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Saturday, July 12, 2014

若い

【7月12日特記】 「若い」っていくつ以下が若いのかな、とたまに思う。

75歳の人が65歳の人を「若い」と称するのを聞いたりすると、おかしくって仕方ないが、しかし、自分も似たような使い方をしていないかと言われると反論できない。

会社で40歳の社員を「若手」などと言ってしまい、「しまった、20代の社員は聞いて白けてるだろうな」などと思う。

逆もある。

自分が35才くらいのころ、新入社員から相談を受けたことがある。彼も僕も外回りの営業マンだった。

彼は自分の得意先の担当者とうまく行かなくて悩んでいた。話を途中まで聞いて僕が、

「で、その担当者はいくつぐらいの人? 若いのか?」

と訊いたら、彼はきっぱりと答えた。

「いえ、若くありません」
「若くないって、いくつぐらい?」
「30歳くらいです」

僕は密かに絶句した。自分のほうが年上である。そうか、俺は彼にとっては全然若くないのか。

そもそも日本語の「若い」は非常に情緒的な表現である。英語なら比較級にすべきところでも、日本語ならそのまま「若い」でまかり通る。融通無碍な日本語の特徴のお陰で、「何歳未満なら若い」と決められない。

それは場面場面で浮遊する。

思えば僕はいくつぐらいまで自分が若いと思っていただろうか?

それで思い出すのは「週刊ヤングジャンプ」を読むのをやめた時だ。あのころ僕は毎週買って電車の中で読んでいた。

それが、ある日突然、特別何かがあったわけではないのに、藪から棒に「僕はもうヤングではない」と思った。それで翌週号から買わなくなった。確か30代の後半だった。

生涯を通じて、大体実年齢より若く見られてきたので、とりわけ若く見られたいとは思わない。営業マンだったころは、若いと思われると舐められたりすることもあるので、あまり若く見られたくはなかった。

まあ、どっちにしても、40歳の人間を「若い」と言ってしまうことはあっても、自分はもう若くない。自分より若かった者も自分ほど若くなかった者も、ともに年をとって若くなくなった。

それでも時々「若く見える」と言われる。いや、若くない。そこは英語なら比較級を使うところである。

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