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Sunday, March 23, 2014

映画『神様のカルテ2』

【3月23日特記】 映画『神様のカルテ2』を観てきた。前作と同じ深川栄洋が監督をしている。

僕は難病物もお涙頂戴映画も好きではない。同じ登場人物が毎回違うシチュエーションで同じようなことをやって、何作続いてもストーリー的に新しいステージに入って行かないようなシリーズ物も好きではない。

にも関わらずこのパート2を観たのは、宮﨑あおいが出ているということもあるし、役者としての櫻井翔を結構評価しているということもあるが、ひとえに前作があまりに素晴らしかったからに他ならない。(宮崎あおい)

今回も良い映画だった。とってもとっても良い映画だった。

宿直になるとやたらと急患が運び込まれるというジンクスにも負けず、持ち前の使命感から一途に働いている主人公の医師をはじめ、登場するキャラクターの措定がいちいちうまく行っていて、しかもそれをまた非常に巧い役者たちが演じるから良い映画になるのである。

そして、単なる病院内の群像劇に医者たちの家族を少し絡ませた、というようなドラマではないところが良い。もうひとつの重要な舞台である御嶽荘の佇まいと住人たちの不思議な雰囲気が見事に機能しているのである。

そこには主人公の消化器内科医・栗原一止(櫻井翔)と妻で写真家の榛名(宮﨑あおい)が暮らしている。その何とも言えない昭和な元旅館に住み続けている(大家である)画家・男爵(原田泰造)は今作でもやはり絵を描けない。前作で学士(岡田義徳)が出て行った代わりに、今作では屋久杉(濱田岳)が入ってきた。

この屋久杉などは途中までは全く筋に絡んでこない余計なキャラなのである。そういうところが非常に良い。

今作では榛名は妊娠している。前作では本庄病院に勤務していた嫌ったらしい外科医・砂山(要潤)は大学病院に戻っている。今作では一止の大学の同級生の血液内科医・進藤辰也(藤原竜也)が、思うところあって本庄病院に赴任してくる。

外村(吉瀬美智子)、東西(池脇千鶴)、水無(朝倉あき)らの看護師も健在である。この3人のキャラもよく立っている。

そして今作では消化器内科部長の貫田(柄本明)が倒れる。それをきっかけに貫田の妻・千代(市毛良枝)と榛名の交流が始まる。貫田の大学時代の友人である高山(西岡徳馬)のいる大学病院には転院したくないと貫田は言う。高山も貫田はきっとそう言うだろうと予想している。

かつての一止と辰也の大学の後輩で、後に辰也の妻になった千夏(吹石一恵)が今どうなっているのかは却々明かされない

みんなが御嶽荘に集う。病院ですれ違う。助けあう一方で意見が対立する。小さなエピソードもいっぱい織り込まれている。

基本的に会話劇なのだが、画作りのセンスもものすごく良い。カメラは前作同様山田康介である。最初のほうで人物の周りをカメラがグルグル回った以外、ほとんど技巧的な撮り方はしていない。だけど、とても良い画が撮れていると思った。

見事な脚本(これも前作と同じく後藤法子)と、これだけ素敵な俳優たちを集めたキャスティングの力も大きいが、最終的には全体のトーン・コントロールの勝利であると思った。完璧にひとつの世界観ができあがっている。

最後のクライマックスの展開はすぐに想像がつく。だから、大どんでん返しで泣かせる映画ではない。人が死ぬから泣くんじゃない。みんなが優しくて前向きなとっても良いストーリーに、つい目頭が熱くなるのである。

こんな“どストレート”な映画にウルウルしてしまう自分もまんざら棄てたもんじゃない、などと妙なことを考えてしまった。

デトックスって本当にあるんだなと思った。ベタな映画だとなめていたら、知らないうちに癒やされてしまう。そんな不思議な映画である。

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