない。うら若き者だと言うのであれば、百歩譲って辛抱しよう。でも、30代や40代でそういう人がいて、しかも、そういう人同士が群れていたりするので困るのである。

いや、社内の話ではない。他所の会社の人なのだが、そういう人たちに番組を作らせたら、多分視聴率が低かった時に、「番組はよくできているのに、視聴者がバカだからだ」みたいなことを平気で言うのだろうと思う。

子供の頃から自分の自負や信念をへし折られるような経験をほとんどしてこなかったのかもしれない。

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Sunday, October 26, 2014

T氏の鳩

【10月26日特記】 もう随分前に定年になった会社の先輩(もう80歳間近かな?)が facebook にコメントを書いているのを見て、感心したり納得したりした。

仮にT氏としておこう。

T氏は自分の名前を登録するときに、姓の欄と名の欄にダブって姓名を書き入れてしまい、おまけにどちらの欄でも姓と名の間に律儀にスペースを開けているので、パッと見て何のことだか分からない。

と言われても、それこそ何のことだかわからないだろうから、具体的に(と言いつつも個人情報は漏洩せずに)書くと、例えば彼の名が谷隼人であったとしたら、彼の facebook には「谷 隼人谷 隼人」と表示されているのである。

しかし、そもそもその年で facebook をやっている人はごく少数だろうから、そういう意味では随分進んだ老人である。間違いは誰でもあることなのであって、みんなで嗤うようなことではない。

そういう前提で書く。

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Saturday, October 25, 2014

ついに弾いてみた!

【10月25日特記】 4年前の7月に『ついに見つけた!』という記事でハーブ・オオタの Song for Anna (邦題『天使のセレナーデ』)という曲について書いた(ついでに言うと、この曲とは直接関係がないが、その続編で『ついに手に入れた!』『続・ついに手に入れた!』という記事も書いている)。

僕は、言うならば、この曲を演奏したくてウクレレを始めたようなものである。

で、記事に書いてあるように、この時に見つけたのは音源のみである。「さて、次は楽譜か。まあ、時間をかければ楽譜なしでもコピーはできそうだが…。キーはDだ」と書いている。

正直、「なんでわざわざDなんだろう? Cならもっと簡単に弾ける曲になっただろうに」と思った。

その後、YouTube でハーブ・オオタJr が演奏している映像を見つけた。

これだけの材料があれば、ま、自分でコピーすることもできる。しかし、かなりの達人ならすぐに楽譜に落とせるのだろうが、僕みたいなレベルの低い者がやろうとすると時間がかかって仕方がない。

それでやっぱり楽譜を(と言うか、ウクレレ用の TAB譜を)探し始めた。

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Thursday, October 23, 2014

iTunes のマークに、ふと

【10月23日特記】 PC の iTunes のマークが変わった。丸くなって、赤くなった。

で、何かに似てるなと思ったのだが、すぐにコロンビア(レコード)のマークだと気づいた。

Itunescolumbia

コロンビアのほうはネット上でモノクロのマークしか見つけられなかったのだが、これも赤かったのではないかな?

で、なんでこんなもの憶えているのだろう、と我ながら不思議になった。

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Tuesday, October 21, 2014

続 落丁・乱丁本

【10月21日特記】 とりたててお伝えするほどの情報もないのだけれど、ま、ここまでの経緯を書いたから、その結末についても書いておくことにする。

本を買ったら折り畳んだまま裁断されたところに印字されて読めないページがあったので、出版社に送りつけた。そしたら今日代わりの本が送られてきた。

僕は木曜日に発送したから、多分東京には金曜日について、それをその日のうちに見たか、あるいは月曜日に見て、代わりの本を月曜日に発送したら、火曜日に兵庫県内の我が家に届いた──という、まずまずの最速コースだろう。

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Monday, October 20, 2014

iOS に訊け──体重と体脂肪率

【10月20日特記】 iOS が ver.8 に上がって「ヘルスケア」がプリインストールされた。

僕が眠りのサイクルを記録して、目覚まし代わりにも使っている SleepCycle は、先日のバージョンアップでこのアプリとの連携機能を実装した。これはそういうことを目論んだアプリであるようだ。

なんとなく面倒くさいことになりそうな気がして、ヘルスケアと SleepCycle の連携ボタンは OFF にしているのだが、ともに OS に組み込まれている万歩計とは連携しているので、今両方のアプリで毎日の歩数を確認することができる。

一方、体重と体脂肪率については、このブログのどこかにも書いたと思うが、僕は WeightMan という非常に単純なアプリに記録している。

で、このアプリにはまだ連携機能がないということもあるのだが、今のところ僕は毎日体重と体脂肪率を、この2つのアプリにダブルで記録している。

WeightMan ではグラフの形で見られるのは体重だけだったのだが、ヘルスケアでは体脂肪率のグラフも見ることができる。

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Sunday, October 19, 2014

10/19サイト更新情報

【10月19日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はまたレギュラーの言葉のエッセイ1編の更新のみになってしまいました。昔あったコーナー『ちゃうちゃう大全』の一部をここに再現したものです。

ということで、今回の更新は以下のとおり:

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Saturday, October 18, 2014

映画『まほろ駅前狂騒曲』

【10月18日特記】 映画『まほろ駅前狂騒曲』を観てきた。

映画の第1作を観たのは、原作に惹かれたわけでもなく、瑛太と松田龍平のコンビに魅かれたわけでもなく、監督が大森立嗣だったからだ。

不思議な映画だった。日常を描いているのに、その日常がところどころでシームレスに非日常に繋がっており、その両岸の行き来に浮遊感がある。

で、続いてそれをテレビ東京が深夜枠でドラマ化した。今度はなんと大根仁監督である。

随分違うタイプの監督を持ってきたので驚いたのだが、先に大森立嗣演出で『まほろ』を見てしまい、更に大根仁の『モテキ』を見てしまっていた僕は、なんかうまくイメージできなくて、結局1話も見なかった。

で、今回の映画だが、僕は大根仁が監督したものだと勘違いして観に行ったのである。いや、最初に一度は大森立嗣監督だという記事を絶対に読んでいるはずだが、いつものことだが、時間がたつうちにころっと忘れていたのである(笑)

今回の話がオリジナルであるなら、便利屋の日常生活にバスジャックなどというとんでもなく非日常的なアクシデント(しかも犯人は麿赤兒扮する岡老人であるw)を持ってくるところが大根仁らしい、などと観る前から勝手に納得していたのである。

でも、見始めてすぐに、あれっ?大根仁のトーンじゃないなと思った。大根仁にしては大人しすぎる。それで、あ、多分大森立嗣なんだろう、と納得した。

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Friday, October 17, 2014

2円切手の行く方

【10月17日特記】 2円切手を買った。

長らく葉書は50円、封書は80円の時代が続いたので、10円未満の切手なんか必要なかったのだが、消費税が上がってから52円と82円になってしまった。

で、先日懸賞に応募して特製ハガキを送ろうとしたら、家の中に10円未満の切手が1枚もなく、面倒くさくなって50円切手と10円切手を貼って出してしまった。

こういうことやってる人、日本中にたくさんいるんだろうな、と思う。こういうことによる日本郵便の濡れ手で粟の収入は意外にバカにならないのではないだろうか。

で、今後はそんなことで8円くれてやるようなことはしないために、2円切手を10枚買った。

しかし、よく考えると、これとてポストに入ることなく日本郵便の収入になってしまう可能性もある。何しろ、特に具体的な使用予定もなく買っているのだから。

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Wednesday, October 15, 2014

落丁・乱丁本

Coldsnap1_2

【10月15日特記】 本を買うと大抵最後のページに「落丁・乱丁本はお取り替えいたします」と書いてある。僕は「なるほど、昔はそんなことも多かったんだろうな」と、産業革命以前の事例を見るような目で見ていた。

ところが、今でも現にそういうことがあるのを身を以て知った。右の写真を見て下さい。ね、ひどいでしょ?

買ったのは『コールド・スナップ』(トム・ジョーンズ著、舞城王太郎訳、河出書房新社)の初版本。舞城王太郎初の翻訳で、柴田元幸が解説を書いている。

Coldsnap2_2

見たところ折り畳まれたまま裁断されて、その上に印字されたみたい。

畳んだものを開くと左のようなことになる。なんとか読めりゃあそれで辛抱するかという気もあったのだが、うむ、やや限度を超えている。一生懸命読もうとしたが、なんだか解らない。

もちろん裏側だって同じである。こっちのほうがもひとつなんだか解らない(下の写真参照)。

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Monday, October 13, 2014

『トト・ザ・ヒーロー』

【10月13日特記】 WOWOW から録画しておいた映画『トト・ザ・ヒーロー』を観た。1991年、ベルギー=仏=独の合作。監督はジャコ・ヴァン・ドルマル。

録画で観た映画やドラマについて全部書いていると切りがないので滅多に書かないのだが、これはすこぶる面白かったので書いてみる。

もう随分古い作品なので、ネット上のあちこちにいろんな情報が書いてあるだろうから、僕もネタバレを気にせずに書く。これからご覧になるつもりの方は、ここで読み終えたほうが良いかもしれない。

舞台はフランスである。主人公は老人トマ。このトマの、老人ホームにいる現在と、少年時代の回想、そして時たま老人の妄想が入り乱れて描かれる。

トマは生まれて間もなく、産院の火事のドサクサに親に取り違えられてしまう。この時の記憶があるということが既に妄想くさいのだが、トマは少年時代から今に至るまで、ずっとそう思い込んで生きてきた。

取り違えられた相手は、向いの家に住むアルフレッド・カントである。カント家は金満家である。トマはずっと自分が受け継ぐべきものをアルフレッドに奪われたと思い込んでいる。

トマは周りの少年たちに「チキン・スープ」という仇名を付けられていじめられている。トマには可愛くて大胆な姉とダウン症の弟がいる。

トマは姉に恋する。結婚まで夢見る。ところが、姉はこともあろうにアルフレッドと親しくなる。トマは嫉妬する。

トマはテレビ映画の主人公の探偵トトにあこがれていて、自分もいつかは名探偵になって両親を喜ばせたいと思う。

トマの父は飛行機乗りだ。休みの日にはピアノを弾いて軽快な歌を聴かせてくれる。姉のトランペットがそこに加わる。

しかし、ある日、トマの父は向かいのカント氏に頼まれてイギリス製ジャムの輸送の仕事を受けるが、嵐の中で遭難し、恐らく死亡したと思われる。

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Sunday, October 12, 2014

Play Log File on my Walkman #99

【10月12日特記】 暫くぶりのプレイログ。今回も10曲披露します:

  1. チャンチキおけさ(三波春夫)
  2. 島育ち(田端義夫)
  3. 愛は勝つ(KAN)
  4. PIECE OF MY WISH(今井美樹)
  5. 唇を動かさないで 〜さよならが言えない〜(おかわりシスターズ)
  6. 東京ブギウギ(The Venus)
  7. 悦びに咲く花(ACO)
  8. ファッションモンスター(きゃりーぱみゅぱみゅ)
  9. NAMIDA 〜ココロアバイテ〜(ゼブラクイーン)
  10. 結婚しようよ(吉田拓郎)

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Saturday, October 11, 2014

『かもめのジョナサン(完成版)』リチャード・バック(書評)

【10月11日特記】 1970年代にベストセラーになった時には読まなかった。読まなかったが少し気になってはいた。どんな本なのかはよく知らない。知らないからこそ気になっていた。このたび長らく未公開だった第4章が加わって完成版になったというので買ってみた。

結論から先に書くと、残念ながらあまり共感を得られる本ではなかった。それは第4章があろうとなかろうと同じだろう。

僕は単純なものに惹かれない。複雑なものに惹かれる。現に世界は複雑なのである。それをむやみに単純化しようとするのは危ない試みである。そして、単純な何かになぞらえようとするのはもっと危険な試みである。

これは寓話なのか童話なのか? ま、どちらでも良いが、作者は人間の思いを必死にカモメに込めようとしている。

この本を読みながら脳裏に浮かぶのはカモメが大空を羽ばたいている姿ではなく、それを思い浮かべながらどうなぞらえるか呻吟している小説家の姿である。

そんなに告発したいことがあるのなら論文を書けば良いのにと思う。ただ、第4章を書き加えた(と言うよりも、封印していたものを解禁した)ことによって、あまりに薬臭かった作品が少し物語らしくなったのも確かではある。

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Thursday, October 09, 2014

機内の携帯を巡る話

【10月9日特記】 前回か前々回の東京出張で飛行機に乗った時に気づいたのだが、いつの間にか機内での携帯電話などの電子機器の使用に対する規制が緩和されている。

以前は機内では電源を切れと言っていたが、今は「電源を切るか、機内モードに設定するか」と言っている。つまり、ネットに接続せずに使う分には問題ないということだ。いつの間にそう変わったのだろう?

ちなみに、「機内」とは何かと言えば、物理的に飛行機の中に足を踏み入れていれば機内なのではなく、乗客が乗り込んでドアが閉まった瞬間そこが「機内」になるのである。

そう教わって注意して聞いていると、確かにドアが閉まった直後に「これ以後は携帯電話の電源を」云々とアナウンスしていた。

そして、今日気づいたのだが、着陸後は今まではやはりドアが開いてから携帯の電源を入れるお許しが出たのだが、今日は着陸してスポットに移動している途中で「これ以後は全ての電子機器をお使いいただけます」と言っている。

この間にどういう変化があったのだろう?

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Wednesday, October 08, 2014

flash player プラグインが反応していません(Chrome)

【10月8日特記】 なんだか Google Chrome の機嫌が悪い。ホームページを最後まで描画してくれない。「flash player プラグインが反応していません」と出る。

複数のサイトで同じ現象が出るので、サイト側の問題ではなくブラウザ側の問題だ。その同じページが IE でも Firefox でも読めるので、やっぱり Chrome の不具合である。

ページを再読み込みしても、Chrome を立ち上げなおしても効果なし。「反応があるまで待つのか強制終了するのか」と迫られる。いくら待っても反応はないし、強制終了すると(当たり前だが)Chrome は閉じてしまう。

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Monday, October 06, 2014

クリーニング屋の親父の話

【10月6日特記】 近所によく行くクリーニング屋がある。白洋舎である。以前は奥さんが取り仕切っていたが、急病で亡くなり、それまで店の奥でラジオ聞いたりしてブラブラしている感じだった主人がそのあと真面目にやり始めた。

聞けばウチの社長と同い年らしいのだが、見た目はもっと年取っている。非常にお爺さん然としたお爺さんである。

で、この爺さんが僕の妻のことが好きなのである(笑)

妻は若い頃から「爺殺し」の傾向があって、いろんなお爺さんから妙に慕われるのであるが、このクリーニング屋の爺もそのひとりである。

彼は我が家の電話番号を憶えている(時々忘れて間違うけど)。それから、僕の妻の名前を憶えていて、「Nさん」とか「N姐さん」などと呼ぶ。時々は「お母さん」などとも言うのだが、ウチの夫婦には子供がいないので、妙な感じである。

このクリーニング屋には、丁寧に洗ってほしい、ちょっと上等なものだけ持って行くのだが、僕が一人で行くと必ず、「N姐さんは元気かな?」と訊く。

残念ながら妻のほうは、爺さんの話がやたらとまどろっこしくて、ちょっとクリーニングに出すだけでも随分時間がかかるので、それを面倒臭がって最近はあまり自分で行きたがらない。

それで余計に哀しそうに爺さんは訊く。「N姐さんは元気にしてるんかいな?」と。

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Sunday, October 05, 2014

10/5サイト更新情報

【10月5日特記】 サイトを更新しましたのでお知らせします(このブログではなく、併設している私のHPの更新案内です)。

今回はレギュラーのことばのエッセイの更新のほかに、久しぶりに読書コラムを書きました。

読書コラムでは、自分の本棚に3冊以上の本が並んだ作家を取り上げているのですが、暫くそういう作家がありませんでした。で、今回取り上げたのは白石一文です。

現在のシリーズから、このブログに載せた書評へのリンクを張ることにしました。

それから、ことばのエッセイのほうでは、広告表現と規制について書きました。

というわけで、今回の更新は下記の通り:

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Saturday, October 04, 2014

映画『太陽の坐る場所』

【10月4日特記】 映画『太陽の坐る場所』を観てきた。同じ矢崎仁司監督の、8年前に観た『ストロベリーショートケイクス』がとても良かったから。

冒頭からトリッキーな画である。

左右2つに分割されている。片方では体育館でバスケットボールをドリブルしながら立っている制服姿の女子高生。もう片方の画面では、その体育館に入って行く、同じ制服の女子高生。彼女が中に入ったところで画はひとつになる。

そしてボールが床に転がり、ドリブルの音が消え、2人のやりとりが始まるのだが、カメラは2人の周りをグルグル回っている。

そして、やおらまた左右に2分割された画面がひとりずつ少女を捉え、少しカメラが動いて境界線が消えると、いつのまにか1つになった画面に2人の少女が映っている。

で、今度は1ショットになり、よくある手法だがズームインとドリーバックを組合せて人物の大きさを変えずに背景を大きくする(Vertigo Effect と言うらしい。なるほど)

うーむ、冒頭からこれは、ちょっと凝り過ぎではないか、と思ったのだが、8年前に書いた『ストロベリーショートケイクス』の映画評を読み返してみると、「冒頭のシーンでの凝りまくったカメラワークに度肝を抜かれるが、その後は割合おとなしい」と書いてある。

初めに脅かすのがこの監督のスタイルなのかもしれない(笑)

しかし、凝り過ぎは画だけではない。生身の人間が言うには幾分気取りすぎのような台詞も少なくなく、ちょっと耳障りである。

ここでもやや力が入り過ぎなのは、脚本を担当している朝西真砂にとって、この映画が本格デビューとなるからなのかもしれない。

僕はあまり読まない分野なので知らなかったのだが、辻村深月による同名の原作小説は随分有名な作品らしい。ただ、不思議なのは、この作品には“ミステリー”という語が冠してある。

この映画を観る限り、決してミステリーではない。そこが見ながらずっと不思議だったのだが、なぜそうなったかについてはパンフレットのインタビューで原作者が少し説明している。

多分監督は、この小説のトリック以外の部分に惹かれたのだと思う。それは恐らく、この映画の全面に溢れているヒリヒリするような肌触りなのだろう。

『ストロベリーショートケイクス』と同じく、痛々しいまでの、人間の弱みや嫌らしさを描いてある。これこそが矢崎監督の、そして、他の人には却々ここまで真似のできない作風なのだと思う。

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Thursday, October 02, 2014

『闇の中の男』ポール・オースター(書評)

【10月2日特記】 ポール・オースターも若い頃と比べると随分作風が変わってきたように思う。

考えてみれば彼もデビュー作からもう30年以上過ぎ、つまり、僕も30年近く読み続けているわけだ。お互い年を取るのも当たり前だし、作風が変わるのも、それを読んだ時の感じ方が変わるのもむべなるかなというところである。

ところで、柴田元幸の「訳者あとがき」によると、この小説は2002年の『幻影の書』から始まった、「部屋にこもった老人の話」の最後に当たる5作目で、その次の小説からはかなり傾向が異なっているのだそうだ。

そして、そのいずれもが恐らく2001年の9.11の影響を多かれ少なかれ受けているのだろうけれど、柴田によると、この『闇の中の男』についてはブッシュ政権に対する怒りの表れと読み解くことができるのだそうだ。そう言われるとなるほどと思う所が多々ある。

もちろん、柴田が書き添えているように、「書き上がった小説は、歴史上の変数を一つ二つ入れ替えることであとは論理的にすべてが演繹されるような作品ではない」。

今回直接的に描かれているのは、眠れない老人である。辛い過去を抱えて眠れない老人の話である。

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