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Friday, July 18, 2014

SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA OSAKA 2014

【7月18日特記】 昨年に引き続いて SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA OSAKA 2014 を観に行ってきた(ちょっとタイトル変わったけどw)。会場は昨年と同じグランフロント大阪のナレッジシアター。

この短編映画祭の売りは米国アカデミー賞公認映画祭であることで、この映画祭のグランプリ受賞作品は次年度アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象になる。

4日間で70作品が上映される映画祭を全部観ることはもちろん無理なので、今年も去年と同じく1コーナーだけを観てきた。今年観たのは「受賞プログラムC」の5作品。

SEQUENCE|悪の連鎖(Carles Torrens監督、米国、20分23秒)

今日観た作品の中では、これが一番まとまっていて、解りやすい。

主人公の男が朝目覚め、同じベッドで眠っていた恋人を起こすと、彼女は彼が何やらものすごく残酷なことをする夢を見たと言って、怯えまくって、彼に指一本触らせない。

なんじゃそれ、と思いながら仕方なく仕事に行くと、どうやら、街の人みんなが同様の夢を見たらしく、寄ってたかって疎まれ、追い出され、暴力を振るわれる羽目になる。

この設定が面白いし、画作りも非常にしっかりしている。

そして、最後のほうで言葉を失ってしまうような仰天の展開がある。これは紛れもないホラーである。だが、戦慄の中で、ちょっと笑ってしまうような、なんとも言えないユーモアがある。アメリカらしい作品である。

一秒の奏でる世界|An innocent beat(小寺和久監督、日本、19分07秒)

綺麗な絵の映画である。でも、頭で考えました、という印象がやや強い。自主映画の脚本を書いてきた人で、今回が初監督作品なのだそうである。

設定は、多分近未来。子供は学校に行く以外、外に出てはいけない──というのがこの時代のルール。そこには季節もなければ朝夕もない。時計もなく、時間は止まっている、いや時間というものの存在がないのかもしれない。

そんな中、一人の少女が外に出る。立ち入り禁止の柵を越えて、知らない街の喫茶店を訪ねる。

良い雰囲気の映画なのだ。しかし、設定自体が「SF」というジャンルに含められるほど細部を精緻に編み込めていない。監督(脚本も小寺和久)は観客の自由な想像力に委ねて余韻を残そうとしたのだろうが、詰め切れていない分だけ余韻が疑問に化けるのである。

どうせなら、多少奇想天外でも徹底的なSF的構成にして、それでこういう画作りだったならかなり映えたのではないかな、とちょっと残念。

喫茶店の少年の演技がやたらわざとらしいのも気になった。

Carn|獣(Jeff Le Bars監督、フランス、5分22秒)

これはこれらの上映作品の中でも何か特別の賞をもらった作品らしい。

アニメーションである。絵を描く上での省略の仕方や色使いが独特で、全くフランス的なものを感じない。むしろこれは引き算からなる日本の手法である。

吹雪の中を歩く子供。道に迷ったのか、家出をしてきたのか、何かに追われているのかは説明されない。ただ、もう歩けない限界のところに来ている。

そこに怪我をした狼が現れる。死にたくなかったらついて来いと言われる。そして生きるための交換条件を突きつけられる。

ほんの5分ほどの作品だが、最後の急展開には驚かされる。一気にそこまで持ってきて、そして突然終わる。このぶった斬り感が強烈にシャープである。

余韻はものすごく大きい。それは『一秒の奏でる世界』のような(悪く言えば)こねくり回したようなところがないからである。

Cleaner|掃除屋(Sung-Chi Lo監督、台湾、23分32秒)

これはとても台湾らしい映画(と言っても、僕はあまり台湾映画を観たことがないのだが、なんかそういうイメージなのであるw)。

ビルの窓拭き職人がゴンドラに載って窓を拭きながら1階ずつ下に降りて行くと、その階ごとに部屋の中で驚くべき光景が見える──という、ありがちな設定ではある。

ただ、そこからサスペンスに行くわけでもなく、なんだか教訓めいた話もあり、アクション映画の要素も入れ、結局のところなんだか台湾なのであるw

主演の掃除屋(リン・ジャン)は却々感じが良い俳優だと思ったら、主演男優賞を受けていたようだ。

Transit Visuals|トランジット・ビジュアルズ(Alfonso Torre監督、日本、14分24秒)

これもよくまとまった作品で、プロの仕事という感じがした。日本資本だが、監督はフィリピン人で、CMディレクターとして30年の経験があるとのこと。なるほどなという感じ。

東京で絵の勉強をしているフィリピン人のジェニーが、旅行中のアメリカ人カメラマン、マイケルと出会う。そして、マイケルに頼まれてジェニーが東京を案内する。

当然台詞は全部英語である(日本人のラーメン屋とのやりとりを除いて)。

淡いラブ・ストーリーでありながら、外国人に日本を紹介する観光用ドキュメンタリのような趣もあって、このミクスチャは見事だなと思った。

新宿御苑があり、ゴールデン街があり、いつのまにかスカイツリーに登り、夜が明けて朝食にちらし寿司を食べ、地下鉄の駅で別れる。

このシチュエーションは日本人には多分作れないし描けない。CMの人だけあって、画はとてもきれいである。時間の移り変わりがよく捉えられている。

たまにこういう短編映画祭を観るのも面白い。アカデミー賞が獲れるかどうかは分からないが、良いイベントだと思う。

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