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Monday, January 13, 2014

映画『ゼロ・グラビティ』

【1月13日特記】 映画『ゼロ・グラビティ』を観てきた。ちなみに2D字幕版。

僕が見ないうちにどんどん高い評判が伝わってきた。キネ旬ベストテンでは2位になった。

あまり説明することはないだろう。役者はほぼサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの2人しか出てこない。

2人の宇宙飛行士が宇宙空間に投げ出される。最初は女性のライアンが、そしてそれを男性のマットが助けて何とか宇宙ステーションまでたどり着くが、今度はマットが漆黒の無限空間に投げ出される。

「このまま2人とも死んでしまいました」ではさすがに映画にならないだろうから、少なくともライアンはなんとか助かるのだろうと最初から分かっている。そのハッピー・エンディングに向かって、ストーリーをどううねらせていくかが監督の腕の見せ所である。

監督はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロン、脚本は息子であるホナス・キュアロンとの合作。この映画は監督にとって7作目の長編だが、作品に共通のジャンルやテーストはなく、あまり個性を主張しない人であるらしい。

ただ、長廻しは彼の得意な手法として有名になっている、とのこと。

さて、この映画の凄いところは、単にまるで本当に無重力の宇宙空間にいるように見えるというだけではなく、それぞれのショットがとても美しいということである。つまり、映像でしかできない表現を実現しているわけで、映画というもののあり方としては大変正しい。

どれがCGでどれが実際の照明やセットなのか、役者がワイヤーで引っ張られて回転しているのかそれともカメラのほうが回っているのか、そういうのは全然分からないのだが、観ていて胸が苦しくなるような危機的な状況にありながら、不意にうっとりするような光景がそこにある。

単に技術に支えられて造られた画ではないのである。それは最後の海辺で人物が立ち上がるシーンでの、手のアップ~濡れた砂~そこに立つ足~そして足許から見上げた人物全体という非常に魅力的なカメラワークを見れば判る。

そして、変な色気を出さず、単純なストーリーを91分という短い尺に収めているところも偉い。単純なストーリーだがそれを支える人物設定は大変しっかり措定されている。

終盤近く、いくらなんでもそれはないだろうというシーンが出て来るのだが、ああ、なるほどそういうことだったのか、と納得のできる展開に持って行っている。「やられた!」という感じ。あれが起承転結の見事な転になっている。

なるほど評判が高いはずである。賞も獲るだろう、きっと。洋画は年間数本しか観ない僕にとって、今年の「洋画始め」としては大変良い作品に当たったと思う。

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