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Wednesday, July 02, 2014

目利きの世界

【7月2日特記】 会社に目利きがいなくなったように思う。いや、ウチの会社や業界(つまりは民放)だけの話ではなく、世の中全体から目利きがいなくなったような気がする。

ウチの会社で言えば、番組というものは作ってみるまで面白いかどうか却々判るものではない。それを見極めて、と言うか、面白そうだという直感で言い切れる人がいなくなったように思う。

いや、目利きったって、必ず言い当てたわけではなく、外してばかりの目利きもいた。外してばかりでどこが目利きかと言われれば、全くその通りで反論の余地もなくて、ほんとは他の表現を探したほうが良いのかもしれないが(笑)

つまり、そんな風な判断の仕方、ものの決め方ができる人がいなくなったということである。

そう、そういう決め方をする人がいなくなったとか、そういう決め方が少なくなったというのではなく、ある種確信を持って(場合によっては確信犯的に)言い切れる人がいなくなったのである。

で、どうするかと言うと、論理的に予想しようとする。科学的な論拠を求めようとする。しかし、科学的に証明できるわけがないので、それは似非科学になる。一般傾向から個別事例は読めないのである。

思えば僕らは番組が作りたくてこの業界に入った。そして、仮に番組が作れなくても、せめて目利きにはなりたかったのではないかな? そこが違ってしまった。

今、目利きになろうとすると、根拠のないことを主張する人、自分の趣味で突っ走ろうとする人、と避難されたりする。

でもね、趣味で突っ走る人って必要なんじゃないだろうか? いや、もちろん、そういう人に全て任せきってはいけない。でも、そういう人を飼っておく意義は高い。少なくとも、「趣味に走っている」と非難する側の人間よりは遥かに有用である。

──などと思ったりするのだが、うむ、これを論理で聞いている若い社員には、多分全く理解されないのだろうな。

(文章に結論がつけられなかった。もう少し考えてみる)

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