映画『女子ーズ』
【6月7日特記】 映画『女子ーズ』を観てきた。
福田雄一監督・脚本によるヒーロー戦隊もののパロディなのであるが、演じているのが桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月という、超の付くほど可愛い(あるいは美形の)女優を揃えているところがミソである。
で、めっちゃ面白かった! ああ、映画を観てこんなに笑ったのは久しぶり!というほど笑った。
「地球を守るヒーロー、とは言っても、女の子だからいろいろあるの」というのが笑いを取る基本コンセプトなのだが、中には実は男でもそんなことはよくあるというエピソードもある。
問題はネタ選びではなく、いかにそれを女子のテースト、女子のトーンで描くかということである。
そういう意味で福田雄一の筆は冴え渡っている。福田雄一の監督作品では『コドモ警察』『HK/変態仮面』『俺はまだ本気出してないだけ』の3本を観ているが、爆笑度はこれら3本の合計を抜いていると思う。
まずキャラの設定が絶妙である。
- “レッド”赤木直子(桐谷美玲)は建設会社勤務の真面目一筋のキャリア・ウーマン
- “ブルー”青田美佳(藤井美菜)はわがまま放題のアパレル・ショップ店員
- “イエロー”黄川田ゆり(高畑充希)は金さえもらえるなら肉体労働でも交通量調査でも何でもやる極貧のフリーター
- “グリーン”緑山かのこ(有村架純)はアマチュア劇団で将来の大女優を目指すぶりっ子
- “ネイビー”紺野すみれ(山本美月)は世間知らずで男を見る眼のない、大金持ちの令嬢
この凸凹の設定があらゆるエピソードで効いてくる。ピンクを外して、ブルーとネイビーで色が微妙にかぶっているのもわざとで、これが何度かネタになる。
その5人に指令を下すチャールズ(佐藤二朗)は、もう彼の喋りだけで独立した芸である(笑)
直子に恋心を抱いているイケメン同僚が、こいつ誰だったかと思いながら観ていたら、変態仮面の大東駿介であったところがビミョ~におかしい。
イエローと同じ名字の黄川田将也が出ていて、しかも彼が元仮面ライダーだったりするのは福田の細かい遊びである。
で、東映の仮面ライダーや戦隊ものの定番に従って、怪人と戦うのはいつも何故かがらんとした山中の砂利採掘場みたいなところであるのもパロディの一環である。
それからあの歩道橋の下のシーンの、無為に長い長廻しが何とも言えずおかしい。声を上げて笑うネタの中に、こういうビミョ~におかしいネタが入っていると嬉しくなる(笑)
女子たちのわがままのために、いつも怪人たちが待たされるという設定を重ねてくるのも笑える。
僕は5人のうち桐谷美玲と有村架純は昔から大ファンで、藤井美菜と山本美月にはあまり興味が湧かないのだが、今回出色だったのは高畑充希である。見事なコメディエンヌだった。
ともかく全編グダグダ感横溢、福田ワールドの炸裂である。ああ面白かった。もう一度観てもきっと笑うと思う。
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