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Thursday, July 24, 2014

『ルパン三世』マスコミ試写会

【7月24日特記】 映画『ルパン三世』のマスコミ試写会に行ってきた。

僕のネット上(twitter と facebook)での友人のひとりに、「アニメの実写化というのは基本的にコスプレである」と言った女性がいる。なるほど、巧いことを言うと思った。

つまり、そういう意味ではこの手の映画は、キャストの発表とキービジュアルの写真や予告編の公開の時点で半分は完成しているのである。

小栗旬という人はかなり凝るタイプである。大抵の人はアニメの主人公である超細身のルパンにはなれっこないと最初から諦めるものだが、今回も彼は 8kg の減量を達成して役作りに臨んだと言う。半端ではない熱の入れようである。

でも、顔や雰囲気はさすがにちょっと遠いかな、と思っていたのだが、予告編で喋ったり動いたりしているところを見ると、声色と言いポーズと言い、これまた見事にルパンなのである。

玉山鉄二の次元大介は今回一番すんなり受け入れられるキャストではないだろうか。違和感なく嵌っている。本来脇で良い仕事をする役者なので、こういう役回りがますますフィットしている。

綾野剛の十三代目石川五エ門は、スチル写真の時こそまあまあだが、台詞をもらって動き出すと、「誰がこんな役者連れてきたんや!」と笑いが止まらないほどストイックでエキセントリックな石川五エ門なのである。

そして、浅野忠信の銭形のとっつぁんは、外見容姿としては咄嗟に共通点が見えないのだが、「いやいや、浅野ならきっと何かやらかしてくれるぞ」という期待感があり、映画本編を見てみると、やっぱり原作の銭形の闇雲なエネルギーを体現してくれている。

さて、残るはみんなが「それは違う」と思った黒木メイサの峰不二子である。

原作と比較すると、確かにこれは違う。じゃあ、誰なら原作に近いかと言えば、誰でも思い浮かぶのが30歳前後の頃の藤原紀香だろう。

しかし、近年ああいう色香溢れる肉感的な女優はあまり流行らないようで、じゃあ今そういうタイプで誰がいるかというと、残念ながら誰も思いつかないのである。

ならば、今回のようなキャスティングもアリだろう。黒木にとっても初めてのチャレンジングな役柄だし、彼女としては彼女なりの不二子を演ずるしかない。果たしてどうだろう?

異論はあるかも知れない。でも、僕は良かったと思う。しっかりと黒木メイサの峰不二子だったし、黒木メイサの映画になっていたと思う。

そう、ある意味、これは小栗旬やジェリー・イェンではなく、黒木メイサの映画だったとも言える。

このストーリー自体が、それほど意表を突くわけでもないアクションもので、結局のところ芯になっているのは「不二子に振られ続けるルパン」という構図の面白さなのである。

この映画はきっと、「イメージが違う」と言う人と、「ハラハラドキドキするでもなく、あまり面白くない」と言う人がたくさん出ると思うが、全編が片想いのコメディであると思って観ると見え方が変わってくると思う。

北村龍平監督については、僕は『あずみ』という10年以上前の作品しか観ていない。しかし、それでも「ああ、北村龍平らしい作りだな」と思った。

外国人出演者も多く、カメラマンがペドロ・J・マルケスというスペイン人であることもあるが、国籍不明のエキゾチックな感じがある。それは上戸彩が扮する女忍者を撮っても無国籍風だった『あずみ』に通じる部分があると思う。

細かい遊びやファンサービスも散りばめられていて、そういうところに注意して観ると、意外に面白い映画だと思う。

ただ、脚本でもっと人物をデフォルメして笑わせてくれても良かったかなと思うのと、(どうしてああいう撮り方をしているのかよく分からないのだが)口の動きと台詞が一致しない(外人を吹き替えている部分は仕方がないが、日本人の台詞のなのに全然一致していないところがある)のは気持ち悪かった。

あと、楽曲『ルパン三世のテーマ』の使用許可が降りなかったのは痛恨ではある。

さて、そんな条件の中でこのコスプレ、皆さんはどうご覧になるのだろう?

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