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Sunday, June 29, 2014

懐かしい声

【6月29日特記】 昨夜9時過ぎに、8年前に部下だった男から電話がかかってきた。

電話が鳴ってる(厳密に言うと、マナーモードで振動してる)よと妻に指摘されたが、iPhone をテーブルにおいて少し離れたところにいたので間に合わなかった。

着信履歴を見ると、気がつかなかったが、6時過ぎにも一度電話をもらっている。

非常に奇異である。彼から電話をもらうというのは、一体何が起きたというのだろう?

確かに8年前には部下だった男だが、今は仕事で直接絡む間柄ではない。おまけに彼は東京、僕は大阪で勤務をしている。

ともかくリダイアルしてみる。出ない。もう一度かけてみる。出ない。3度目でやっと出た。

彼が不機嫌そうな声で出て来る。さすがに8年ぶりではないが、随分久しぶりに聞く彼の声。

「何でしょうか?」

と彼は言う。何でしょうか、とは何だ?

「は?」

と僕は聞き返す。

「この番号から何度か電話をもらってるんですが、何の用でしょうか?」

「あ、そうか、多分ポケットに入れておいた iPhone がこすれて、勝手に電話をかけたんやろ」

「失礼ですが、どちら様ですか?」

ここで初めて気づいた。Softbank から iPhone が発売された時に、僕は docomo を捨てて iPhone に乗り換えた(厳密に言うと、「二丁拳銃」の時代も暫くあったが)ので、彼は僕の今の番号を知らないのである。

僕が名乗ると、「なんや、やまえーさんでしたか。知らん番号やったんで…」となって、「いや、いずれにしても迷惑かけた」と僕が詫びて電話を切った。

それにしても剛毅な男である。知らない番号からかかってきた電話にかけ直す奴はあまりいないと思う。僕から最初に着信があったのが6時頃だったのだろう。それから彼は2回かけてくれている。悪いことをした。

さて、皆さんもこういう経験はないだろうか?

僕は普段は iPhone を胸ポケットに入れている。その時にはこんなことは決して起こらない。

しかし、胸ポケットのない衣服を着ている時はズボンのポケットに入れている。尻ポケットではなく、前の左のポケットである。

そうすると、たまに iPhone が勝手に電話をかけたり、Siri を呼び出したり、インストールしたきり忘れていたようなアプリを起動したりしている。

iPhone をポケットに入れる時には、もし間違って何かにぶつかるようなことがあってはいけないので、僕は必ず表示画面を自分の身体の側に向けて入れる。

背面を外に向けるのである。そうしておけば、どこかに激突するようなことがあっても、表示画面のガラスが割れることはないだろう──そういう計算である。

ところがズボンの場合、ポケットの布1枚を隔てて、iPhone は僕の左の太腿と接することになる。そうすると電気が流れることがあるようなのだ。

胸ポケットの場合それはない。ズボンのポケットはウェルト・ポケットなので薄い布1枚だが、胸ポケットの多くはパッチ・ポケットなので、ポケットは衣服の上に共布で縫い付けられている。だから、ズボンのポケットのような薄い布ではなく、衣服そのものによって iPhone と体は隔てられている。

その布の厚さの違いもあるが、上着の場合は、僕はその下に大抵アンダーシャツを着ている。このもう1枚の効果もあって、iPhone は僕の電気を通しやすい肉体から守られている。

「お前はTシャツの下にもアンダーシャツを着るのか?」と言われるかもしれないが、Tシャツの下にはさすがに僕もアンダーシャツは着ない。しかし、いずれにしてもTシャツには一般的に胸ポケットがついていないので、その場合、僕はズボンのポケットに iPhone を入れている。

そういうわけで、iPhone と僕の体はやりとりをする。

しかし、それにしても iPhone と僕の体は一度のやりとりでは電話はかけられない。まず「連絡先」を開いて、その中から1人を選んで、選ばれた人間の電話番号が複数登録されている場合はその中からさらに1つを選んで、そして電話をかける。

──何回か接触して、何回か電流が流れないと、電話は勝手にかけられない。

そんなことってあるのだろうか?と訝る向きもあるだろうが、実は僕の体は大変電気を通しやすいのである。冬場の静電気などは甚だしくて、大きな音とともに火花が散って、かなり痛い思いをすることがよくある。

これは本当にかなわない。それに比べれば、昔の部下に勝手に電話をかけるくらい、罪のないいたずらに思えてしまう。

久しぶりに懐かしい声が聞けて良かった(笑)

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